このサイトをちょくちょく見に来てくれる人はひょっとしたら気づいたかもしれないのだが、先月はかなり1巻の感想が多かった。そして今回のような与太話的な記事はほとんどなかった。
これはどういう時に起きるのかというと、なんとなく「期間限定本」を大量に仕入れて、期間限定故に大急ぎで読んで、読んだからには感想でもかかないと甲斐がないような気がして、ガーッと書いたのである。
そういうわけで、面白そうだと思って読んだわけではない本が大半ということで、歯切れの悪い記事が続いてしまったかもしれない。
期間限定無料本なるもの
Kindleをはじめとして、電子書籍のストアにはしばしば「期間限定本」が並んでいる。いったいこれがどういう基準で選定されているのかはよくわからない。既に完結しているものも多いので、出版社にとって売り出したい本とも思えないし。
全20巻くらいの長編で、手を出すかどうか悩んでいる人に向けて3巻ほど無料にする、というのであればわかりやすいが、中には全2巻のうち1巻無料になっているものもある。全2巻で終わる本は、全2巻で終わることにどこか納得できてしまうような作品もままあるので、1巻だけ読んで、なんとも言えない心地になることもしばしばだ。
残り1,2巻とはいえ、微妙な心地にさせられた漫画の、恐らくは微妙なエンドを、ほぼ定価の電子書籍で読もうという人はどれだけいるのだろうか(もっと柔軟な値付けをすればいいのにと思う)。
まぁ無料とはいえ、あまり知られていない漫画を手に取る時点である種のマニアなのは違いないから、コレクター根性で読む人もそこそこいるのかもしれないな。自分も、こんなサイトやってなかったら手に取ることもなかったろうし。っていうか、よく考えてみると自分はちょいちょいポチってるわ。ははは。
無料とはいえ
タダほど高いものはない、とはその文脈によって大きく意味を変える言葉だと思うが、もしこの文脈で使うとすれば、それは「時間は有限である」という意味になるだろう。一度しかない人生の貴重な時間を使って読むからには、たとえ金銭的に失うものがなくとも、その時間を使って得られたかもしれない何かを失っている、という考え方はできる。
まーそれは中々にしんどいというか意識高い考え方で、人間常にフルスロットルで生きられるわけでもなし、時にはグダグダする時間も必要なわけで、特に漫画というのはどちらかというとそういう時間に好まれて読むものだから、その時間を使って読まれるものがいちいち立派なものである必要などまるでない。
まるでないのだが、そう考えてなおやるせなくなる気分になる作品というのは正直なところままあり、特にこの期間限定無料本というやつには、そうなるものが比較的多い気がする。
それは決して興味のあるジャンルではないからではなく、というかこの手のやつはラブコメであることも多いのだが、むしろラブコメ系の期間限定無料本こそ、うーん、うーん、となってしまうものが多い印象だ。読んだ後の心地を一言で言うならば、虚無である。
ということで、先月の作品記事には歯の奥にものがつまったような言い回しの感想記事がけっこうあるのは、お察しくださいといったところだ。当分期間限定無料本を漁ることはあるまい。
あ、最初のほうで書いたけれど、5巻以上続いている長期シリーズの1-3巻が無料になっているパターンもけっこうあって、そういうのは当たりが多いので、是非是非。渡くんとか河合荘とかけっこうなってるような。
まーでもね、ニヤニヤしたくて読むのもいいけど、たまには虚無感じるのも悪くないと思うんだよ。それもまた人生やん。グダグダしましょうや。はー、は、は。
コメント
コメント一覧 (2件)
いつも与太話の更新楽しみにしてます
無料本漁ってるのかな とはちょっと感じてました(笑
C級ラブコメの虚無感とても分かります
コメントでこういう事書いちゃいけないのかもしれませんが
「花園君と数さんの不可解な放課後」というマンガの記事・感想を是非見てみたいです
(不快にさせたらスミマセン)
おおぉ、与太話見てくれている人もいるんですね、なんか嬉しいな。無料本漁っていました。
B級ですらないC級も愛せてのラブコメ好きだと思いつつ、虚無は虚無ですね。続けて読むと謎の修行感があります
情報ありがとうございます。全然オッケーですよ。情報集めのスタイルが雑なので、知らん作品多いですし。
話の流れ的にC級的なやつかと思いましたが、覗いてみたら普通に面白そうですねこれ。