『王子様の友達』1-4話感想:友達ダム決壊ラインでせめぎあう幼馴染みップル最高でした

2024年も末になって今年の最推しかもしれない。純粋にラブコメ的な意味で脳に響いたのはめっちゃ久しぶりなんだけど。年単位で久しぶりかもこの感覚。「ありがとう」と言いたくなる、誰に向けてるのかもわからない謎の感謝の言葉が出てくる感じよ。

ラブコメ観点なら男女ツーマンセル、幼馴染み、チビ男デカ女、でこぼこカップル、長身イケメン女子、僕っ子あたりがキーワードになるかなと思います。まぁでも属性なんてどうでもいいんです。属性なんてただのタグです。タグはタグでしかない。そんなことより俺はこれ好き。以上。

以上で終わらない以下友達ダム決壊不可避の1-4話感想。単行本じゃないのか?もうポチってるよ。いったんこの時点で書きたくなったんだよ。

目次

オススメ文

2回されてました。

コメディもラブコメもしっかりしている印象の作品です。1巻出るのが12月なんでまだ単行本出てないですが…。会話のテンポが良いのとセリフ外で感情を読み取らせるのが上手いのが読みやすくて良いです。
幼馴染ものであるのも最近だと一周回って新しいかもですね。

2巻が出たのでまた勧めます。2巻で人気キャラ、ラブコメ脳の犀川君がでてきます。これと前後してネームドキャラが増えてきますが、またどれもキャラが濃い。その中でメイン二人もしっかり進行する、という感じです。
この漫画はたまさんの感想みたいというか、ぜったい合うと思うんですよね!

ユウさん

なんでわかるんですか……。めっちゃ好きでした……。なんなら今年読んだ中で一番好きまである(早く読め)。

かなり早い段階で勧められていたにもかかわらず……。いやもう本当にこればっかりはタイミングで、すみません。2巻と公開されている話の間に空白があってつらい(自業自得)。

でっけ

王子様の友達というタイトルどおり、主役級のイケメン長身女子というヒロインにまず目がいく。

そうだね、目がいくね。こういうヒロインほんと好き。……あ、いや、そういうことじゃなくて。デカい女子いいよねっていう……いやデカいっていうのは本当にそれではなく、実際俺はむしろスカート姿のほうにぐっときていて、つまり足いやもういいです。

幼馴染な二人

はい、それでまぁまずヒロインに目がいくのだけれど、話のベースは昔ながらの幼馴染みラブコメだ。幼馴染みな二人の、「友人」という関係からさらに踏み出したい気持ちと、一方で今の心地よくかけがえのない関係を崩したくないという気持ちのせめぎ合いが、二人だけのやりとりの中で、自覚的、あるいは無自覚的になされている

これだけだと幼馴染みものとしてはスタンダードだが、ややひねっているのは、「王子様の友達」である主人公・塁の「女の子にモテたい」という願いに、ヒロイン・美明が協力するという体裁で二人の密なるやりとりがされていることだ。

もちろん美明は本心で塁をモテさせようとしているのではない。ついでに言えば、恐らく塁もまた本心でモテたいと言っているわけではないモテたいというのは、塁にとっては牽制だろう。これ以上いくと、幼馴染みでいられなくなる、という牽制だ。美明は塁の牽制を逆手にとり、関係の変化を目指してあえて踏み込んでいる。

上記のコマはその最初の例で、塁が「胸の大きな女の子にモテたい」といった矢先に、まさに自分がそうであることを認めさせようとしているわけだ。そのために、「練習」という名目でハグをして、自身の感触を確かめさせている。これができるのは二人の関係が幼馴染みの友人という特別な関係があるからで、この距離感ぶっ壊れ具合は幼馴染みものの醍醐味の一つだ。

友達じゃいられなくなるライン

実際、塁は強く意識することになり、美明はそれを密かに喜ぶ一方で、塁はかなりまずいと考えている。というのも、このままでは友達ダムが決壊してしまうからだ

さっさと決壊しろ塁はこの決壊を恐れている。というより、美明の気持ちを確かめあぐねている、というほうが良いだろうか。自分だけ暴走して、美明との関係が壊れてしまうかもしれないことを恐れている

一方で美明は自覚的には塁に異性としての自分を認めさせたいし、その先にあるものもなんとなく望んでいるように見える。少なくとも彼女が身体だけではない変化を自覚的に求めていることは確かだ。

しかし、彼女もまた、恐れの気持ちがないわけではない。これは名前呼びの回で如実に表れている。呼び名変え、幼馴染みな二人の関係性変化を象徴するイベントの一つだね。

塁の「好きになってしまう可能性がある」は、無自覚的だろうが、線を引く言葉だ。明確に、この先は境界を越えるぞ、という警告ともいえる。それを聞いて、美明は嬉々としてそのラインを越える。そうして美明がラインを越えると、塁は「覚悟を決めた」と向き合い、美明を下の名前で呼ぼうとする。呼んだ。

それは明確に美明の求めたことだ。それにも関わらず、美明の次の行動は「無言で逃げ出す」だった。

美明は関係の変化を望む一方で、いざ本当に変わるかもしれないと実感すると、逃げ出してしまう。それは照れももちろんあるのだけれど、関係の変化そのものを無自覚的に恐れているようにも見える。

それくらい、今の二人の関係は二人にとって素晴らしく心地よいものなのだろう。だから塁は自覚的に、美明は無自覚的に、その変化に対して臆病だ。同時に、これ以上の関係を、塁は無自覚的に、美明は自覚的に望んでいる。

二人はきっと同じ事を恐れ、同じものを求めているのだけれど、そのスタンスは二人の体格のように対照的だといえる。

まぁでも結局本質が同じなのででこぼこ合体したらいいと思います(意味深)。どうみてもカップルです。本当にありがとうございました。

  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (4件)

  • やった!来ましたね!これは絶対たまさんの琴線に触れると思ってました!

    この漫画は推しポイントいっぱいあるんですが、一つが構成が上手なんですよね。1巻の中できれいに回収して〆る。1巻分でいい感じになるほど…となると思います。
    アクの強いサブキャラが増えてからが本番なところがあるので、こっから面白さしばらく落ちないと思いますよ!

    • なんというか、ありがとうございました。オススメ見て「そんなに?」と思ってフォロー自体はけっこう前からしていたんですが、結局読んだのは最近で。
      失ったように思われていた感覚を少し思い出すことができました。

    • 塁のおっぱい星人宣言は、ただの性癖の発露なのか、それとも牽制のつもりで墓穴を掘ったのか、あるいは両方なのか。
      イケメン乳テントは友達卒業不可避。
      個人的には背丈に不釣り合いなスカート丈から伸びる脚が魅力的だなと思います。友達ダムは沈む運命。

コメントする

目次