作・桜井のりお。2017年19巻にて完結。1巻が2007年なので10年以上やったことになるのか……お疲れ様でした。……ひとは、ササエさん時空じゃなかったら連載始めの矢部っちと同い年くらいやん。びびるわ。
最終巻は特に矢部ひと分強くてとても俺得だった。以下18-19巻(最終巻)感想。
矢部ひと盛りだくさん
みつどもえもついに最終巻。連載10年っていったら、小学六年生が大学4回生になる月日。だがオッサンは10年たってもやっぱりオッサン……なんだけれど、オッサンなりにも10年という月日はそれなりに重い。その重さを感じさせてくれたのが三十路のバースデー回で、サザエさん時空である以上最後の大技なわけだが、笑えるというより心痛んだ俺は自分の人生について後悔があるのだろうか。
それはともかくとして、最終巻の矢部ひとっぷりがたいへんなことになっていた。とっても俺得。
クリスマス回でナチュラルにくっついていたくらいはまぁ今までもそれくらいのことはあったなぁ、という感じだが、矢部っちの実家にお引っ越し回の「てってれー」は完全にアウトじゃなかろうか。矢部家団欒の中、下半身パンいちの状態でひとは登場。確実に空気が凍てついたと思われるが、その後どうなったのだろう。
まぁそんなことがあったにも関わらず、ひとははその後もしれっと矢部家の潜入を企てるし、かつ潜入したひとはを矢部っち母は認識できていないから、あまりの出来事になかったことにされたのかもしれない。割とシャレにならんし。
あと、引っ越し作業中、ダンボールに隠れているのをみつばに見つかった時、ひとはが「引っ越し祝いのサプライズ」というのだが、ひとは的に自分登場のサプライズがお祝いになると思っているあたりにちょっとニヤリ。まぁもちろん冗談めかして言っているのだろうけれど、本当に相手が嫌だと思うだろうことはやらない子なので、少なくとも(本当に)嫌がられはしまいという確信があるわけだ。それだけ親しい関係ということである。
他、誰がどうやっても笑わないひとはが、矢部っちの透けブラで美少女スマイル。あれもやっぱり、矢部っちだからあのいい笑顔があったのだろう。ポイントは、笑顔そのものよりも、その前に、パニックになって窓から飛び降りようとするひとはを咄嗟に止めようとして醜態を晒した矢部っちを見下ろすひとはの、どこか照れ臭そうな顔じゃなかろうか。状況を完全に把握できているわけではないだろうけれど、とりあえず自分のために大慌てで止めに入ったのだろうということはわかるだろうし、周囲の人間が嫌がらせしてきていると、やや疑心暗鬼に陥っていたところだったから、余計に感じるものがあったに違いない。
結婚してほしい
ということで、濃厚な矢部ひとが詰まっていて非常に満足だった。三十路の誕生日回で、三十路に「矢部先生のが…好きなのよね…」と言われた時の両者の反応を見るに(矢部っちは嬉しそうだけど本気感はなく、ひとははなんていうか、上に立たれて悔しそうな感じ)、まぁ当面どうこうすることはなさそうだしってかあったらさすがに引くけど、十年くらいしたら結婚してほしいわ。そうすると矢部っち魔法使いコースだが、ひとはが嫁になるなら文句ねーべ。料理できるし常識あるしなんだかんだ優良物件だわさ。ってか矢部っち他にアテもなかろうよ 笑。
矢部ひとだけでもまた読み返したいなぁ。
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