『幼なじみは女の子になぁれ』2巻感想:徐々に精神が女化していく…!

作・森下真央。2巻2014年刊行。

幼馴染を女の子にして愛でる狂った漫画。…が、1巻時点では案外と健全で、設定の割に無邪気なギャグ漫画と思ったのだが、この2巻になってだいぶ見方が変わった。

ギャグ調ではあるものの、徐々に精神が女化していき、さらに幼馴染も今までのようにからかうだけでなく、時には女であることを意識し始めている…。これは……なるほど、TSってのはこういうものなのか……。それでいながら、男としてのラブロマンスもある。。うむ。。

以下2巻感想。

目次

心が女化していく

うーん……なるほど、と読みながらちょっと唸ってしまった。1巻の時点では、どちらかというと純粋にギャグ漫画的な印象を受けたのみだったけれど、本巻になると、コメディ調なのはそのままに、伊織がシャレにならないレベルで女化しつつある。それはほとんどからかうばかりだった秀一が、からかいづらくなるほど。

特にシルフィの薬で、女言葉が強制されて、男であることを意識出来ず元に戻れないのではないかとなった時には、秀一は真面目にシルフィに元に戻すよう説得しようとするし、また伊織もガチで自分の行先を心配して枕を涙で濡らす。ふざけていたクラスメートもちょっと本気で心配する。

この深刻さをシリアスに描くのではなく、あくまでコメディ調に描いているので、変な笑いではなく素直に面白かった。笑えながらも、その切実さはしっかりと伝わってくる。いい……。

ラブコメのお約束を男同士で

それともう一つ面白いなと思ったのが、元の姿の状態で、ラブコメのお約束である、病気の幼馴染を看病するため、料理下手でもおかゆ作りを頑張っちゃうけどポイズン、をやってのけることである↓。

森下真央, 幼なじみは女の子になぁれ, 第2巻

さらに、秀一は「男にやられたくはないんだ」と文句を言いつつも、糞不味いが自分のために作ってくれたのは、単純に友人として嬉しくもあるのか、ちゃんと口にする。で、その後伊織自身も口にして(その前に味見しろというツッコミはおいといて)、そのあまりのまずさに「あいつよく飲み込んだな」と、その想いの深さを理解する……なんというラブコメ展開。

男同士で、ラブコメのテンプレートが、BLではなくあくまで友情の範囲で展開される。これは、TSものならではじゃないだろうか。それ以外で、こんな展開になるパターンがあるか考えると、ちょっと思い当たらない。

伊織が徐々に身も心も女になりつつある描写に震え、BLではない男同士のラブコメ展開など、ちょっとTSがわかってきたような気がしなくもないような感じがしなくもないような……これは3巻読むしかないね……。次巻で完結。正直、どっちに転ぶのか想像つかん。

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