『南Q阿伝』5,6巻(最終巻)感想:話のスケールの割に、ちょっと短かったな…

作・光永康則。2012年1巻から、2014年6巻完結。

怪物王女のスピンオフ…では終わらない、南久阿を中心に新たな世界観を打ち出した南Q阿伝。最終巻の日本防衛戦は割と唐突感があり超展開だった。もう少し長く続けてほしかったのが本音。

以下5巻と最終巻の6巻合わせて感想。

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前回記事

終わっちゃったよ

6巻で終わってしまったよ。しかもけっこう唐突かつ超展開。終わり方だけ決めていた感じなんだろうか。その前の令裡登場で、おおなんか盛り上がってきたなと思った矢先に、あれそういえばこれ最終巻やんと気付き、怒涛の最終決戦が始まってしまった。

令裡がいつもの調子で太郎を誘って、ちょい切れする銀子が可愛かった↓。

光永康則, 南Q阿伝, 第6巻

怪物王女でも令裡の態度に切れるリサとかは見られたけれど、ヒロは完全に姫様だから、カップリング感のあるこちらのほうがニヤっとできるってもんだね。あからさまにフラグたてる祝詞よりも、この太郎と銀子くらいの距離感が一番ニヤニヤしちゃう。

でも特になにもなく、終わりなんだなー……。

戦いは続く…「国」の戦いだから

この漫画の終わりは、一大決戦をひとまず乗り越えたものの、外来との争いに決着がついたわけではなく、いわゆる「俺たちの戦いはこれからだ」エンドという風にも見られるのだけれど、これはある意味の当然の話。なぜなら、この漫画で描かれたのは南久阿の戦いというより、国の戦いだから。国の戦いは、国がある限り永遠に続く。その一つとして、南久阿たちの奮闘が描かれているに過ぎない。この漫画の世界観のスケールが実によくわかるというものだ。

「日本」という国そのものを、南久阿を通して描いている。しかし神である南久阿は、一読者にとってはあまりに大きな存在なので、語り部としての主人公・太郎がいる。太郎を通して南久阿を見て、南久阿を通して日本を語る。そういう構造だったと思う。

ただそれだけのスケールの割には、話が短かったというのは否めない。最終巻が超展開になったのもやむなしか。太郎と太郎丸の関係とか結局有耶無耶のままだったなぁ。せめて太郎周りのラブコメ的決着だけでもつけてくれたら。作者さん、最終ヒロインぼかすんだよなー……。フラグをたてるだけの存在だった祝詞はもう少しヒロイン展開も考えられていたんじゃないかとか、妹の存在意義はなんだったんだろうとか、教師はエロいだけだったなとか、作品の本筋ではないにしてももう少しサービスしてほしかったな。そういやカコとニセ探偵もそんな感じで終わったっけ……。

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