エヌシ, オレ達のパーティーは間違っている 1, 2017
魔王に呪いをかけられたパーティーが、再び集まって魔王討伐を目指す……というと王道っぽいのだが、かけられた呪いがホモ化・ショタ化・女体化など魔王の趣味どうなってんだという嫌がらせみたいなものだったという話。
特にホモ化の影響は酷く、元々は仲間を思いやる性格っぽかったのに節操のない男色家になってしまっていて、ことあるごとに聖剣エクスカリバーを抜きたがるのでまぁひどい。
ということでラブコメ要素ゼロかと思いきや、パーティーの紅一点だったヒメがヤンデレ化……なのだがそのヒメの相手がホモ化なのでどうしようもない感じ。
Web漫画かと思ったがそういうわけでもないらしい。以下1巻感想。
魔王の趣味ヤバイ
ギャグ漫画ですな。静かな動きのない絵で、ニコニコ静画あたりでやっていそうな作風だったから、てっきりそっち系かと思ったのだが、よくよくみると裏サンデー。ほんと色々やってるな裏サンデー。
あらすじとしては、魔王を倒す直前までいったナイト・モンク・黒魔道士・白魔道士のパーティーだったが、倒しそこね、おまけに全員を呪いをかけられてしまう。呪いをかけられたパーティーは、再び集って魔王を討伐し、呪いをとこうとするが……というもので、味噌は魔王にかけられた呪いが、節操のないガチホモになる、ショタになる、女体化する、など、魔王の趣味のヤバさが露呈したものになっているところ。
ガチホモ化させてどうすんだよ
モンクがショタ化するのは確かに戦力ダウンと言えるが、元々武闘派ではない黒魔道士が女体化したからといって別に戦力的には変わらないだろう。精神的にはいやかもしれないが。ナイトのガチホモ化に至ってはむしろ強くなった気さえする。
ただ、ナイトの場合厄介なのはガチホモになったことよりも節操がなくなってしまったことかもしれない。男と見れば誰彼構わず手を出し、抱きしめてキスして聖剣エクスカリバーで貫こうとするのだからたまらない。仲間の危機よりも自身の性欲を優先させるようなところもあり、モンクから「今のナイトに俺たちを守ろうという気があると思えない」と言われてしまう始末。実際なさそうに見える。
そんなわけで、呪いを解く気がまったくない。これはまぁね……女体化はあくまで女体化で、精神が変わっていないから、魔法少女になりたいオッサンでもない限り元に戻りたいだろうけれど、性癖だったらどうかね。盗撮癖みたいな反社会的な性癖でさえも、当の本人は必ずしも治癒を望まなかったりするくらい、性癖ってのは根深いものがある。
で、これだけだとラブコメ要素はまったくないのだが、実はこのナイト、白魔道士の子と婚約をしていた。で、魔王を倒したら結婚しよう、と約束していたのだが、白魔道士の子は「魔王は倒せなかったけれど、別れるなら殺す」と闇落ち。いわゆるヤンデレ化と言って良いだろう。ここが唯一のラブコメ要素。先のホモ化と合わせて、強烈なことになっている。
なるほど、たしかにこれなら魔王討伐どころではなくなるかもしれない……のだが、魔王を倒せば呪いが解けるわけだから、やはり魔王討伐のモチベーションがダダ上がることになるのではなかろうか。
こういう事情があれば普通なら自身の性欲よりも呪い解除を優先させるはずだが、ナイトは白魔道士と平然と別れる気でいるので、この呪いの一番恐ろしいところはこの人格崩壊じゃなかろうかと思う(その点は白魔道士も同じ感じだが)。
エクスカリバーネタが使える最後の時代かもしれないね
まぁ正直ナイトがエクスカリバーでいざ貫かんとするのを見て笑えるかというと、今どきのギャグとしてはちょっと品がないような気もする。これで対象が女子だったらどうやっても笑いにはならなかったはずだし、男が男を犯そうすることが笑いになる、のはこのご時世だし微妙かなぁと。使えないことはないと思うんだけれど、描き方に注意が必要だと思っていて、本作のようにナイトが性欲100%むき出してエクスカリバー出してイエイ、だけではなぁと思う。もう3工夫くらい欲しい。こういうネタ、そのうちに使えない時代になるかもしれんね。
闇落ちしてヤンデレ状態になった白魔道士がもう少し早い段階で出てきていたら、ちょっと先を読もうかという気になったかもしれないが、今のところはとりあえずいいかなぁというのが正直な感想である。
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