結経最終巻まで読んだ自分に驚く。まぁ積んでたんだけど。今年も竹書房の日だなーと思って竹書房で買うヤツあったっけとか思って本棚見直していたら、去年の竹書房の日にポチってそのままだったことに気づいた。
正直言うと自分はこの漫画との適切な距離感が最後まで掴めなかった。しかし最後まで読んだことは事実なので、何かしら思うところがあったんだろうか。以下8巻および最終巻の9巻感想。妹漫画は大別して「恋愛的にくっつくか否か」が大題になるが本作はどうなるか。
妹せよ
本作を読むといつも「隣人を妹せよ!」の内容と記憶が混濁する。
読んだの4年以上前であるにもかかわらず、今回もまた思い出してしまった。まぁ隣人を妹せよ!のほうは妹っていうか他人なんだが。そして一番印象に残るのは幼馴染み……でもなく姉であったが、本作もむしろ印象に残るのは妹の友人……でもなく姉かもしれない。
妹が絶対に負けるラブコメ
まぁしかし本作は妹漫画のカテゴリなので、基本的に妹を中心に話が展開されるのだが、ここで問題となるのは「結局主人公は妹とくっつくのかどうか」だが……まぁ順当に妹の友人とくっつくのであった。まぁ全読者がそうなると思っていただろう。
上述した妹せよ!についても、ネタバレになってしまうが、まぁ今から読む人も大していないと思うし、ぶっちゃけ読んでいれば途中で「あー多分恋愛的にはくっつかないんだろうな」と察せられるので言ってしまうが、妹せよのほうも妹とはくっつかない。
表題に幼馴染みを掲げるやつはまず間違いなく幼馴染み大勝利漫画なのに対し、表題に姉や妹があるやつで、本当に姉や妹とくっつくものはあまりないなぁと思う。まぁ某妹がつく超大御所・有名作品が妹ヒロイン大正義を貫徹しているので、それの印象が強いかもしれないが、むしろあれは「本当に妹とくっついたよオイ」という衝撃があった。
やはり近親というのは現代倫理的にも大きな障害とみられ、妹ヒロインを謳っている作品でさえ、本当にくっつくまではいかないのが大抵じゃなかろうか。これは姉ヒロインにも同じ事が言える。主人公が幼馴染み、あるいは妹・姉の友人といい感じになった場合、かなりの高確率でそっちに行く。
まぁ、実際のところ、姉・妹ヒロインの場合、くっつくのが望まれているかというと、あんまり全体的にはそうでもない気がするんだよなぁ。いやだって、既に家族だし。家族という強固な関係が築かれている中で、紙切れ一枚で終わらせられる関係を重ねたところで、関係は強まらないどころか、むしろダウングレードする感すらあるかもしれない。
社会的に許されない関係だということもまた、ハッピーなラブコメの世界観にそぐわないのもあるだろう。ラブコメ的には、ちょっと仲の良すぎる兄妹……くらいが多分求められるところで、ガチでくっついて近親相姦は重たすぎる、というのがたいていの見方なのかもしれない。
永遠の小姑エンド
ということで、しあわせハッピーなラブコメ漫画であるところの本作においても、まりあの友人・麻帆に好かれた時点で、「あーこっちに行くんだろうな」というのはほぼ大方の予想したところであろう。むしろ注目すべきは、「本当に友人とくっつくところまでいくのか」「もし友人とくっついた場合、妹・まりあの心境やいかに」という観点だっただろうし、実際俺もそれが気になって最後まで読んだ気がする。
結果的には、主人公は麻帆の告白を受け入れるのだが、ここでまりあとは離れられないことを明言しており、かつ麻帆はそれを受け入れている。そして卒業後もまりあは隣人で妹する状態になり、「二人の邪魔はしない」と言いながら麻帆の目の前で主人公の頬にキスをするという、「さすがにそれはアウトでしょ」な一幕を演じて終わる。麻帆絶叫。いいのかこれは。
なのでこれは、麻帆エンドというより、実質的にまりあ小姑エンドというべきなのだろう。妹せよ!で主人公の交際にブチギレする姉に対して、主人公がわかってくれと頭を下げていたのとはけっこう対照的である。正直麻帆が不憫だが、麻帆もまりあとの関係を許容してしまったし、またそうでないと告白は成功しなかった可能性が高いので、しょうがないのかもしれない。別の人と幸せになったほうがいいと思うけどな……
最後まで読んだなぁ
それにしても、なんだかんだで本作を最終巻まで読み、かつ感想を長々しく書いた自分にも驚いている。いやまぁ、この記事が果たして本作の感想と言ってよいのかは微妙かもしれないんだが……。
正直本作とは良い距離感を最後まで掴むことができず、ずっと雑に読んでいたのだが、それでも最終巻までポチったのは事実だし、思うところがあったんだなぁ。多分、このコテコテの超ブラコン妹、しかし恋愛的には敗色濃厚の妹が、最後どうなるのか気になったという、本当にそれだけで読んだかもしれない。
まぁなんにしてもあれだ、頑張れ麻帆。
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