『モリタニヨル!』感想:ボケ男ツッコミ女の萌え系ギャグ漫画、激しく続巻希望したい…

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作・イチヒ。2014年刊行でナンバリングされていない…1巻完結なんだろうか?真面目に続きが読みたい。

2留の高1・森田が、ぼっちの高校生アイドル・カスミんの高校生活をプロデュース…というようわからん舞台設定の萌え系ギャグ漫画。ボケ男ツッコミ女スタイルなんだが、短い話なのに複数ヒロインでハーレムものの様相も呈する…けど実質的にはカスミん一強。

なんというか、しっかりギャグ漫画してる。ところどころで人間関係の生々しさが顔をだすのがよいアクセントになっている。萌え系のギャグ漫画として面白く、それでいてラブコメ的展開も期待でき、これは続巻購入決定だなと思ったら出てなかったでござる。続きないの?悲しい

帯にディーふらぐ!の春野友矢のコメントがあったけれど、確かにディーふらぐ!とか好きな人に受けそうな漫画。以下感想。

目次

ギャグとして

面白い。

主人公かつヒロインの、ぼっち高校生アイドル・カスミんが、プロの高校生森田に目をつけられて、高校生活をプロデュースされる。2留してるからプロの高校生らしい。

つまり強烈な個性の男に振り回されるヒロインの、ボケ男ツッコミ女系夫婦漫才スタイル。ギャグ漫画の定番だが、萌え系だとどうしてもヒロインの個性を重視してしまうせいか、珍しいような気がする。だがこの組み合わせはラブコメ的にもたいへんおいしいので、このパターンもっと増えてほしいと思う。

ラブコメ的にもおいしいが、この漫画はギャグ漫画としても面白い、というかジャンル的にはギャグ漫画に入る。ただ、この手の萌え要素強いやつだと、ギャグはおざなりというかぬるめのものが多いのであるが、この漫画はなかなか強烈。彼らを取り巻く生々しい人間関係が良いアクセントになっている。

カスミんは同性からシャレにならないほど嫌われているぼっちであるし、後で出てくる吉岡は天然のサークラ、異性限定のあざとさがメーター振り切っており、あざとすぎるほどあざといのに、まったく萌えないという素晴らしさ。むしろむかつくレベルだが、森田からの扱いもアレ呼ばわりなど雑なので、なんだかいいかという感じ。

仲は必ずしも良いわけではなく、微妙な駆け引きと緊迫感がある。ただ仲が悪いというわけでもなく、同病相憐れむところありライバル心あり軽んじるところあり敬するところありと、カスミんと吉岡は面白い友人関係だと思う。

もう一人のヒロイン・山下小姫は尺が短く出し切れていない感じで残念。

ラブコメとして

そう、尺がなぁ…短いんだよな。だからギャグ漫画として確かに面白かったのだけれど、でももっと尺があれば、ラブコメとしてももっとよかっただろうにと思え、残念でならない。

カスミん→森田はそれなりに語られるんだけど。なんだかんだと言いながらも、誰からも相手にされなかった自分に、下心なく世話を焼く森田に、凍てついた心が絆されていくカスミん可愛い。

ただ、森田→カスミんのラインが今ひとつ。森田がカスミんの世話を焼くのは、確かに下心ではないが、ナルシズムが故という感じもするのだ。

いや、もちろんそれだけではないだろう。森田はカスミんと違い色々な人に頼られてはいるものの、唯一仲がいいのがカスミんだと先生に言われたり、また飛び級設定などもあったりして(飛び級留年は普通に笑ってしまった)、本質的に孤独なところがある。カスミんに何かシンパシーを感じるところはあるのだろう。同じく飛び級したヒロイン・山下小姫に対しても、かつての自分に重ね合わせたのだと思われる(そういうシリアスさを、ギャグのみで語るのは理想的なギャグ漫画)。カスミんを気にかけたのには理由があろうし、吉岡や山下の世話を焼くのも同じような理由があろう。

もっと話が続けば、森田のカスミんに対する気持ちにも変化が見られたろうし、それこそ一番見たいところなのだが、残念ながらそこまで続かない。カスミん→森田だけでもおいしいが、それだけにラブコメとしては片手落ち感もあり悲しいところだ。本当に続きこないだろうか…。

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