『となりの工学ガール』感想:工学っていうかロボが好きな子

ロボットが好き過ぎて、そのまま工科大にいって専攻もそれにした女の子の話。タイトルの割にあんまり工学要素はないので、そういうとこに期待しちゃいかん。ほんのりとラブコメ要素もある安心のまんがタウン的ぬるい4コマ。でもこのタイトルならもうちょっと工学してほしかった……。

以下感想。

工学というかなんというか

主人公の女の子はロボット大好き工学ガール、好きなので専攻もそれにしました的な。工科大が舞台の珍しい漫画。それだけにちょっと期待しちゃった面はあるんだが、正直工学要素はあんまりなくて肩透かし。時々中高レベルの理科の実験みたいなことしてお茶濁す。うーん、と思ったら作者生物系だったみたい。何故に生物系なのに、そこから一番遠い機械系を描いたんやろ……。同じ理系でも多分かなり分かり合えない。

一番、女子が珍しいからだろうか。同じ理系でも女子比率はけっこう違う。だいたい、生物>>薬学>化学>建築(デザイン)>>建築(デザイン以外)>電気電子・情報>男子校=物理・機械って感じじゃなかろうか。うーんしかし理系題材にするならやはり少しでも作者にとって馴染みのある、専攻に近いやつのほうが…。

でも、ま、掲載誌まんがタウンらしく、男女のぬるーいラブコメありのぬるい4コマなんで、肩肘張らずさらっと読むのにはいいかなーとも思う。いかにも理系で、女子に免疫のない(けれども無駄に人畜無害な)野郎集団の中に天然入ったロボ好き女子一人、みんなわいわいな研究生活の中で、特に女が苦手な野郎とちょっとしたロマンス……うん、いいじゃないか。それくらいのノリで、ゆるーく、ぬるーく、まんがタウンなわけだよ。

もっとラブがほしかった

とはいえ、それならそれで、もっとこう、理系のラブストーリーを展開してほしかった感はどうしてもある。理系ラブは需要に対して供給が少ないジャンルだと思うし。しかも、理系の中でも理学系じゃなくて工学系って、もっと少ない気がする。あと、漫画の中でも、微妙に文系と理系の忙しさ格差みたいなのが描かれているが、現実は漫画よりひどい。そんな忙しい研究生活で、あくなき知的向上心、好きなものへの熱意、科学と技術を通して伝わるロマンス……的なのがね!こう、あったらなぁと。理系的なテーマと、ラブの要素が、もう少し絡んでくれたらな、と。

○○ガール系じゃ数学ガールが白眉だと思うけれど、あれなんかは思いっきり数学を通してラブを語っていた。数学ガールの忘れられない名言「君にはωのワルツが見えるかな?」これの工学版が欲しいけど、ガチで数学やってる数学ガールと比べちゃダメよね……(「数学だってやるよそこにラブコメがあるのなら『数学ガール(漫画)』 – 少年は少女に出会う」)。

変に理系とか工学とか意識せず、なんちゃって理系ラブコメ、くらいのノリでやってくれたら。恋の合間に仕事……してるの?なWORKING並に、恋の合間に研究……してるの?な感じでやってほしかったなぁ。後半の、タイチのライバルが登場するけれど、タイチのライバルに対する扱いが自分と違う!ってちょっと嫉妬しているところとか可愛かったし、その路線で読みたかったかな。色々中途半端で、ちょっと残念なのが正直な感想でした。

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