前巻感想→「『おとめバレ』1-3巻感想:男子ブレザーによって強調されるJK感というコロンブスの卵」
なんか今読んでいる中で一番ハッピーな漫画かもしんないこれ。いろんな意味で。少なくとも突き抜けて優しい世界ではある。
男装女子自体が野郎向けラブコメのヒロインとしてはかなり特殊なんだが、そのうえに登場人物全員に女だとバレている設定、はなんだかコロンブスの卵という感がある。すごい。
本作ではおとめを中心にしたやさしい世界が展開されているわけだが、本巻ではほぼ唯一敵対していた大哲妹も味方につけて、いよいよやさしさが完成されている。
口開けながらほけーっと読むにふさわしい。以下4巻感想。
やさしい世界が完成される
おとめの男装を登場人物と読者の全員が見て見ぬ振りをするという、やさしい世界が特徴の本作。本巻では、唯一おとめを敵対視していた大哲のブラコン妹も陥落し、ついにやさしい世界は完成されたと言って良い。ラブコメとして見た時に、大哲の幼馴染の扱いは難しいような気がしたが、本巻を読んで、しょうもない心配だったなと思った。
ラブコメというよりは…
というのも、あ、これラブコメじゃないんだ、と気づいたからだ。いや、ラブコメといえばラブコメかもしれない、というより、一般的にはラブコメに分類されると思う。おとめと大哲は付き合っているし、その恋人関係を描いているのだから、どうしてもそこが目立つ。
でも、違う。そこはそんなに重要じゃない。たとえば、おとめと大哲が付き合っていなくても、本作の本質はまったく損なわれないだろう。たとえ大哲と付き合っていなくても、おとめは変わらず可愛い。でも、恋人関係かどうかが本質に影響しないラブコメなんてある?あるわけない。
つまり、本作はラブコメではない。少なくとも、俺の解釈だとそうなる。
じゃあ何なのか?というと、それはバレバレの男装女子たるおとめちゃん可愛い!漫画である。ヒロインを愛でる漫画である。ただ、この手の漫画でヒロインに恋人をつけるのはけっこう珍しいので、俺もラブコメかなと思ったし、なんなら、実際ラブコメとして描かれているのかもしれない。
実際、大哲が好きで付き合っているほうが、おとめの可愛さを引き出せるし、特に「男子が好きだと思い込んでいる」状態でなお付き合うのは倒錯的であり、これは面白い設定だと思う。今後、ここをどう深堀りするかによっては、「あ、やっぱりラブコメだったんだ」と評価をひっくり返すかもしれない。
でも、そうはならない気がする。なんとなく。多分、そういうこと描きたいんじゃないように思うので。
本作が今後どのような方針になるのかは気になるので、続きが出ればポチるかなと思う。
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