『おとめバレ』5巻(最終巻)感想:男に興味のない男装漫画であった

原作 みかみてれん, 漫画 ろうか, おとめバレ 5, 2021

最終巻と知らずに読み始めたが、読みはじめてソッコーでおとめバレしていて「あれ?もしかして終わり?」と思ったら終わっていた。

まーでも、そうね、これ以上はさすがに無理だよね。というか、現状でもちょっと長すぎたようにすら思えるし。筋だけ追うと1巻分もないんじゃないかな。初期設定はとても面白く思ったけれども、初期設定以上の広がりはなかったというのが正直なところ。

おとめちゃん可愛い!だけで最初から最後まで引っ張ったなぁ。ラブコメかと言われると……個人的には、違うかな。一応ラブはするんだけど、そこ別にどうでもいい感じに仕上がっているので。以下最終巻こと5巻感想。

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徹頭徹尾おとめちゃん可愛い漫画

おとめちゃん可愛い!に始まり、おとめちゃん可愛い!に終わった。まぁそういうことだよね。

最初見た時は、面白いと思った。男子のフリをするヒロインってラブコメ界隈には多い。そういや初恋ゾンビ、どうなったんだっけ。

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まぁ男装ヒロインは多いんだけれど、それはフツー男だと思わせるためのものであって、それがどう見てもバレバレというか全員にバレてる、ってのはありそうでない、コロンブスの卵な設定だなぁと感心した。ブレザー着て男を自称するだけなんだけれど、それが妙に艶かしくてね、ちょっと期待もしたんだけれど。

でも、結局それ以上にはならなかったな。多分展開があるとすれば大哲との関係がキーになったと思うんだが、そこがまったくもって平坦で、むしろなくてもいいくらいであった(いやまぁ本当になかったら多分読まなかったけど……)。むしろ女子友のほうが重要で、なんだか百合っ気を感じたんだが、実際作者さんの他作を見ると百合漫画だったので、そもそもがそちらの性癖からくる発想だったのかもしれない。考えてみると、この設定は百合漫画だったらありそうな気もした。

これがラブコメだったらなぁ

まぁでも、この漫画は百合漫画ではなく、一応男女でお付き合いするのでラブコメに分類されるだろう。しかし、いかに付き合っていると言っても物語的におとめと大哲の関係がさほど本質的にも思えず、そのために俺は前巻の感想で「ラブコメではない」とまで言ってしまっていたのだが、その感想は結局変わることはなかった。

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うーん、だって二人の関係に全然ときめかんかったからなぁ。だけれども進展具合は凄まじくて、この手の漫画では珍しくなんと最後までいく。おとめちゃんおとめじゃなくなった。これは意外だった。

ただそれは、ラブコメではないからこそ、さらっとできたことのようにも思えた。いや、あるけどね、最後までいくやつも。ただこの漫画の場合、二人の関係のピークとして描かれたのではなくて、ここまできたらおとめちゃんのおとめっぷりを最後まで堪能していただきましょう!というものであったと思う。

いやー、実際おとめバレした後のおとめちゃんノっていたからね、どうです、可愛いでしょうこの子、一途なところがまた可愛いくてですね、勢いですごいことまでやっちゃうんですよエラいことです!ってなもんでね。恋愛関係ではなく、あくまでおとめの可愛さを表現するために最後までいった、という風に思われたのは、大哲の心理描写が本当におまけ程度だったからかな。

とことん男に興味のない男装漫画であった。最初こそ男という性に対するこだわりのなさが新鮮に写ったものの、それ故に広がりもなかった。ただひたすらにおとめちゃん可愛いで始まり、そのまま終わってしまったというのが感想である。5巻でもちょっと間延びして感じられたな。

全体的に、陽子さん、すがりよるに近い感想になったかもしれない。あの漫画は男女CPが基軸ではあったが。ヒロイン単体に集中して焦点を当てられている、という点では一緒かな。

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まぁでも、なんだかんだで最後まで読んだしな。設定はやっぱり面白いと思うんだよな。おとめが可愛いのも確かにそうだし。うーん……ちゃんとラブコメしてくれればなぁと、一人のラブコメ好きとしては思うのであった。

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