え、なにこれ、天才。最初の数ページで「あ、これ好き」って思った。その後の話見てもっと好きになった。ええやん。これ。ラブコメに大事なもの全部入ってるやん。
作者さん、誰かと思ったらうえきの法則の人なんやね。名前だけ知っているやつだ。こんなん描くんだ。びっくりやわ。うえきの法則はかなり入手性高いし、あっちもみるか……🤔
全然隠せてない好意いいよね。幸せになれるよね。あー、うん、久々になんか「幸せになれる」って感じられる漫画。
ノリはまったく違うけれど、なんとなく惑星のさみだれを思い出したが、そういえばなんかアニメ化されるらしいねあれ。以下1-2巻感想。
ストレートに変換球
この漫画はよかった。好意を隠しきれない思春期男女の無自覚イチャラブいいよね……。わかるか人類、これが世界平和だ。
ただし本編の設定はまぁまぁ壮大で、二人の協力で世界を救えというもの。抽象的にはよくあるフレームワークかもしれないし、もしかしたらボーイ・ミーツ・ガールものはだいたいそうなのかもしれない。ただここまで目的があからさまかつ剥き出しなのは珍しいと思う。まぁ物語なんてのは突き詰めたらそうだったとしてもだよ、あまりにも直截すぎるよね。どストレート。ストレートは変化球だってなんかの漫画にのってた。
なんとなく惑星のさみだれを思い出したのは、このストレートに捻くれたところに、通底したものを感じたからかもしれない。
幸せハッピー
もっとも、惑星のさみだれと違ってこの漫画のノリはアホほどハッピーである。悲壮感はまったくなく、あくまでギャグ&コメディのノリである。
なぜかこの1ページのスクショを撮っていたが、多分お気に入りだった。まぁでもこの1ページでラブコメラヴァーズの諸兄ならつい手にとってしまうこと受け合いだろう。大丈夫やで。手にとってええんやで。
これまたストレートにラブコメなんだけど、いいよね。なんか変な能力で強制好意バレさせられて一生懸命誤魔化すのいいよね。制服姿が垢抜けないのもまた良い。擦れてない。
もっとも、お互い好意を受け止めきるには色々とまだ足りていないので、なんとなく有耶無耶にしつつ、距離感だけ近くなっていくのだが、どうしてこんなにも幸福な気持ちになれるのだろうか。
好意は素直に限る
好意を明確に自覚している点もまた良い。
主人公がヒロインを素直に「可愛い!!」と感じるのはすごく重要だ。作中人物がきちんと可愛いポイント抑えてくれると、安心して共感できる。主人公とヒロインの関係によっては、主人公はヒロインを邪険にすることもあるのだけれど、その場合は共感の仕方が難しくなる。
まぁそこをなんとかするのが作家の腕の見せ所なのかもしれないし、主人公がヒロインの可愛さを説明するなんて、むしろ邪道なのかもしれないけれど、でもそれを野暮だと感じさせない勢いがあるね。
ヒロインの友人
登場人物は非常に少なく、ほとんど二人なのだけれど、例によってヒロインの友人キャラも出てくる。
また「ちょわー」言ってる……。ちょわーってなんなんだろう。ちょっと、わー!の略なんだろうか。
これはおまけ漫画の一幕だけれど、本編の役どころに準じたもので、むしろ「あ、やっぱりこの子はそういう役割ね」と感じさせた。こういう応援係は大事である。
主人公・ヒロインの友人には色々な役割が期待されるけれど、ヒロインの友人キャラで時々いる残念なタイプは、勝手に保護者面して主人公を邪険にするお邪魔虫タイプで、これはラブコメ的にはヘイトしか買わない。この手のタイプはそのうちヒロイン化することも多いが、それはそれで「お前どの面下げて」感が否めず、個人的にはあまり好まない。
そこへいくと、恋の応援団長買って出るタイプは良い。二人だけでは届かない場所に送ることができるロケット装置になりうる。ただこのタイプにも時々ヒロイン化するのがいて、これは先のお邪魔虫タイプよりも「お前ーーーー」という感じになるかもしれない。
が、本作の場合は「ああ絶対にそうはならんだろうな」と感じさせられるので、ここも安心して楽しめる。
ストレートな変化球
総じて、ラブコメに必要なのはこれだよね、っていうところを、恥ずかしげもなくストレートに打ち込んできて、そのあまりのストレートぶりが、逆に変化球だと感じさせる、そういう幸せハッピーな漫画でござった。続巻も折を見てポチりたい。
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