『野村24時』3巻(最終巻)感想:おっさんに萌えるラブコメだった。よかった。

表紙の野村と三姉妹が横並びで、互いに目を合わせている。野村も狼狽するでもなく、自然に微笑んでいる、ついにそういう関係になれたということ。

おっさんモテモテやん、よかったなぁ、と素直に思ってしまう程度には野村に萌えるおっさん萌えのラブコメ漫画であった。35になってモテ期かおっさん。羨ましいぞおっさん。以下ネタバレ感想。

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長女だったかー

2巻の途中くらいから長女フラグがビンビンにたっていたので、そうなのかなぁと思いつつ読んでいたが3巻になるとこれはかなりハッキリと長女ルート入っていた。月ルートっぽいイベントもちょいちょいあるが、全体的に。ラブコメ度が2巻までと比べると非常に高い。

板倉梓, 野村24時, 第3巻
板倉梓, 野村24時, 第3巻

↑まさかこの漫画でこんな展開を見るとは……。定番の不可抗力押し倒し!野村がラブコメ漫画の主人公してるだと……。赤くなっちゃって可愛いおっさんだな。のむらさんじゅうごさい

飲み会で雪に言い寄る野郎を追い払ったのも、これは雪のためというより、野村自身が面白くなかったからだろうし、野村と雪の間でどんどんフラグがたっていく。わかりやすく大人のラブコメしなさる。しかもこの二人なにげにひょっとして初めて同士なのでは!?うぉいなんだか甘酸っぱいなのむらさんじゅうごさい。

ハッキリと雪の好感度も上がって、二人でもう一軒回ろうとか、あるときは珍しく素直に野村を褒めたりとか↓。

板倉梓, 野村24時, 第3巻
板倉梓, 野村24時, 第3巻

褒められ慣れていなくて戸惑う野村泣ける可愛い。悪口は適当にあしらえるのにね。本来野村はもっと能力が高いのだろうけれど、誰にもそれを認められなかったし、なにより野村自身が自分のことを非常に低く評価している。環境さえ違えば別の人生もあったろう。

でもこうして三姉妹に暖かく迎えられんだから、よかったわな。プレゼントもらったら嬉しがって喜びを表現する素直さを失わなかったのが、よかったのかな。そういうところがこのおっさん可愛いもんな。意外と能力があるのも、腐らずずっと努力を続けていたからだろうし、報われてほしいおっさんが報われたって感じだ。

月ルートの分岐点を探ってみる

でも、個人的には月推しだったんよね。雪も可愛いんだけど。だから雪ルートが確定して、月が後押しするようになってから、あれ、月はあくまで家族として見てたのかな、俺のセンサーも鈍ったかなとか思ったんだけど、やっぱり月にもほのかな想いはあったらしい↓。

板倉梓, 野村24時, 第3巻
板倉梓, 野村24時, 第3巻

この場では否定するが、その後レンに同じことを問われたときは、「じゃあ 慰めてくれるの?」と微笑む。そういうことやね。そりゃそうだよなー。

そういう目で見ると、雪ルートと月ルートの分岐点があったような感じ。ガールメイキルでも思ったけれど、なんだかこの人の作品はギャルゲーというかエロゲーというか、そんなのを思わせる何かがある。フラグ積み重ね型っぽく見えるからだろうか?なんだろう。これゲームだと月ルートもありそうだなーとか、なんかそんなようなことを思ってしまう。いくつか分岐点があって、そこの選択肢次第では月ルートに突入したんじゃないかと。

決定的だったのは、3巻中盤、榎本と鶴岡の恋路を見守った野村と月の、帰り際のやりとりじゃなかろうか。

板倉梓, 野村24時, 第3巻
板倉梓, 野村24時, 第3巻

野村はここで言葉を詰まらせ、その後月が「ま いいわ」と流すわけだが、ここが最後の分岐点だった気がする。野村のこの反応で、月ルートが消えて、完全に雪ルートになったなと。逆に言うと、ここのやりとり次第ではまだ何かあったかもしれない。

斉藤ルートももしかしたらあったかもしれん。最初のほうではわかりやすくそんな選択肢もあった(田中家から出ていく騒動)。

なんだろうね、いくつもの平行世界をなんとなく考えてしまうな。場合によっては花ルート……いやむしろレン……男の娘エンドも……!?妄想膨らんできたよっしゃこの漫画ゲーム化しよう

……ま、色々思うことはあるけれど、なんにしても、野村が家族を得て幸せになってくれてよかったわ。野村が一番可愛かったわ。

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