作・栗井茶。2017年11巻。
ギャグはキレてる。9番は割と最高だと思う。そしてサービスシーンが多い…いや、それは昔から多くて、女(しかも可愛い)の裸で笑いを取れる稀有な特徴をもった萌え系ギャグ漫画ではあった。ただ今の絵は綺麗過ぎて、ギャグ分が薄まりただのサービスシーンのようにも見える。
豚と佐々木はスピンオフで本編からは消えたが、しれっと牧野が出てきたので、豚と佐々木目当ての人もOK。やっぱり本編のキャラとも絡んでほしいよね。
まぁでも基本的にはいないので、ラブコメ枠なくなっちゃったなーとか思ってたら、今度は姫川と東が!……って、え?マジで?いや、この二人って……ただのお似合いでは?いや……え?
若干戸惑いつつ以下11感想。
ギャグはいつもどおり…ちょっとゆるいかも
まず、ギャグについてはいつもどおり。特に動物や子供のような、一般的に可愛く描かれているものを、絶妙に気持ち悪く描くのは本当に素晴らしい。全体的にはさすがに初期の勢いこそないものの、それはまぁギャグ漫画の避けられない定めなので…。長く続くギャグ漫画はマンネリがうまい作品である。
この作品は多くの人物がそれぞれ絡むことで化学反応が起きる漫画。人間関係そのものが面白くて、次は誰と誰が絡むんだろうという楽しみがある。早速、本当に美しい人が9番やら国木やらに洗礼を受ける様は笑えた。特に9番は毎度のことながら最高やね。一撃の破壊力が高いということはないけれど、しっかり笑いを取ってくれる安心のギャグ漫画。
まぁでもちょっとゆるいかもね。それは画力の上達とも無関係ではないはず。ギャグ漫画は絵がうまくなるとギャグ分が薄まる現象がままあるからなぁ。特にこの漫画は、可愛い女子を脱がせて笑いが取れる稀有な漫画だったわけだが、ここまで絵が綺麗だと、なんだかただのサービスシーンという感じもする。
姫川と東が急接近!……マジで?
今回びっくりしたのは、姫川と東の急接近である。この二人がラブコメ。驚きのラブコメ。何が驚きって、普通のラブコメしてること。彼氏のフリ(ではないけど)とかラブコメ奥義狭いロッカー(ではないけど)で二人きりとか、普通のラブコメ漫画でありがちなテンプレートを普通にやってのける普通のラブコメカップルだよ!↓
まさかこの漫画でラブコメロッカー展開を見るとは……。いや、正確には物置だが。同じようなもので。見てのとおり身体を密着…っていうか頬を密着させているのはガチのラブコメ漫画でも中々ないぞ。定番の胸触った触ってないとかそんなやりとりしてるという。どういうことだよ。
姫川は男の綺麗どころの真田あたりと適当に付き合ってんのかと思ってたが、そうではないらしく。ってかねーさん曰くどうやら真田はブス専で、ブスに取られたっぽい。さらっと流されたけどこの巻一番の衝撃なんだが。つまりしれっと敗北系幼馴染なのか…。
それでソロで出ることが多くなったんだなーと(まぁ後付っぽいけど)。でも東と仲良くなりだしたのはこの巻からなので、割と急接近なんだが、これは……いいの?カップリングとして受け止めていいの?
東はこの漫画で一番ラブコメ主人公っぽい性質、ってかどっかのラノベに出張してたりしない?って感じの風貌と性格。そして姫川は登場初期こそアクのない良い子だったが、今の姫川は適度に崩れていて非常にラブコメヒロインっぽい。11巻最後のディフェンスチックとか、ただただ姫川が可愛いだけの話であった。したがって、この二人の組み合わせは純粋にラブコメとしてアリもアリ、大アリである。大アリなのが逆に違和感である。
この漫画は色のある話がなにげに多い。豚と佐々木の話のような、変態的かつ濃厚でありながら、ラブコメ脳にもビンビンくる変化球だけど素敵ラブコメもあった(スピンオフまでした)。なんだかんだいって、作者さんラブコメ好きなんだろーなーと思う。しかしまさか、ここまでストレートなラブコメがなされるとは……。
てっきりそういうのは『アオイココロが地球を割る(削る)』でやるのかなぁと(2巻いつ出るんだろう?)思っていたが。この作品で?マジで?それとも次巻でオチがつく…ようにも見えない。というかそれなりにお似合いカップルなので、作ってしまった以上あまり崩してほしくもない……。
いや……いいよね、ラブコメ。いいよね。東と姫川、全然いけるよ?むしろ好きだよ?だがそれだけに、このひたすら微笑ましく可愛いだけのカップルが、果たしてこの漫画でどう活きるのか……。この二人の話は、なんだか分岐点な気もするなぁ。
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