作・安西理晃。2016-2017年全2巻。まさかの最終巻。最終巻なのに表紙の幼馴染が別の幼馴染ってどうよ。
最後は非常に駆け足で、いわゆる俺たちの戦いはこれからだエンド。前半戦の途中で試合が打ち切られた感じだ。本意ではあるまい。
宏と未来の関係はせいぜい一歩前進と言ったところ。本質的には何も解決していないため、読後感は悪く、モヤモヤした。
幼馴染ものとして割と期待していただけに、正直残念。尺が短いなら、周囲よりも二人の関係をもっとちゃんと描いてほしかったが、漫画がどれだけ続けられるかはわからないことだから、結果論ではある。
以下感想。
何も解決しない
読み終わって、モヤっとした。これは打ち切りだろうなぁ……。風呂敷を広げきることすらできないまま、とりあえず形だけなんとか終わらせた感じがする。
未来のオカンに一言文句言って終わり。未来のオカンの言うことは、「宏はいい子だけど見た目が怖いから、付き合うと店に悪評たちそうなんで付き合っちゃダメ」というクソ理論で、間違えているところしかないわけだが、それに対してちょっと文句言って終わり、ではカタルシスも何もあったものではない。
まぁオカンとしても別に絶対に認めないという姿勢でもないらしく、恐らくはまぁ色々と思うところがあっての対応なのだとは思う。宏のオカンとの関係もあるし。そう思わないと胸クソ悪い。
本来は最初の山場であるべきなのだろうが、それがクライマックスになってしまった感じだ。最初で最後の盛り上がり。ライバルキャラまで登場したが、物語的にはまったく必要がなかったという。テコ入れ失敗みたくなってしまっている。それに限らず、宏と未来以外は誰も物語の本筋には絡んでいない。
やはり、風呂敷を広げている間に終わりが来てしまったんだろう。最初から宏と未来のみに焦点を絞って展開していれば、同じ2巻でもだいぶ違っていたろうが、どこで終わることになるかなんてわからないしねぇ……。でもやっぱり、構成の問題は大いにある気がする。もっとこう、タイトルどおりの進め方をしてほしかったなぁ……。
宏に救いを
ここで終わってしまうと、なんというか、宏が色々と可哀想である。現状、宏は未来に縛られているように見える。宏は自分のことを理解してくれるのは未来しかいないと思い込んでいて、未来以外とコミュニケーションを取ろうとしない。まぁ過去の出来事からなるべくしてそうなってしまったのだろうが、それでは前に進めない。
だからこそ、未来以外で宏のことを理解する阿部が登場したのかなと思うものの、宏が阿部を受け入れるにはまだ時間がかかるようで、特に物語には寄与しなかった。阿部だけでなく、宮村と飯田もそう(飯田は宏の幼馴染でもあるのだからもうちょいなんとかせんかいとは思うが)。最終話まできて、煮え切らない宏のセリフにそれが表れている↓。
「俺を見た目で判断しないのは 未来だけっていうか…
最近は少し増えましたが」
宮村たちのことを受け入れつつあるが、まだ完全ではないことが窺える。
彼らが前に進むには、もっと時間がかかるのだろう。だがそれが描かれることはなく。。。次回作は頑張ってほしい。。。
コメント