『おにもて』感想:ひたすらハーレムただそれだけ。それしかなさすぎて逆に感動する

おにもて, 月見里中, 全3巻。この漫画の内容は主人公がモテる。以上。

マジでそれだけだった。ただこの漫画には特色があって、それはハーレムをやりきっていること。これは珍しい。というかそれしかない。それしかなさすぎて、もはや感動的なレベル。この漫画を一度も目をそらすこと無く、斜め読みすることなく、最後までしっかり読める奴がいたら、俺はそいつをすごい奴だと思うよ。

以下感想。

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いっそ清々しいハーレム漫画

女の子が出る→主人公に惚れる→イチャイチャする。この繰り返し。本当にただただこれの繰り返し。ギャグとかそういうのもない。いやあったかもしれないけどないようなもん。イチャイチャするだけ。しかも全員恋人にする。すごい。最後までそんな感じなので、ハーレムは大きくなるばかりで一向に収束する様子がない。

これはちょっと、なかなかないんじゃないか。ここまで突き抜けて、ただひたすらハーレムしているだけの漫画だなんて。別に笑いを挟むでもない。恋愛の駆け引きがあるわけでもない。ただハーレムの輪が広がるばかり。そしてその主人公ときたら、毒のないフツメンの優男。

一応この手のものにつきもののお色気要素というか、サービスシーンはそれなりにあるのだが(素の服装も露出度高め)、あまりエロく感じられないのは画力の問題なんだろうか。後半に行くに連れて多少ラッキーすけべ度は増すが……どうにもあまりエロくない。

あまりにも何もないので、なんだか妙に感心してしまった。最後の最後までハーレム要員を増やし続け、主人公モテすぎぃ!で終わったのには軽い衝撃さえ受けた。

だが、これはまさしく「安心」の「ハーレム」である。以前「安心して読めるハーレム系ラブコメ漫画5選 – 少年は少女に出会う」という記事において、安心の条件として以下を述べた。

  • ヒロインが寝取られない
  • ヒロインが主人公以外にラッキーすけべしない(性別・年齢・種族を問わず)
  • 主人公が苛つかない
  • 話が最低限度文化的

そして、ハーレムの条件として以下を述べた。

  • 常に主人公が中心
  • ヒロインが複数人
  • 主人公が特定のヒロインを選ばない

この漫画はこれら条件のほぼすべてを満たしている、まさに安心のハーレム漫画である。唯一満たしていると言い難い条件、それは「話が最低限度文化的」。

話を面白くするのは、良くも悪くも毒である。毒のない話は刺激がない。刺激がない話は退屈だ。そしてこの漫画には毒がない。一切ない。いや、入れる気がないのだろう。そもそも作者は話を面白くしようなどという気がなかったのかもしれないとさえ思う。ただ、ハーレムであればいい。

それ故にこの漫画は何もない。その何もなさが一周回って笑えてくる。シリアス過ぎてもはやギャグ、というのは昨今よく見るギャグの手法だが、ハーレム過ぎてもはやギャグ、というのはなかなかないんじゃなかろうか。感動的である。

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