作・岡本倫。2018-2019年5-6巻。5巻を呼んだのはつだっただろうか。感想書く機会を逃すとなかなかだね。
今回もくんずほぐれつ乱れております。触手も出てきました少しだけれど。やはり触手は浪漫なのでしょうか。
新しく名前付きの誰かが登場するたびに「はー今度はコイツがアヘ顔晒すのか、いつ、なぜ、どんな風に?」と2W1Hな期待が膨らむ。
それにしても、ちょいちょい元の世界に戻るのが痛々しい。体のこともそうだけれど、親御さんの気持ちを思うとつらい……。以下5,6巻感想。
ババァのいない新世界は羨ましいか
何かとたいへんな街リール編も最後はボスを倒して幸せハッピーな結末を迎える。名前が出たキャラは一通りヤっちゃって、最後は盛大に全員でくんずほぐれつ。ババァのいない新世界で酒池肉林。ついには街の英雄になっちまったよ。どこまでも漢の夢を叶える異世界よ。
自分もたいそうな人生を歩んできたわけではないけれど、一匹の男として、ヨータ以上にご都合主義的な幸せを享受しているやつなんて、この地球上にはいるまい。
しかしこの幸せな夢のために、元のクソタレな世界を捨てられるかといえば、なかなかそうも思えないだろうな。故郷には理屈を超えて人を惹き付ける何かがある。いや、なにもないのに、勝手に惹きつけられているのかもしれない
栄華を誇った人物が、最後は生まれた田舎の土で、なんてのもありがちな話。これも帰巣本能みたいなもんだろうか。生き物というのは、どういうわけか自分が生まれた環境というのに執着する本能が、遺伝子レベルで組み込まれているのではないかと思う。なんだろうね。
ヨータもあくまで元の世界に帰ろうという思いがあるし、リールの街で人魚のノアと別れた時には、人魚の上から目線について
なんだかんだで きっとみんな 自分のいる世界が一番だと思っているんだ
岡本倫, パラレルパラダイス, 第6巻
なんて分析をしているわけだけれど、この人魚に対する分析はそのままヨータについても当てはまる。実際、この世界のことをちょっと下に見ているところがあるしね。
それも仕方のない話。20歳までしか生きられない、という制約のために、ヨータの世界と比較して、この世界の文明・文化は著しく遅れている。いや、20歳までという、何かを成すにはあまりにも短すぎる生涯を考えると、よくこれだけ発展しているなぁとさえ思える。まぁ実際のところは、既存のものの保守・運用で精一杯であるようなので、過去の遺産を食い潰している状態なのかもしれない。
操舵士
それでも、スペシャリストっぽい人はいる。帆船を操舵できる操舵士・マカナと、応援係という名の戦闘用船員・リノがそうだろう。ノリもちょっと特殊であるし、狭い世界で文化が引き継がれてきたんじゃなかろうか。物語上のキャラ作りというのは置いといて。
20歳縛りがあるようでは、なかなか適正を判断して適職へ、なんてできるものでもないだろうし、この世界で自我を確立してから、ほとんど海の上の仕事をしていたんじゃなかろうか。この世界では、人生はほとんど最初の環境によって決まりそうだ。そう考えると、なんだかんだで選択肢のある現代日本は恵まれているなと思う。たとえ半裸の美少女で溢れていなかったとしても。
みんな大好き触手だよ
さて、海上では触手モンスター・グラコスが出現するが、コイツがまたエロエロモンスターであり、戦闘に入ると早速リノをひん剥いて触手でちゅるちゅるする。この世界、人間の男いないのにモンスターばかりそっちに発達していて、ほんと住民にとってはろくな世界じゃないですな。エロ的にはここが一番のハイライトだろうか。
で、モンスター退治の後は例によってくんずほぐれつ。やりっぱなし。若い。それでも、元の世界に戻りたいものなんだろうか。どうだろうね。
親御さんつらかろう
再びこの世界で死んでしまったヨータは、管に繋がってなんとか生き延びている状態で元の世界に戻る。この時のヨータの姿も相当に厳しいのだが、なにより親御さんの気持ちを思うとつらい。だって、自殺未遂ということになっているでしょう。で、入院中目が覚めたと思ったらまた飛び降りて……ってもうほんと胸が引き裂かれるような心地じゃなかろうか。
半身不随のヨータの目の前に再び表れた死神が、実はリリアだったという衝撃の事実が明らかになるものの、今までの死神もそうだったのかはわからない。そうすると、幼馴染の女の子・仁科はおよびじゃなかったと思うが、まさかアレで死んでそれっきりというわけじゃなかろうし、今後物語にどう絡むのだろうか。なんでもいいけれど、あまり痛々しい描写は御免被りたいものである……(岡本倫作品で言うことでもないかもしれないが…)。
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