この長々しいタイトルから滲み出る圧倒的コミカライズ感。まぁコミカライズです。内容はタイトルどおり。カバー裏の「無自覚に無敵な少年の勇気と出会いの物語」という文言が端的である。これ以上言うことはない。
なんというか、ラノベ前のラノベっぽい話だなと、ちょっと思った。俺が中学くらいの時に読んでいたファンタジー小説にありそうな設定というか。あるいは、当時のWeb小説で流行ってそうというか。無敵の理由付けが昔のJRPGベースだからだろうか。異世界に転生してないし。なによりダークな感じがない。なんか懐かしい匂いがする。
以下1巻感想。実際ソシャゲ全盛の今、ラストダンジョンっていう言葉自体もはや死語なのでは……?
オススメ文
本作は「オススメされた作品」からです。そして例によってフォーム投稿があったのは
3年前ですすみません。
なろうっぽいけどラノベ原作作品。よくある無自覚最強系主人公だけどキャラ達の個性が良く出ていてよい。
ファイさん
実はだいぶ前に1巻読んでいたんですが、記事にしてなかったみたいです。まぁ感想書きづらいタイプだったかも。
君はラスダンを知っているか
ラスダンとはラストダンジョンの略なんだけどこれって今の10代にも通じるんだろうか?今をときめくソシャゲにラストダンジョンの概念なんかないし、最近のコンシューマゲームはもうRPGなんか流行ってなさそうだし。ポケモンはギリギリRPGかもしれないけど、あんまりラストダンジョンって概念はなさそうだし。
しかしFFドラクエ世代としてはラストダンジョンの響きに強烈なノスタルジーを感じずにはいられない。「ラストダンジョン前の村」で想起するのは、FFよりはドラクエかな。FFは後半だいたい飛空艇で自由行動になって、ラストダンジョンはだいたいなんか乗り物で突撃とかそんな感じだったから、ラストダンジョン前という概念自体があまりなかった気がする。FFっていうか当時のスクウェアRPG(エニックスとの合併前)自体そういう傾向があった。
一方でドラクエはラストダンジョン前に村があった。あの村の人たちはあの歴戦の勇者でも苦戦する魔物たちの侵入をどう防いでいたのか謎だが、そこは50ゴールドで勇者を魔王討伐に送り出す王様と同様突っ込むのは野暮というもの。野暮なんだけれどやっぱりおかしいので、JRPGの矛盾はいろいろなメディアで突っつかれていたものだ。このジャンルで一番はやっぱり魔法陣グルグルだろうな。魔法陣グルグルは2じゃなくて初代のほうを読み直して記事書きたいわ。魔法陣グルグルは後世に伝えねばならない(使命感)。
人の評価は難しい
ここまで本作の話タイトルしかしてない模様。まぁでも、内容としてはラストダンジョン前の村の少年は一般的な尺度だとつよつよの極みで無敵ですわ、以上の話がない。ただ少年は村では最弱のために自己評価が異常に低く、少年の自己評価と客観的な評価の乖離が面白いところ……なのだが……20……いや10年前ならもう少し楽しく読めた気もするが、まぁ、割とへーって感じで読んでた。
まぁこの歳になってからオッサン臭いことを言うと、人を評価するのは非常に難しいよなとも思った。人の能力を適切に評価するには、長い時間と、そして何よりその人よりも高い能力が必要だ。
それを裏付けるかのように、サンプリング定理というものがある。これはアナログをデジタルに変換するうえで重要な理論なんだが、ものすごーーーくざっくり言うと、たとえばマイクで音を録音して、その音をデジタルで再生するとき、録音した音を再現するには、元の音の2倍以上の周波数でサンプリングして録音しなければならない、という理論である。
人の評価も似たようなものがあって、できるだけ長い時間、周期的に、評価対象よりも高い能力を持った人が観察して初めて、その評価対象の能力について正確な評価がくだせるものだと思う。逆にいうと、評価対象者のほうが評価者よりも能力が高い場合、正しく評価することはできない。これは現実世界でも非常によくある話だ。
僕がへーってなってしまったのは、そういう評価の乖離を笑えなくなってしまったからなのかもしれない。学生時代なら笑えたかもね。
続きを積んでる
実は本作については続巻をポチっており積んでいるので、そのうち続きも読みます。
コメント
コメント一覧 (2件)
確かにラストダンジョンという概念は今やあまり見かけなくなった気がします。
物語自体もあえて古き懐かしき雰囲気を描いている様に感じます。
無自覚最強系な今どきの作品ですが、ギャグ多めでリアクションや話の流れに勢いがあるのも要因でしょうか。
ある意味昨今の最強系とは一味変わった作風な作品でした。
古き良きJRPG感がありました。今の流行りではなさそうですが、世代としては懐かしいです。今の子にはどう見えるのかな。……今の子はラノベとか漫画を読むのか……?
勘違い・すれ違いは紀元前からコメディの定番ですが、強いのに弱いと勘違いするのはそういえば当世の流行ですかね。