積ん読消化の季節。有名作品シリーズ。これも積んでた。
まぁ本作は徹頭徹尾みんな大好き宇佐美さんの片思い姿が可愛い漫画ではあるんですけれど、この手の構成で続いているのは珍しいなぁと思います。普通10巻超えたらまぁまぁ進展しますからねぇ。あと女の片思いネタはあまり引っ張られると不憫な感じがするとか、男の方に腹立ってくる、という現象が起き始めることも、ラブコメとしては案外難しいところと思います。実際女→男の片思いは、出番が少ないサブカップルに割り当てられがちな気が。
でも本作はそういうストレスとは一切無縁。その分テンション上がることもあまりないかも。12巻には最近のラブコメだと一番ハイライトになりがちな気がする夏祭り回もありますが、抑制的なんですよね。まぁそれが本作の特徴とも言えますけれど。抑制的な分滲み出ているともいう。
以下12-13巻感想。内巻くんの女体描写のベースは完全に宇佐美さんになってしまったのはそうとして、恐らく下着のセンスも宇佐美さん由来になっていると思う。
前回記事

だいぶ前になります。11巻2019年で、12-13巻はともに2020年です。割と毎回ポチってたのに積んでた俺。なぜだろう。コメントついて積んでることをふと思い出しました。
抑制的な漫画
久しぶりに読んだけれど、相変わらず静かな漫画だなと思いました。全体的にフラットで、時々宇佐美さんが空回りして凹むことがあるけれど、割と2,3ページもすればフォローされて私は元気ですって感じだし、深刻にならない。
これは起伏がないとも言えます。12巻にはみんな大好き夏祭り回も収録されており、まぁ例によって宇佐美さんはデートだと花を心配させるくらいに大はしゃぎなわけですが、内巻ボーイはギルティなので平然と「みんなもくればよかったのに」発言をぶちかまして宇佐美さんをブロークンハートするものの、だいたい2ページで復活。ってな感じなので、深刻にならない分テンションも上がらない、という非常に抑制的な構成になっています。
しかし、だからこそ続いているんだろうなぁとか思ったりもするわけです。ラブコメ的な激しい起伏が生じれば、どうしても進展せざるを得ませんけれど、進展しまうと完全に別の世界観になってしまいますからねぇ。
見せない描写が活きている
あらゆる展開が抑制的なために、本作は漫画としてヒジョーに大人しくいものになっています。しかし一方で、そこかしこに抑えきれない何かが滲み出ている感もある。

この13巻の内巻くんが宇佐美さんのパンツをガン見しているだろうこのシーンは、本当に唐突かつそれに対する言及は一切ないという構成です。個人的にこの読者に見せないタイプの演出はあまり好まないんですが、本作のこのシーンに限って言えば、非常に効果的でかつ、ある意味でとてもこの漫画らしいと思いました。
本作の場合、宇佐美さんのパンツよりも、宇佐美さんのパンツをガン見してしまった内巻くんのほうが読んでいて楽しいわけです。であるならば、パンツは描かない方が雑味がなくてよい。この見せない描写が活きているシーンはなかなかないと思います。しかも、宇佐美さんは本来は可愛くてセクシー描写も十分やれるヒロインなのに、彼女のパンツよりパンツ見て「あっ」ってなってる状態を見るほうが楽しく感じられるラブコメ、うーんこれはハイレベル。
実際、作者さんの過去作では割とあからさまなエロス展開を連発する作品があります。

表紙からしてだいぶ躊躇わない感じのエロコメに近いB級ラブコメなんですけれど、本作で抑制されているものが垣間見えるという点で、本作のファンにとっては楽しめる作品かもしれません。
宇佐美さん浸食
まぁ二人の仲は直接的には進展していないんですけれど、内巻くんの内側は確実に宇佐美さんで染められていることでしょう。裸はもちろん下着まで脳裏に焼き付けられているので、内巻くんの描く女の子は8割方宇佐美成分で出来ていると思われます。宇佐美さんが内側から浸食していることもまた、片思い劇場で進展がないにも関わらず、どこか不思議な満足感を読者に感じさせる要因の一つかもしれません。
そんなわけで、まだちょっと積んでいるのでその分読みます。
コメント
コメント一覧 (2件)
続刊の更新ありがとうございます!自分も早く追い付かねば……。
どうやら関係の進展はなさそうですが、この進展なさ具合も中学生らしさと思えば愛おしいまでありますね。
KindleのUSBダウンロード廃止となると、いよいよ購入者の保存する権利が無くなってしまいましたね。万一サ終したらどうなるんでしょう。
この二人の場合、一定以上進めてしまうと色々台無しになる感じがありますね。
でも空気感の良い漫画で、個人的にはよつばととかそれ町と同じ感覚で読んでいたりします。