素直になれない…わけじゃなくどちらかというと素直で、ツンデレ…じゃなくてデレデレにも関わらず、圧倒的に言葉が足りない、文脈で意味を捉えないことにより勘違い・擦れ違いばかりの恋する女の子・琴ノ葉綾乃の空回りなラブコメ。以下感想。
基本情報
琴ノ葉さんが恋してる 真島悦也 | 小学館コミック -サンデーGENE-X-
2016年7月現在第1巻まで。作者・真島悦也。なんだか90年代っぽい絵柄。
だいたいこんな感じ
主人公にしてヒロイン・琴ノ葉綾乃は、同じクラスの守山君が好きで、いつもその姿を目で追いかけ、機会があれば言葉のやりとりをし、時には朝通学路で待ち伏せして一緒に登校を試みる、割と積極的な女の子。なのだが、目つきが悪く、言葉数が少なく、さらに言葉選びが悪すぎるために、守山君からは誤解され恐れられている。
特徴的なのは、琴ノ葉さんはツンデレとかそんなんではなく、本人的には好意をひたすら表に出しているつもりであること。さらに行動的である。前述したように、一緒に登校しようとしたりするし、突然勉強を教えに家に押しかけに行くし、夏休みになれば何度も守山君を遊びに誘う。ただ、それがことごとく裏目に出るという、そういう仕掛けだ。
コメディの基本は擦れ違いであり、ラブコメでもよくあるパターン。そういう意味では王道と言えば王道である。
でもなー…コメディの擦れ違いがどうして面白いかって、擦れ違い自体が面白いのはもちろんだけど、それだけじゃなくて、ちゃんと適切なタイミングでちゃんとネタばらしされるからじゃないかな…。噛み合わない歯車が、最後の最後にカチッとはまるのが擦れ違いのカタルシスやん。この漫画、それが一切ない。だから、非常にもどかしくて、最初のほうはいいんだけど、最後の方になってくると、ちょっとイライラしてくる。
歯車の噛み合わなさも、必ずしも納得いくわけじゃない。確かに琴ノ葉さんの言葉・態度は誤解を招くものだとしても、実際に取った行動を考えれば、そこにある好意をまったく汲み取れないというのもなんだか。嫌いな男子、バカにしてる男子に、何度も何度も話しかけるか、わざわざ休みの日に勉強教えに行くか、一緒に買物行こうとするか、下着を選ばせるか!
そんな感じで、なんだかなーってモヤモヤするんだよねぇ。それについては、守山君の思い込みもある。つまり、思い込みが激しいのは琴ノ葉さんだけじゃなく、守山君もそう。
、好意に気づかせてしまうと、漫画終わっちゃうのも事実。でも、勘違い中でも、たとえば守山君がもう少し、琴ノ葉さんの好意にもしかして、と気づいたりとか、たまに進展があって、3歩進んで2歩下がるみたいにはできると思うんだが、なんだかそうでもなくて、1歩進んで1歩下がるみたいな感じなのが、うーん。
せめて勘違いにツッコミをいれてくれる人がいるといいんだけど。で、その役割を琴ノ葉さんの幼馴染で親友・鈴奈がするのか、と最初思ったのだが、この娘もただの勘違い要員パート3で、しかもなんだったら同性愛系お邪魔虫キャラっていう。個人的にお邪魔虫キャラに同性愛キャラを使うのは好かんし、そもそも親友にお邪魔虫させるのがどうも。お邪魔虫と言ってしまうのもアレかもしれんが、今のところ邪魔にしかなってないしなぁ。
同性愛キャラと言い切れるかも、そこは微妙。最初出た時、琴ノ葉さんの好きな相手が自分なのかと勘違いした時、琴ノ葉さんとの友情を大事にしたいけどだからといってオーケーはできないどうしようと悩む姿は、なかなか面白かった。でも、その後の振る舞いは、ただの無自覚な百合キャラにしか見えんかったのも事実。
このまま行くと、2巻くらいが限界だと思うけど、どうなんかねぇ。話自体、短編コメディという感じで、長々とやるタイプじゃないと思うしねぇ。だとすれば、まだ評価には早いか。
総評
正直微妙だけど2巻でスッキリできれば評価は変わるかも。2巻次第。
コメント