『琴浦さん』限定版5巻ドラマCD感想:真鍋マジイケメン

琴浦さんの5巻には限定版があって、5巻には60分ものドラマCDがついている。なかなか豪華である。採算度外視であるらしい。

そして付録のおまけ漫画が…真鍋の妄想を具現化した大きな琴浦さんという、割とこれだけでも満足できる小冊子。

以下雑多な感想。

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素晴らしき小冊子

この限定版は、今でも中古でそこそこの値段でgetできる。プレミアがついておらず有難い。

小冊子の内容は真鍋の夢にて身体の一部が大きくなっちゃった琴浦さんの話で、しかも夢の中なのでそれなりに積極性があり、かつ授業中の夢であるため、心が読める琴浦さん本人にその内容が筒抜けという、その設定だけで読まずにはいられない代物。

大きくなってテンションも高い琴浦さんが「いちゃいちゃしちゃう!?」と問いかける様は笑えると同時にニヤニヤものであり、まさにラブコメかくあるべしといったところ。夢の中からワイプで表示される現実というネタはそれだけで十分面白いが、そこでテンション高めな夢中人物と、その様を見てぷるぷるしている現実の人物という描写は、琴浦さんのテレパス持ちという基本設定がうまく使われていることもあり実によかった。戸惑う真鍋が愛らしい。

基本設定をさらに拡張したそのノリは、さながら原作者による二次創作といったところだが、こういう番外編は読者としても嬉しいものだ。

アニメ版らしい

小冊子はオマケであって、(限定版としての)本体はもちろんドラマCDなのだが、これが60分という長さで、スタッフの愛が感じられる。内容はアニメ版琴浦さんのドラマCDとのことで、付き合ったタイミングなどに多少差異はあるようだけれど、基本的にノリが変わらないので、原作しか読んでいない俺でも問題なかった。

スタッフの愛が強すぎるのか、ファーストトラックにおける内輪ノリは、昔のファンサイトの座談会のようで、正直「これが60分続いたらどうしよう」という気持ちがないではなかったが、その後はちゃんと普通にドラマCDをやってくれたので一安心。

二期やりたかったようだけれど、叶わなかった模様。だからこそ、この気合いの入ったドラマCDが出来たのだろうか。原作好きならアニメDVDも買ってくれているよ!という希望的観測は、申し訳ないけれど「すみません」と言わざるをえない。俺は後追いではあるけれど、たとえリアルタイムで追っかけていたとしても、DVDを買うことはなかっただろう。

いや、好きだよ。でもアニメの円盤を買うお金があったら、そのお金で漫画買いたい。漫画好きとアニメ好きは、同じオタクでもかなり層が違うんじゃないかなぁ。

男向けのラブコメというジャンル自体、アニメ好きへの訴求力って低いかもしれないと思う。最近だと、「僕らはみんな河合荘」なんてこのジャンルじゃトップクラスの人気で、かつアニメも原作をよくよく踏襲してくれていたのに、円盤はあまり売れなかったみたいだし。二期ないかなって思ったけど、巷の噂じゃ全然ダメって話だしさ。でも河合荘でダメなら、もうこのジャンル自体が、アニメじゃかなりキツイんちゃうかなと思ったよ。俺もAmazonプライムビデオに出てなかったら、アニメ自体見てなかったと思うし。ファンにそういう人が多いのかも。

…だから、あまり売れなかったんだとしても、それは琴浦さんが悪いわけじゃないんじゃないかな……層の違いだよ、多分。今WEB版WORKING!!のアニメやってるけど、これはどうなんだろうな。

うーん、売れる売れないの話は、どうにも辛気臭くなっていけない。売れようが売れまいがいいもんはいい。琴浦さんは面白かったよ。今も連載中だから過去形はアレかもけど(「琴浦さん漫画 『とっても琴浦さん ~Kotoura-san VERY-MACHI~』 | 鳥取県琴浦町」)。

真鍋マジイケメンだから

さてドラマCDの内容であるが、これは真鍋と琴浦の遊園地デートということで、安心のデート回。いちゃいちゃっぷりにニヤニヤ必至。リアル琴浦さんと真鍋の中の妄想琴浦さんの落差がいちいち素敵である。

一応そこそこ波乱も含むが、どこまでいっても真鍋マジイケメンなので、このカップルはどんな展開になっても安心してみていられる(おまけのキャスト一言コメントでも、部長の声の人が真鍋くんマジイケメン!と…ですよなぁ)。

真鍋は相当いい男やからね。これだけ彼女のことを好きになれる男は、絶対にいい男だよ。真鍋の琴浦さんに対する想いくらい熱い気持ちを彼女に持っている男って、世にどれくらいいるんだろう。しかも真鍋は本来、どちらかというとおっぱい星人やからなぁ。もちろん十代の男の子らしいエロスはあるにしても、琴浦さんのことを本当に好きだからこそあそこまで夢中になれるわけで。

そんなことは、心を読める琴浦さんにはよくわかっていることなのであり、だからこそ、どちらかというと潔癖な琴浦さんも、なんだかんだで最後は真鍋のことを受け入れるのである。彼女に心を読まれて大丈夫だなんて男は、もう二度と現れないだろうさ。っていうか常に自分が愛されていることを確認できるんだから、彼女としてこれほど安心できることってないのでは。

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