すごくチャレンジングだ!姿が見えないヒロインと声だけのコミュニケーション…結果、主人公とメインヒロインの1巻表紙(ほんのりピンク色のところ)が、実質的に男一人。昨今の(多分)男向けラブコメでこれはすごく珍しいんじゃないかなぁ。
姿が見えないヒロインとのやりとりに、主人公と一緒に妄想が膨らんでドキドキしたよ。
以下、2巻まで読んだ感想。
姿が見えないヒロイン…いろんな意味でドキドキ
主人公・田力はぼっちの大学生。だけど全然つらくない。なぜなら家に帰ると、隣の部屋の大家・大神さんとお話できるから…!大神さんはひきこもりで、姿を見せてくれないけれど、田力を慮り、時には料理も作ってくれる、とても感じの良い女性。毎日のただいま・おかえりなさいから始まるやりとりの中で、田力は自然、大神さんに惹かれていき、大神さんもまた、田力に惹かれて……。
すっごいドキドキしんがら読んだわ。何がって、姿が見えないというか、見せてくれないって、もう絶対訳ありやんか。ひきこもりだって言うけれど、田力とのやりとりを見る限り、「何故この人がひきこもりなんだろう?」っていうくらいすごく感じがいい。一見問題なさすぎるのが問題。妙に安すぎる優良物件みたいで逆に怖い。
いやほんとに、大神さんどんな姿なの?と田力と一緒についつい考えてしまう。とにかく大神さんが気になって気になって仕方ない。そんでまた、ちょっとずつ、大神さんを出してくれるんよなぁ、一人の時にはつい歌っちゃう趣味とか、ちょっといじわるなこともいう茶目っ気、そして気になるシルエット、おお、少なくともデブではない、料理が出来る…ええやん、浴衣を一人で着れる…すごい、それに見た目も気を使える人なのがなんとなく伝わる、ってことはむっちゃブサイクとかではなさそう……。
考えれば考えるほど、すごく良さそうなんだけど、そんな良い人が何故引きこもってこんな怪しげなコミュニケーションをするのか!?まさかここまで引っ張って単なる美人さんにはするまいし、ああ気になる。もはやサスペンスの領域だよ!
主人公、いいやつ
そんでまた主人公・田力が純粋なやつで、大神さんのことを多少都合よく妄想しながらも、自分の心の支えになってくれた大神さんを、自分も助けになりたいと本気で思えるいいやつなんだこれが。田舎の純朴な青年という感じ。
人見知りとはいえ、こんだけいいやつなら友達もできようが、大学デビューしようと髪の毛セットしてこれからだという時に、車に引かれて長期入院、、一番大事な最初の三ヶ月を不意にするという。これはキツイよね。しかもそれが、引かれそうになっている子を助けようとしたため、と。かっこいいなおい。
なんと三角関係
とはいえ、田力に助けられた女子、美月とはその後大学で再会し、いい感じになるからそう悪くもないかもしれない。美月は田力と接するうちに、命を助けられたという事実と、田力の性根の優しさ、一生懸命さを知り、田力のことを好きになるのだ。つまり、三角関係だよ!大神さんとイチャイチャするだけかとおもいきや……。大神さんが特殊なだけに、ちょっとどっちに転ぶかわからないところがある。
ただ美月もいい子で、早々に田力と大神さんが互いに想い合っていることを理解し、当て馬覚悟で、田力に発破をかける。そして田力も自分の気持ちを理解し……と、ラブコメで三角関係を築きながら、早々にハッキリと結論が出るのが新鮮だ。変に引っ張らない。展開が早いね。早すぎるね。
そう、早すぎる。大神さんの神秘が、まったく明かされていない。この状態で突っ込んでも、最後の鍵をもたずにラスボスの城に行くようなもの……このままうまくいくわけがない!……というところで、2巻終わりだよ。続きがめっさ気になるんだわ。正直ミステリー枠だわ。
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