表紙を見てわかるとおり美少女漫画なんだけれど、総合的に見て本作一番の美少女は定規ちゃんかもしれんね。性格も踏まえて。定規ちゃん元男ってこと以外完璧だし。
まぁ国木も考えてみると、実はこの世界では善玉なのかもしれない。今回は割とサイコ多めだが、吐き気を催す邪悪の中で、国木はなんだかんだで聖属性だと思うよ。今回の描写からいくに、どうも一線超えたりはしていないみたいだ。そこらへんわきまえているのも、姉さんに気に入られているとこなんかねぇ。この世界は聖属性にも闇属性にも強キャラいるけれど、闇属性のほうがやっぱちょっと比率高めだからなぁ。
姉さんもたいへんだ。以下16巻感想。
本巻のサイコパスども
サイコパスって個人的にはあんまり軽々に使いたくない言葉なんだけれど、この漫画についてはサイコパスという言葉がしっくりくるので使ってしまう。美しい人はトビー洗脳で笑えなくなってしまった。
今回新たなサイコパス発覚はマーちんだった。
ここだけ見ると猟奇性の高いヤンデレ好きあたりの人は「おっ」と思うかもしれないが、彼女の場合は純粋にただただ人を玩具にするのに快楽を覚えるサイコパスで、そこにあるのは愛ではない。したがってヤンデレでもない。まぁ今回やられるのは同情に値しないクソ野郎なのだが、そんなやつですらどこか哀れみを感じさせる。
虐待の末に衰弱し、正常な判断力を失ったカス村は、もっとも信じてはいけない男・国木にすら救いを求めてしまう。国木に縋るカス村の様子は、東をして「きらってすらいる…なのになんでだ…置いていけねぇ…!!」と思わせるほどなのだが、なぜこの作者さんはこんなところで共感力高めの描写を打ち込んでくるのか……。
まぁマーちんはその性根は邪悪だが、頭が悪いし力もないただの金持ちお嬢様ということで、一応姉さんに許されてはいるようだ。「マーちんも大概だからなー」。相手がカス村というのもあるかもしれない。
なんだかんだで聖属性
まぁ実際のところ、国木はこのデンジャラスな町の中では案外善良な方だと思う。カス村について「ついにやりやがったと思わないでくれ」という弁明は、逆説的にこれまでは最後までやりやがってはいないとも言える……よね?あんま昔の話とか覚えてないけど最後までいった描写あったっけ。なかったと思うけどまぁいいや。
その点、マジで一線超えるウノサノの姉たちや美しい人、マーちんなんかとは違うわけだ。まぁ国木は追いかけている時が一番楽しいんじゃないのかとか思いつつ。
善性といえば、無茶おじさんなんかは相当無茶するが属性的には本作でも一番の善よりかもしれない。そんな無茶おじさんvs国木vsアイキの強キャラ三つ巴はなにげに本巻一番の見どころだろうか。この3人だと、思いの強さがない分アイキが一段劣る感じ。国木と無茶おじさんは完全にベクトルが違うな。国木と無茶おじさんのお互い一歩も譲らない感じはちょっとカッコよかったわ。
「車はとめられないな」のカッコよさよ。ってか無茶おじさん本作で一番カッコいいんじゃないか。
ラブコメ回
ところで今回の表のラブコメ回は豚と牧野と辰姫なのだが、こいつらいつもどおりで特に言うことがない。ってか読み飛ばしてないと思うんだけど佐々木さんってどうなったの?と思って調べたらスピンオフいつの間にか2巻出てるやん。そっちでお楽しみか。牧野さんはメンヘラだけど佐々木さんはヤンデレに分類していいかもね。
そして裏のラブコメ回は定規ちゃんと男友達の夢精王ノリオくんである。定規ちゃんの話はなにげにTSもので、TS好きに刺さるところあると思うのだが、本作はTS属性の方々にはあまり届いていないだろうなぁ。
性知識ゼロかつ女性に対する欲求がいまだ小学校低学年レベルの奇跡の男子・ノリオくんに対して、定規ちゃんが性的な話を振りながらさかんに「男友達」を強調するのが素晴らしい。定規ちゃんには是非この最後の男友達で真の女になってほしいのだわ。
あ、そういえば姫川と東、一応まだ続いているみたいね。あの強烈なラブコメ回はなんだったんだってくらい触れられていないが。まぁそのうちまた忘れた頃にネタにされるでしょう。
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