『推しが公認ストーカーになりました』1巻感想:アイドルにストーカーされたい願望ってあるもんですかね?

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瀬尾みいのすけ, 推しが公認ストーカーになりました 1, 2020

アイドルがファンをストーキングするという逆転漫画。ファンに独身を求めるアイドルという倒錯が楽しめる。

面白い設定だが、主人公にもヒロインにも共感できず、あまり入り込めなかった。アイドル好きなら共感できるところがあるんだろうか。

ラッキースケベが胸じゃなく太ももだったのが新鮮。多分そこが許される最大限のエロスなのだろうと思うと興味深い気はする。おっぱい揉むのは、アイドルとファン(の逆転現象)という構図のこの漫画の設定ではNGなんだろう。だがパンチラはOK。以下1巻感想。

目次

ストーカーヒロイン

推しアイドルにストーキングされるという、なんだか業の深い浪漫。ストーキングは一般社会においては犯罪行為ということもあり、ラブコメにおいて珍しいとは言わないが、多くもない属性である。なんだかんだで人を選ぶ。本作のヒロインは、思いっきり主人公の所持品を窃盗しているしな。捨てたものを拾うとかじゃなくて、普通にモノをとっているのはいかがなものか。

いや別に道徳警察する気はないので、ヒロインが窃盗犯だろうとなんだろうとなんでもいいんだけどね。問題はその心情に共感できるか、あるいは共感できなくてもなるほどなと思えるかなので。

が、それがちょっと俺にはよくわからんかったのだよ。

ストーキングの理由

ヒロインは、ファン一号である主人公がずっと自分だけを見てくれているか確認できないと不安で仕方ない、というのが理由付けでストーカー行為を働いている。で、それくらいであれば良い、と主人公は認める。

とこれだけ書くとまぁ漫画としてはわからなくもない設定に思えるのだが、主人公を影から激写したりスマホ盗んでデータコピーしたり挙げ句部屋に入って下着を物色したりするのは、どう考えても「自分だけを見てくれているかの確認」の範疇を超えており、そこには情欲的なものがあるようにしか思えないのだが、それは第一話でヒロイン自らによりサラッと涼しい顔で否定される。

まぁ単に自分の気持ちを自覚していないだけ、とも受け取れるし、というかそう考えないとどう考えて良いのかわからんのだが、でもそれはアイドルというテーマを考えると浅薄な解釈の気もする。

あるいは深く考えず、推しが自分のパンツを履いているという状況を楽しむべきなのかもしれないが、恋愛感情抜きでその行動原理に納得できるかというと、個人的には難しい。いや多分最終的にはラブ的な何かに落ち着くのだろうと思うし、実際ないでもないのだろうと思うが、どうにも俺の中で彼女の行動と気持ちの繋がりがしっくりこない。

なまじっか理由の説明シーンがあるだけに、そこで「??」となってしまったのはつらい。しかも、それについて主人公もヒロインも姉も、深く考えることなく受け入れてしまっているので、どうにも入り込めない。まぁ、俺がもともとアイドルものに対して興味がない、ということもあるかもしれないのだが。

なんてったってアイドル

まぁアイドルは恋愛ご法度なので、軽々に恋愛感情ほのめかすのができないのはわかる。たとえば最初のつかみのラッキースケベで、主人公が触ったのがヒロインの胸ではなく太ももだったのは、これがアイドルものだからだろう。胸を触ってしまうと、アイドルとファンのラインを超えてしまう恐れがある。本作はあくまでアイドルとファン、という構図が大事なわけだ。

「一生独身で自分を推してくれる…?」とアイドルがファンに独身を求めるという倒錯的な状況は、アイドルファンであれば中々楽しめるんじゃないか、と思ったりした。多分こういう逆転現象が楽しいんだと思うので。

どうでもいいのだが、個人的にツボだったのは主人公が母親が買ってきたパンツを履いていることを思わず吐露してしまって焦るシーンだった。なんだその設定。どうせなら、漫画主人公にありがちな"母さん"呼びではなく"お母さん"呼びでやってほしかった。

割と主人公の設定も作り込まれており、表紙も男女一組だし、カプものの構成ではあるんだが、入り込めなかったのは残念ではあった。2巻ポチるかどうかは気分かな。

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