幼馴染をえらべない! ガンガンJOKER -SQUARE ENIX-
先々月ガンガンジョーカーで連載開始されたらしい作品。このサイトでは珍しくほぼほぼリアルタイム。まぁ例によって薦められたもの。
内容的にはヒロイン分裂もので、このサイトで取り上げてきたものだと相沢さん増殖や金の彼女銀の彼女があるだろうか。ラブコメヒロインはちょくちょく増える。多重人格系もあるがこれは物理で増える。まぁでも、精神分裂も物理分裂も、ラブコメという文脈のうえでは本質的に大きな違いはないと思うわ。
以下絵柄でねじまきカギュー思い出したけど特に関係ない1,2話感想。タイトルは幼馴染みだけど幼馴染み分は割とオマケっぽい気がする。
オススメ文
俺が連載されたばかりのナウでヤングなマンガ知ってるわけがないよなぁ?
ということで当然タレコミなわけですが、今回はいつもの「オススメされた作品」ではなくてTwitterのDMで直接いただきました。拙記事の相沢さん増殖最終巻感想記事を思い出されたとのことでした。
本作もまた分裂彼女系なわけだが、物理で分裂するのは割と珍しい……ものの、分裂するのが精神でも物理でも、本質的には"心"をどこまで受け入れられるのかに行き着くのだと思う。その意味で本質はあまり変わらないのではないかな。見た目という条件を揃えたうえでの比較対照実験みたいなもんかもしれない。
短編っぽい終止感
まぁでも、物理分裂のほうが圧倒的に突飛かつ強烈なのはそう。精神分裂の最終ゴールがほぼ統合で問題ないのに対し、人格をもった物理分裂のゴールは見えづらい。統合がいいのかどうか、っていうかできるのかもわからない。
本作はまだ2話までしか公開されていないようだが(雑誌の方ではどうか知らんけど)、1話も2話も、それぞれ短編っぽいなと思ったのは、物理的に分裂するというトンデモ設定がそもそも短編っぽいからかもしれない。B級映画感ある。
まぁ短編ではないし、引きがあるから続くんだけれど、逆に言うと引きがなかったらここで終わっても不思議ではない終止感があるんよな。作者さんの作風だったりするのだろうか。まぁまだ2話だしなんともいえんか。
しかしこのトリッキーな設定で、ゴールをどこに持って行くんだろう、というのがラブコメ的には一つの見方かもしれない。無難にいくと統合路線だけれど、今さらそれは面白くないし多分別の方向に行くんだろう。
選択するとは選択しないこと
分裂彼女という強烈な設定以外で目を引くのは、「選択」について強調されていることだろうか。物語というのは何かしら「選択」の連続で紡がれていくわけだが、「何かを選択する」ことは同時に「別のことを選択しない」ことでもある。ラブコメでいえば、Aというヒロインを選択することはA以外のヒロインを選択しないことともいえる。
なのでまぁ、あらゆる物語において「選択」はあるのだけれど、「ある選択をすることで、別の大切な何かを失う」は特にドラマチックなもので、それを前面に押し出したラブコメといえば「世界か彼女か選べない」がそうだろうか。
この作品は9巻かけて選んだわけだが、本作はソッコーで選択をした模様。選択をしたというか、「選択しない」という選択をしたようだ。
正直「いやその選択肢OKなんかい」と思ったけど、多分あんまりOKじゃないんだろうということは察せられる。なので、「選択の覚悟」をこれから問われていくんだろうなぁとは思う。だからまぁ、どっちかって選べって言われたんだろうし。それが具体的にどういう問題を引き起こすのかはこれからなんだろう。選択するとはどういうことかを突きつけていくんだろ。今後このテーマが増える幼馴染みとクロスしていくのかしらね。
……ガンガンジョーカーよく知らないんだけど、3話以降も公開してくれんのかなぁ。
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