『月刊少女野崎くん』14巻感想:レベルの高いラブコメをオールウェイズ出してくれるので

この漫画はとても好みで、だからこそ積んでいたとはいえ数年にわたって読み続けている。読んでいる間はマジでニヤニヤしててとてもお見せできるものではないし、今回もそうだった。しかし一方で、実は非常に感想が書きづらい漫画だと思っていたりもする。なんかこう、いざ記事にしようとすると、手が止まる。今回も割とそう。ラブコメのセオリーの則り方、あるいはひねり方、そして漫画としての起承転結があまりに綺麗で、違和感がなさすぎるんだろうなぁ。まぁそういう漫画は時々あるんだよね。

以下それでも14感想。みこりんとCちゃんのおかげで書けてるとこある

目次

頭空っぽで楽しむ

この表現が適切かは微妙なところがあるが、俺は本作を読んでいる時頭空っぽになる感覚がある。この頭空っぽというのは、ラブコメだと綺麗な画がエッチな展開がひたすら続くような展開で用いられたりするが、もちろん本作はその類ではない。むしろ少し意味を考えさせるところがある漫画とも言える。

ただ、考えるは考えるんだが、まぁそりゃそうなるね、スッキリ、みたいな感じなんだよな。それは算数を解いている時の気分に似ているかもしれない。1に1を足して2、1に2を足して3、1に3を足して4。まぁこれは極端な例だけれど、つまり「ああ、うん、それはそうなるね」とよくわかるし、問題を解いた喜びもある。

本作は全部説明してくれるんだよなぁ。ラブコメの文法に則って、綺麗に展開して綺麗に落としてくれる。あれ、この展開だとあの人は?というところもキッチリ描いてくれる。ラブコメ好きとしては嬉しい。ただあまりにもそつなく綺麗で取りこぼしもないため、何も言うことがない。ツッコミどころがないとも言う。良くも悪くも余白を感じないのかな。

そしてネタに激辛みたいなところも少なく、全編にわたってマイルドで後味スッキリ。もちろんすべて美味しいので、食べている時はとても満足だが、食べ終わって感想を言おうとすると、「美味しかった」以外なかなか出てこない……。

性的みこりんとCちゃん

……ここまで書いて、俺が比較的みこりんと佐倉を見てしまう理由が少しわかった気がする。みこりんのエロ性癖と佐倉のストーカーは本作における劇薬で、しかも解釈の余地があるんだよなぁ。堀ちゃん先輩もクローズアップされると病的なので、全面に出ると、やべぇなとなって記事も捗る。そういう過激な部分は、やっぱり書きやすい。

いや実際、本巻で一つ取り上げるとするなら、多分みこりんのゲームで野崎と佐倉がキャラメイクする話を取り上げるだろうなと思ったんだ。野崎の好みがわかる!と意気込む佐倉だったが、実際野崎が自分とかけ離れたタイプを作り始めると消沈し、近くなるとニッコリと、あまりにもその様子があからさまなので、接待キャラメイクみたいになってしまう話。

「FでもGでもでかいの作れるぞ!!テンション上がるよな!」と盛り上がるみこりんに対し、普通の大きさでいいかなという野崎に声を出さずただ首がもげるほど頷く佐倉、しかしその後の野崎の考える「普通」にこの世の終わりのような衝撃を受ける

ヘビメタ並にヘドバンするCちゃんどんなメリバよりも絶望に染まる

その後佐倉メータがニッコリするまでしゅるる……と縮小させていくことになるのだが、いったいどこまで縮小させられたのかは気になるところだ

と、こんな感じでさらさらと書けちゃうのは、俺が下ネタ好きなのはあるにしても、それを差っ引いても、性的なネタはそれ自体が強烈なうえに、完全に説明するわけにはいかないから、自然と余白ができるのかな、とちょっと思った。それが多いのがもちろんみこりん、あと野崎大好きストーカーCちゃんも広義の性を感じさせる話多めなので、なんか書きやすいのかなぁ。

積ん読の理由

ということで、作品は楽しいんだが感想は書きづらいのが、なんかこんなサイトやっている自分にとって本作を読みづらくさせていたのかもしれないと、思ったりなんだり。その挙げ句がオリンピック遅れだよ!まだあと2年分残っている。この観点では、適当に読めて適当に記事書ける漫画のほうが気楽ではあるんよね。マイナー漫画のあまり気合いが入ってなさそうな記事が続くのはだいたいそんな時。

積ん読分は消化してしまったので、また遅れそうな予感だが、さすがにオリンピック遅れは避けたいところ。

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