椿いずみ, 月刊少女野崎くん 9, 2017
なんか今回はりぼんいい感じで頑張ってた気がする。疑似デートとか美術部でのってか美術部の人たち濃いよね。作者さん美術部だったのかしら。
若瀬尾と堀ちゃん先輩もしれっと前進。堀ちゃんけっこう闇深いと思うんだよな。
佐倉弟のキャラが俺には新鮮だが、少女漫画系統だとけっこう多いんだろうか。以下9巻感想。
前回記事
りぼん頑張ってた
りぼんが全体的に頑張っていた気がする。最初の疑似デート回で野崎の真正面を陣取らなかったのはアレだが…千代ちゃん呼びには成功してるし。演劇部の即興練習では二人の世界入ったし。ホームグラウンドの美術部に招いて、野崎がモデルを買って出て服を脱ごうとした時には
佐倉「他の人に見せないで私だけに見せてよ!!!
私は全部独り占めにしたいんだからねっ!!!」
とブチギレて野崎をちょっとドキッとさせているし。この漫画は複数カップル出たりモブが無駄に素敵だったりみこりんが可愛すぎたりして幸せになれる漫画なわけだが、なんだかんだ言って佐倉と野崎の話が一番落ち着く。ついに佐倉弟も出てきて、家族からも認められつつあるし。真由も絡んだら家族ぐるみの付き合いに。
"お姉ちゃん"だって?
佐倉弟のキャラは、野郎向けのラブコメを読み慣れている俺にはちょっと新鮮だった。まず姉のことを「お姉ちゃん」と呼ぶ中2の弟が新鮮。多分現実だと姉ちゃん呼びが一番多いんじゃないかろうか。年頃の男子的に"お姉ちゃん"はちょっと気恥ずかしいフレーズと思われる。俺も姉いるけど、"姉ちゃん"だったなぁ。お姉ちゃんとか言ったらキモがられそう 笑。
で、佐倉との距離感が面白いね。姉の好きな人をわざわざ見に行くあたり、ちょっとシスコン入っているなと思うけど、どちらかというと恋路を応援しているようで、決して恋愛感情的なものではないし。家族愛の枠組みでちょっとシスコンっぽい感じする弟ってなー、これは野郎向けではまず出ないもんなぁ。逆に、家族愛の枠組みでブラコンっぽい妹はけっこういるが。やはりここらへんが男女のラブコメに求める差なのか。でもこういうキャラいいなと思った。ヒロインの弟に恋愛サポートされるってのも中々いいな。
その他諸々
他に印象に残った話としては、鹿島の顔が女としても実は一番好みだと自覚してしまった堀ちゃん先輩と、歌声で眠ることばバレた若瀬尾か。堀ちゃん先輩の自覚はかなりのターニングポイントだと思うが、割合さらっと流されたなぁ。次回以降、なんか進展あるんだろうか。若瀬尾は割といつもどおり。
あと関係ないけど、擬似デート回での野崎の漫画論は示唆的だと思った。
野崎「そもそも漫画には必要のない会話なんてないんだ…
一見意味のない台詞も 後の展開の前フリだったりする」
で、このことを踏まえて会話してくれと頼まれた佐倉とみこりんは押し黙ってしまう。
そうなんよなー。別に漫画に限らず、物語とされるものはみんなそう。でも現実は違う。現実は会話なんて99%無意味。だから、すべてを意味があるものとして、色々なお約束なりなんなりを論理的・合理的に組み立てられる人が、現実の人間関係の機微にも敏いかっていうと、それはまた別の話。だから作家に人生相談なんかしてもしょうがない 笑。
ところで本巻ラストは、野崎のセクシーショットに「うおおおおおおおお」と絶叫する佐倉で締められるわけだが、この人野崎のストローまで集めるフェチストーカーだったのに写真撮ってたなかったんやね。写真すっとばして所持物に走るあたり気持ち悪さが倍増する気がする。友人には変態バレしているし。
この漫画もキスシーンで締める回が来たらいいのにとか思いつつ10巻も期待して待つよ。
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