『プラナス・ガール』4-6巻(最終巻)感想:絆が可愛くて絆が可愛くて絆が可愛かった

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作・松本トモキ。2009-2013年全6巻完結。

絆が可愛くて、絆が可愛いまま終わった。6巻まで続いたけれど、特に最初から何も進展していないように見えるのがすごい。最初から最後まで、槇と絆がイチャイチャしているのを見て楽しむ漫画だった。ただ、百合分が後半やけに強かったのはちょっと気になった。男の娘漫画の百合はどうにも雑味だと思うなぁ。

以下4-6巻(最終巻)感想。

目次

幸せなキスをして終わり

終わり。付き合って終わり。幸せなキスをして終わり。予定調和的にハッピー(?)エンド。絆が可愛くて、絆が可愛いままに終わる。男の娘を愛でる漫画。絆の相手として、槇も良い相手だったろう。というのも、絆は槇を好きになったことで、ふわふわしていた己の性の行末を決めたからだ。ってか彼氏的な相手がいないと、ただの女装男子で終わるしね。

男同士付き合うという展開にも関わらず、ラストは劇的だったかというと、そうでもなく。最初に書いたとおり予定調和的な印象を受ける。まぁここまで二人の間に障害らしい障害がなく、周囲どころか親の公認(?)さえ得られている状態で、かつ心理的にはどう見ても互いにお前ら好き合ってるやろ、という状態だったので、劇的になりようがないといったところか。同性愛的な葛藤さえも、サブキャラの百合カップルの話でやってしまったし。ってか親の理解がない分、あちらのカップルのほうが余程劇的な展開である。

槇と絆が安定しすぎている分、同性愛的な葛藤は代理でやる必要があったのかもしれない。槇と絆が自分たちの関係を見直す意味があったのかな、と思う。ただその後もそっち方面に目覚めるサブキャラもありで、そういうのいらんなぁと正直ちょっと辟易とした。近親姉弟キャラ程度のちょっとほのめかす程度でいいのに。そして百合に近親まであるのに、BLはないっていう。まーでも考えてみれば、BLこそやるわけにはいかないのかもしれん。世界観がBLに食われそうだし。

イチャイチャしてイチャイチャして

しかし……この漫画でそもそも同性愛が認められるかどうかなんて小難しくてデリケートなところに突っ込む意味もなかったような気はする。絆が可愛くて絆が可愛くて絆が可愛い漫画だったわけだし。槇と絆がイチャイチャしていればそれで満足だった。最後、ほとんど波風すら立たず二人は幸せなキスをして終了、は実にこの漫画らしく、またそれがこの漫画に求めたものであった。

ただそれだけだとマンネリか。実際、最後のほうは割と卒読気味だったしなぁ。でも男の娘漫画読んでる時に百合カップルの話長々とされてもなぁ。でも絆は可愛かった。それがすべてと言われたら、なるほどそうである。もう少し性的なところまで踏み込んだ槇と絆の話読みたかったなー、とか思いつつ、良い夢物語だった。

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