『みりたり!』1-3巻感想:ぷにっとして戦争

created by Rinker
¥792 (2024/10/05 11:42:51時点 Amazon調べ-詳細)

まもウィリアムズ, みりたり! 1, 2009

やや古い漫画で、1巻が2009年だから、あーそうかまだハルヒとからきすたとか流行ってた時代だったような気がするとかなんとか。当時は4文字でびっくりしている漫画がよくあったものだ。

絵柄はわかりやすく萌え系で4コマ、男主人公(多分主人公)はいるが冴えない感じ、ストーリーはあってないようなもの、ということで実はセールされていた続編の乙型を先に読んでしまったのだが、あとがき読むまでそれが続編であることに気づかなかった程度にはどこからでも読める。

ラブコメ分は薄いがまぁまぁ頭ゆるくして楽しめる。萌え系のギャグ漫画だが、たまに悲惨なところが描かれており、ミリタリー要素の配合の仕方が不思議な感じがする。以下1-3巻感想。

目次

無敵のKindle Unlimitedだから

この手の漫画はラブ分が強いければ(あるいはよほどギャグが面白ければ…)読むのだが、この漫画についてはラブ分が強くない。というかまぁ主人公・宗平が見事に冴えない男子で高校生という設定だがすでに入社5年目にして出世街道からは外れた雰囲気を漂わせており、まぁ確かにこれのラブコメはそんなに見たいとも思わないかなという感じ。

じゃあなぜ読んだかというと、Kindle Unlimitedの対象だったからだ、というのが正直なところだ。続編にあたる乙型はラブ的なヒロインがレギュラー入りしてそこそこラブいのだが、本作では続編でラブコメする彼女の出番はほんの少しであったようだし、続編でラブコメ感が出てきたということは逆にいうと本作はラブくないということでもあるし。となると、買ってまでは読まなかっただろう。これくらいの温度感のときに、Kindle Unlimitedはとても有り難い(たまに解約しようと思っては「あー、これがあるなら読んでからにするか」みたいな感じでなんだかんだずっと続けている…)。

ラブ分薄いが

で、読んでみるとこれは存外楽しめた。表紙のルト中尉は最初からラブ分皆無だが、ハルカ少尉については初期は多少宗平とのラブコメ要員として意識されていたのではないかと思わされる描写が散見される。なにしろ続編をすでに読んでしまっているので、ラブコメ低な展開については先をある程度知ってしまっている俺だ。

といってもあからさまな描写はないのだが。せいぜい宗平が「(携帯は)小さい方が好き」と言った時にルトがハルカに対して「よかったな」と声をかけたことくらいだろうか。

ただ何かとラブコメ文脈に沿ったネタがあり、またサービス展開も多めであったので、やはりそういうルートも初期は少し考えてもいたのだろうと思う。まぁ初期はキャラが少なかったし、なんだかんだラブコメ展開は読者の心をぎゅっとつかみやすい王道なので、いざとなればその方面にシフトする必要もあったろうし、となればまぁハルカ少尉に頑張ってもらわないといけなかっただろう。それにしてもハルカ少尉のテンプレ的なツンデレ描写には時代を感じさせる。

まぁ結果的にはあまりそちらの方には振らず、宗平とルト・ハルカは家族的なポジションに収まっていき、代わりにドジっ子巨乳眼鏡のアリア大佐がラブ的なところを担うのであった。まぁ実際この漫画でハーレムされても興醒めなところはあるので、ラブコメやるならハルカとアリアのどちらか片方だろうとは思う。

ミリタリー分の奇妙な配合

とまぁ、ラブ分が薄いことをつらつらと語ったのはまぁここがそういうサイトだからだが、それはそれとして、本作のテーマは「ミリタリー」であるので、それについても触れるべきだろう。

俺は親父が元陸上自衛官なのだが、あまり軍事的なところに関心がなく、階級の呼び方も知らない親不孝者だ。自衛隊では違うようだが、二等兵、一等兵、伍長、軍曹、曹長、准尉、少尉、中尉、大尉、少佐、中佐、大佐、などという序列はこの漫画で知った。なるほど。伍長はキングダムで見た。

まぁミリタリー要素があるといっても、出てくるのが美少女(しかもロリ系)ばかりという時点でリアリティも何もあったものではなく、実際リアリティのかけらもないのだが、どういうわけかちょいちょいと戦争の過酷さ、悲惨さが顔を覗かせ、不思議なバランスになっている。

実際、さすがに作中で人死に描写はないのだが、人を殺すことに躊躇のないお方たちであるのはそうであるらしい。

まぁそうすると、現代日本の倫理観からは大きく外れるということもあって、やはりラブコメとしては厳しいということになるのかもしれない。

まぁラブコメ分についてはともかく、ギャグについては綺麗に落とそうとせずちゃんとギャグしてくれているのが好印象といったところだし、せっかくポチったので、最後まで読んでいく。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次