『猛禽ちゃん』ラブコメ好きは騙されたと思って最後まで読むんだ読んでくれ

阿久井真, 猛禽ちゃん, 第3巻

阿久井真, 猛禽ちゃん, 第3巻

↑左の変な笑いしてる女の子がヒロインで、右の「羽」を持って笑ってる男がその相手役。この二人のラブストーリー。タイトルから想像がつくように、この「羽」が重要な要素。この二人を↓な感じで見守る漫画。

ラブコメを読む時の正しい顔 阿久井真, 猛禽ちゃん, 第3巻

ラブコメを読む時の正しい顔
阿久井真, 猛禽ちゃん, 第3巻

目次

基本情報

裏サンデー | 猛禽ちゃん

全6巻。作者は阿久井真で、現在は心が叫びたがってるんだ。の漫画を描いている。裏サンデー連載なので第一話と最新話が読めるのだが、正直それだけ読んでもこの漫画の感じはあまり掴めないだろう。というか最新話という名の最終話を読めてしまうのはいかがなものか。一巻まるまるプロローグという思い切った構成。だが、この漫画は男が頑張りだしてから化ける。

ラブコメという触れ込みとか、各巻の表紙になんとなく惹かれるところがあり、なんとなく大人買いしたんだ。最初のほうは失敗したかもな…と思いながら読み進めていたが、最後は泣きそうになってたよ俺。我ながらチョロいよ俺。

だいたい感じ

笑うのがヘタな女の子猛禽るいが働くファミレスに、迷惑なクソガキ高校生4人組がやってきた。クソガキ共はさんざんるいに絡んだ後、スマイル一つという定番のクソ注文。るいは健気にもスマイルするが、その引きつった笑みにさすがのクソガキ共もドン引き、空気が凍る。と思いきや、一人クソ大笑いし、るいの笑顔をメタクソにけなすクソガキ共の中でもクソっぷりの際立つクソガキがいた。彼こそこの物語のヒロインるいとラブストーリーを展開することになるクソガキこと小鳥遊(たかなしではなく、ことり ゆう)である。この最悪の出会いが二人のラブストーリーの始まりであったとさ。

いやマジで最初は遊があまりにもクソガキ過ぎて、えっ、ちょっとマジでどうしようって思う。ただ何故かそこから始まるギャグ風味のクソガキ矯正プログラムがるいの友人小野まあやによってなされ、クソガキはちょっとMに目覚めつつ好青年へと変貌するのであった。心を入れ替えた小鳥遊は、迷惑をかけた店に謝りに行く。そしてその時、その店の店員が、るいも含めて、実は人間ではなく鳥であったことを知る。

…ここまで第一巻。ネタバレ?いや、公式のあらすじにも書いてるしな。というか、これ書かないと物語の肝心なこと何一つ書けないんよ。っていうか別に鳥であることは本題じゃなくて前提。普通だったら最初の1話か2話くらいでやってることを、何故か一巻最後まで引っ張るという謎構成なのだ。日常ものとして、人間としてのヒロインるいの姿を描きたかったのかなぁと思ったりもするんだけど、いやそれにしてもなぁ。

いやね、正直1巻読み終わった時点ではどうしようかと思ったよ。ヒロインは可愛いっちゃ可愛いけどなんかよくわからんし、相手役の男の子は「マジで?」って言いたくなるほどクソガキ。心を入れ替える過程も、なんだか真面目にやってるんだかギャグなんだか判然としないような感じで。大人買いしちゃったけど、こりゃーやっちまったか?とこの時点では思ったもんさ。

それが、2巻から加速度的に面白くなっていく。まず鳥ネタ解禁されたことで、作者の大好きな鳥ネタを使ったネタやパロディが存分に発揮され、まずギャグ漫画としてええ感じやん!ってなる。さらに、小鳥遊が自分がいよいよるいに惹かれていることを自覚しだし、あのクソガキが恋を知り可愛くなるんだ。

阿久井真, 猛禽ちゃん, 第2巻

阿久井真, 猛禽ちゃん, 第2巻

↑るいのことを照れて名前で呼べないことに気づいてしまい打ちひしがれる遊。可愛いっすなー。このわっかりやすくて案外ウブな遊に、周りもニヤニヤしながらけしかける感じがまたよい。

そうそう、男のほうがべた惚れなんだよねこの漫画。ラブコメはそっちのほうが面白いことが多いと思うわ。↓みたく自意識過剰気味でウブな男の子ってすごくいいと思う。

阿久井真, 猛禽ちゃん, 第3巻

阿久井真, 猛禽ちゃん, 第3巻

1巻からの変貌ぶりを見ると、あのクソガキが…と何か感慨深い。それだけに更生の過程がギャグ風味だったことがますますなんでやねんという思いなきにしもあらずではあるものの。

とにかく、話が進むについれてラブがコメりだし、噛ませぶり全開のライバルキャラなんかも登場したりして、それはもうどんどんおもしろくなるのです。遊がいよいよ一生懸命になって、さらにそれに応えるようにるいがデレだし、己に芽生えた感情に戸惑いだすと、もうウブウブの甘酸っぱいボーイ・ミーツ・ガール万歳って感じよ。定番の夏祭り回なんてもうね。

阿久井真, 猛禽ちゃん, 第4巻

阿久井真, 猛禽ちゃん, 第4巻

↑夏祭りだけどね。もうこの1コマの雰囲気だけでラブコメ好きとしてはありがとうございます!って感じですわ。遊だけでなくるいのほうも自分の好意を自覚しつつあるときで、実際このときの甘酸っぱさときたらもうね…。

ただ、ここに至るまでに振り落とされる読者が多そうな気はする。もったいない。全体的な話は多少とっ散らかってる感があり、話と話が繋がらない感じがあるのはちょっと残念。各話が独立しているというか。濃いキャラが多くてインパクトは強いんだけど、それぞれが独自の話を作り出していて、話と話が結ばれない、絡まないような感じ。また、濃いキャラが多い割には、各キャラがあまり掘り下げられない。設定自体は面白いし、各話を切り出すと印象深いと思うんだけどなぁ。構成がアレなんか…。

いやでもね、本作の本筋はやっぱり不器用な男女の甘酸っぱいラブストーリーなんだ。そんでもってその部分については、それはもう最高にいい感じで調理されていて、最終話までただただひたすら面白くなっていくばかりであり、というか読み終わったら「これの続きを読ませてください!!」ってなること必至。ラブコメ好きならもうそれだけで満足。いやマジで続き読ませてください。

なお、ヒロイン猛禽るいは元々鳥であるし、彼女が本来鳥であることは物語上外せない重要な要素ではあるものの、エッセンシャルだとは思わなかった。鳥と人間の禁断の恋、という感じではない。純朴なラブコメです。だから人外タグは付けなかったし、そういうものを求めて本作を読めば肩透かしをくらうだろう。そういうのでガチなのはゴトウユキコのウシハルとかだろうか。

総評

めげずに最後まで読めば、ラブコメ好きは報われる!第二部というミラクルはないものか。

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