『このヒーラー、めんどくさい』8巻感想:みんながわかっているラブコメ

まぁなんだ、俺は結局こういう漫画が好きなんだな、と思った。人は選ぶと思う。たとえば友達に「なんかオススメの漫画ない?」と言われてこれを渡したら、少し読んで「え……?」って顔されるのが目に浮かぶ。ラブコメラヴァーズにさえ「あ……うん……?」って顔されるだろうし、ギャグ好きなんかに渡したら「お、おう」だろうし、あれ……この漫画いったい誰向けなんだろう。

まぁそういうあらゆるジャンルの狭間みたいな漫画なんだけれど、強いて言えばインディーズっぽいかもしれない。在りし日のWeb漫画というか。でもTwitter漫画ではない、みたいな。

まぁ未だに新刊ポチるんだからお気に入りなんだろうし、そしてここまで続いているということは同じような人けっこういるんだろうなぁという以下8巻感想。みんながラブコメを期待している。

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8巻……だと……

この漫画、何一つストーリーが進まないまま、時々登場人物が増えたり減ったりしながら、ついに8巻まできてしまった。本当に何もない。この何もないままどこまでも続けるのだろうか。巻入れ替えても気づかなさそう

強いて言えば当初から最弱のアルヴィンだが、その最弱ぶりに磨きがかかっており、こいつカーラに出会う前によく死ななかったなぁと思うなどした。戦闘は仕方ないとしても、トラップ回避とか索敵とか、もうちょっとこう、戦闘以外でなんか一つくらいあってもいいんじゃなかろうか……。

あとはそうね、カーラがちょいちょいあざといのはそうだね。8巻オマケかな?読者投票でカーラに着てほしい衣装でアルヴィンの服が入っていたっぽいのはみんな大好きすぎて笑う。やっぱりこの漫画の読者層ってそうなんやろなぁ。ラブコメ好き。ラブコメ好きの中でもけっこうニッチ寄りじゃないかな。男女ツーマンセルの会話劇好きなのは間違いないけど、この空気感がかなり人を選ぶと思われる。「これギャグなの?(真顔)」ってなりそう。それは正直俺もわからん笑

作者と読者の心理戦

まぁ……8巻も相変わらずストーリーとかなく、取り立てて言うべきほどのイベントもなく、まぁ新キャラりょうこさん登場、くらいなんだけれど、でも別にまぁ……うん……なんだけれど、さすがにそれではあんまりなので、一つ取り上げるとするならば、サトリ回だろうか。

ここでカーラのあざとい乙女心なんか晒されたら鼻白む気はするが、さりとて何もないのも寂しい、などと思いながら読んでいたのだが、特に何もなかった。ここらへん読者の心情の機微について作者さんも意識しており、そのうえでさてどうするかというメタな感じがカーラの言動からそこはとなく窺えるあたり、なんだか作者vs読者の心理戦のようである

カーラはあまりあざとくなりすぎると誰お前になってしまうから、バランスは難しいよね。でも何もないと寂しい。サトリの回はもうちょっとそこはかとないサービスがあっても良かった。と思っていたら時々ストレート直球で可愛さ見せてくることもあるので油断ならない。何と戦ってるんだ俺。

在りし日の思い出

とまぁ、この漫画は、みんなが色々な前提を共有したうえで、あーでもないこーでもないと、なんだか語り合っているような感じがする。それがなんだか楽しい。ああそうか、そんなところが、在りし日のWeb漫画を思わせるのかもしれないなぁ。結局俺が読みたいのは、そういう漫画なのかもしれない。

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