作・宮原るり。2008年1巻、2013年9巻。前に読んでいたところまで追いついた。。。
真っ赤な表紙が印象的な6巻から、いよいよラブコメの方に舵を取り、この漫画はより面白くなっていく。ファンブックな8.5巻、ほぼ丸々番外編の9巻、しれっと登場するみそララのキャラなど挟みつつ、各ヒロインにそれぞれお相手が出来て、いよいよ爆発漫画に。
カプはヤンマキが一番好きなんだけど、エノ兄とか体育祭とか、エピソードはエノ絡みで印象に残ったものが多いな。
以下6-9巻感想。
体育祭のエノが感慨深い
この漫画のポイントはそりゃもちろんラブコメなんだけど、それはそれとしてエノの成長が感慨深い。体育祭のエノな。カリスマや華といった面で、マキやリコに比べると見劣りすることを認め、そのうえで、頼れる人すべてを頼っての、なりふり構わない総力戦。ダメな兄にあざといポーズを教わり、自ら率先して実行にうつし、皆を巻き込んで勝利をもぎ取った。サヨまで巻き込めたのはエノだからだろう。
そこまでしてなお、マキやリコのチームに僅差で勝利したに過ぎない。それはある意味では、埋められない差があることを如実に示しているのかも。だが勝利は勝利であることも事実。
マキの有能さに嫉妬して、職務を投げ出した過去とは比較にならない成長ぶりである。実際のところ、人間の能力なんてのはゲームみたいに数値化できないものなので、ある一定ラインを超えると、単純な上下では語れず、適材適所としか言い様がなくなる。リーダー気質のエノにとって、カリスマ性で劣ることを認めるのはつらいことだったろうが、それを認めてなお前を向いて歩けるなら、まさにエノなりのやり方で、マキにも劣らない仕事ができるだろうな。
ということでエノが好きなんだけど、エノのお相手のUK王子は、これはこれで好きなキャラなんだが、この二人はさすがにちょっと俺には甘過ぎる 笑。甘酸っぱいとかじゃなくてダダ甘なもんで。これはこれでいいんだけどさ、これだけだと胸焼けしそうだ。あとあまりにも男としてダーティなところがないので、同じ男としては、なんか裏があるように思えてならない。それがないのがUK王子のキャラなのだが、その意味で女性作家にしか描けないタイプのキャラではある。
野郎には描けない描写
女性作家といえば、この漫画のターゲット層はどっちかっていうと野郎だと思うんだが(アニメの売り出し方はさすがにやり過ぎだったと思うけど)、実際はけっこう少女漫画的だよなと思う(恋愛ラボに限らず、この作者さんの作品はそんな感じ)。ナギリコ絡みの話は特にそう感じることが多い。
↑のナギとか、野郎には絶対描けない顔とセリフ、演出だと思う。このナギはとても女々しくて、もう見てられんのだけれど、女からすると、こういう嫉妬のされ方はされてみたいもんなんだろうか。うーん、そう考えてみると、男女逆にして想像したら特に違和感を感じないなぁ。同性的にはアレだけど、異性的にはニヤリなジェラり方、ということなのかもしれぬ。
ナギリコが一番正しく少女漫画している気がする。
ヤンマキめっさニヤニヤする
というわけで、サヨはネタがなさすぎ(9巻でようやくだよ!)、スズレンはラブコメまではまだちょっと、ラブコメしているエノとUK王子はちょっと甘すぎ、ナギリコは甘酸っぱすぎの中で、ヤンマキくらいのバランスが、俺的には一番すっと沁み入る清涼剤。互いに悪態を付き合っているけれど、なんだかんだいって憎からず思っていることが、その所作から滲み出ているくらいのラブコメ具合が素敵にニヤニヤできるわ。ほんと癒される。
↑マキがヤンから学ラン借りる時のこと。これ以上ないくらいわかりやすくラブコメしているんだけれど、ド直球ではないのでダダ甘にはならず、しかし見ている側はニヤニヤが止まらない感じ。めっさニヤニヤする。なんていうかもう、ありがとうございます…。
サヨとスズの関係好き
ところでラブコメではないが、サヨとスズの関係もけっこう好き。当初主人公となる予定だったのがサヨとスズであったという衝撃の事実。言われてみるとたしかにこの二人の絡みは作中でも随一の面白い関係。俺的には特にサヨと彼氏絡みでスズが冷めた目をするのが好き↓。
他の子はともかく、スズのこの顔が見られるのはサヨと彼氏絡みの時くらいだろう。サヨが彼氏のことを気にかけるたびに、キラキラした眼でサヨを乙女扱いするなど、サヨが一番苦手とすることをごく自然になす感じ、まさに化学反応が起きている関係で、見ていてとても楽しい。
次から未知
ということで、ようやく今まで読んでいた分に追いついた。11巻まではあるんだけど、12巻はまだ買ってないんよなー…Kindleでポイント還元されたらすぐ買うんだけどなー…。とりあえず11巻まで読もう。
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