『NOT LIVES』10巻(最終巻)感想:血まみれ可愛い肉体派ヒロインと頭脳派主人公の素敵なボーイ・ミーツ・ガールだったよ!

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作・烏丸渡。2012年1巻。2017年最終巻。

表紙だけでもう買うしかないやん。期待のボーイ・ミーツ・ガール最終巻。最初はヒロインが可愛いだけの漫画かなと思っていたら、良質なボーイ・ミーツ・ガールだったという嬉しい誤算。ニヤニヤが止まらぬ!

お話自体は大味で勢い重視のB級チックながら、ちゃんと伏線を回収してくれる丁寧さが意外だった。あれはちゃんと伏線だったのかと。一気読みしたい漫画。これから読む人にはオススメやね。俺も一気に読みたかったよ。

天宮の被虐系ヒロインぶりは最後まで健在。いつもより血を吹いてます!今回は特に切り刻まれたり剣で刺されたり痛々しい。血まみれっぷりにフェチを感じる。三神くんマジ嫁の扱い容赦ない。だがそれも愛ゆえに!多分!しかも今回は物理攻撃だけじゃなく精神攻撃もあるとかすごすぎ。だが愛の勝利!多分!

以下最終巻の10巻感想。

目次

 

いつもより血を吹いてますがそれも愛

なにげに楽しみだったボーイ・ミーツ・ガールもついに最終巻。やっぱりラスボスは皇帝じゃなくて親父のアスタロトやったね。ラスボス皇帝、からのイベント戦、という捉え方もできるかもしれんが……。

ラストバトルということで、相当気合い入っているのか、いつもよりもさらにボコボコにされる被虐系ヒロイン天宮鏡花、もはや満身創痍↓。

烏丸渡, NOT LIVES, 第10巻

生々しい傷跡はいつものことだけれど、今回さらに痛々しいのは切り傷多めなところかしら。肩の切り傷から流れる血がマジ痛い。ここからさらに血にまみれるとか。鋭痛系は本当に見ているだけで痛々しくてつらい。こうなることがわかっているのに、ドレススカートでラストバトルに参戦する天宮マジラブコメヒロインの鏡防御力より可愛さだ

こんなに可愛くて健気な天宮が、この状態でついに動けなくなってなお、三神くんもっと頑張らせる。スキルを使い体を支えて無理矢理天宮を動かすドSぶり。…とはいえさすがにアバターがこの状態になるとプレイヤーも無事では済まないらしく、頭痛がして鼻血が垂れ、意識が途絶えそうになるようだ……って嫁は鼻血どころじゃないけどな!笑。

でも三神の呼びかけに応えて、この状態から天宮さらに頑張っちゃうんだマジで。これは、父親との最終決戦に打ち勝ちたい、ゲームを最終クリアしたい、弟を救いたいという天宮自身の意志はもちろんだけれど、三神と"一緒に"クリアしたいという気持ちがあるからだろう。

三神にしても、こんな悲惨な状態の天宮をさらに無理くり動かして、なんとか勝利を掴もうとするのは、ゲーマーとしての意地だけではなく、そういう天宮の気持ちを理解していること、また天宮と一緒にクリアしたい、という気持ちを天宮と共有しているからだ。そして、それを天宮もわかっている。だからこそ、無理に無理をおしてなお、最後の力を振り絞って、三神の言葉に応えるわけだ。

まさにボーイ・ミーツ・ガールの真骨頂。ラブコメ脳的にはたまらない。普通男女の役割が逆な気がするのはご愛嬌

そんな頑張る娘を前に、容赦なく追い打ちかける親父。これ以上ないくらい傷ついた天宮に、さらに剣を突き刺し血飛沫を盛大に上げさせる。愛する者に容赦がないという点でアスタロトと三神は確かによく似ている 笑。

そうして、「生きてる?」って聞きたくなるくらいボロボロになりながら、ようやく勝利を手にした天宮と三神の二人……から始まる、天宮への精神攻撃。忘れていた過去を思い出させる。どこまでヒロインいじめるんだこの漫画

愛の勝利なわけだよ

この天宮の過去は、まさに本作のネタばらしと言ってよいもので、天宮が本当にゲーム上の人物であったことが明かされる。1巻最初に、三神が天宮と会った時、三神は天宮をゲームのキャラと認識してそう扱ったが、実はアレも伏線だったわけだ。天宮の異常な運動神経の謎や、その後のバグ展開などもすべて天宮の存在の特殊さに起因するなど、伏線をしっかり回収する丁寧さは正直意外だった。もっと大味かと。設定自体は大味かもしれんけどさ。

三神との最初の出会いに思いを馳せる天宮に対し、三神が「単なるデータじゃない!」と啖呵を切るのは、共に死線を乗り越える中で、二人の関係が変わったということだろう。だがこの時点では、三神の叫びも虚しく、天宮は最愛の弟を三神に託し、目に涙を浮かべながら「…だから笑って三神くん 私はそんな貴方が好き」と言い、微笑んで消える。

バッドエンドやんか!もちろんそれで三神も俺も納得するはずはなく、エピローグで三神は天宮を復活させる。いやご都合主義かもしれんけど、これ天宮が最後復活しなかったらほんと鬱漫画やし。ボコられて切り刻まれて母親に疎まれて自分が人間じゃないことを知って消えていくとか、それで終わったら読んだこと後悔するよ。

予定調和だろうがご都合主義だろうが、最後は復活しないといけない。そしてイチャイチャしながらハッピーエンドを迎える。それがエンターテイメントの筋ってもんじゃあないか。そう、最後に愛は勝つ!笑

ということで、愛が勝利したエピローグをさらっと楽しんでこの漫画は終わり。表紙は続きだろうそうに違いないうんそうだ。

そらね、お話が深いとかそういうもんではないし、ともするとヒロインの被虐ぶりばかりが目立っているかもしれない(間違いなくウリの一つではある)。けれど、こんな王道で素敵なボーイ・ミーツ・ガールは中々ないもんだ。うん、面白かった。欲を言えば、オマケ漫画の三神と天宮のしょうもないゲームパロディをもうちょっと読みたかったなぁ。

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