なんのストレスもなく読める読みやすい漫画。
アルヴィンとカーラの会話劇で成り立っており、それが面白い漫画なのだが、長く続けるにはけっこう距離感の難しい二人だよなと思う。体裁としてはギャグ漫画であるため、ラブコメ的な期待はしてしまうものの、あまりあからさまにラブコメられてもそれはそれで興ざめしそうなのである。二人の会話劇が魅力であるにも関わらず、やりすぎると過度にラブコメしてしまいそうで難しい。
だからなのかどうかは知らないが、ちょくちょく新キャラが出て絡んだりするのだが、レギュラー化したキノコのオルテガイア以外はけっこう微妙なんだよなぁ。
正直700円払って読みたい漫画かと言われると微妙な感じはする。なかなか勧めづらい。まぁでも今どきのコミックスは基本無料で読んで、ファンだけがポチるファングッズなのかもしれない。
けっこうこの距離感が好きな人はいると思うんだよね。このラブコメにならないようにラブコメする距離感、俺はすごく好き。以下5巻感想。
ノーストレスな漫画
感想記事を書くまでえらく時間がかかってしまったが、実は発売されてから割とすぐにポチってしかも読んでいた。平気で年単位で積む俺にとってこれは珍しいことだ。この漫画は読むのにストレスがかからないからさ(漫画を読むのにエネルギーが必要になってしまった)。
ただこの5巻は初っ端が魔王話なのだが、これはだいぶ微妙であった。本作はアルヴィンとカーラの会話劇こそ面白いものの、そこから離れるにつれてつらい感じになっていく。
本質的にラブコメなので
本作はギャグ漫画の体裁だが、本質的なところはラブコメに近い。ただし、露骨にラブコメされると興ざめする。いかにラブコメを感じさせずにラブコメするかが肝という、難しい距離感の作品だと思う。
実際、酒場で周囲の人にボロカス言われているカーラにフォローを入れるアルヴィンなど、これは求められている話ではあるものの、ここまであからさまに二人の近さを感じさせる話を毎回はできないと思われる。
ここらへんの塩梅の難しさは作者さんも心得ているのだろう。カーラが新しい服に着替えた話など、カーラは普段と違う装いの自分にアルヴィンがどう反応するかとても気にするわけだが、これは普通にやってしまうとラブコメ度が天元突破してしまうのが目に見えている。
ここは難しい分岐点であったように思う。読者的には、アルヴィンから正直何か一言カーラの装いについてコメントしてほしい気はしつつ、それがどのような一言であれ、非常にラブコメ的にならざるを得ない。それは行き過ぎと考えたのかどうか、話としては、カーラが自分のことを気絶させた横暴について許すという態度を示すことで、アルヴィンなりの気遣いを見せる、というところに落ち着くわけだ。
まぁそれはそれでなんだが、やはりあと一歩の踏み込みはあってもよかったと思ってしまう。コミックのおまけで実は後でアルヴィンがカーラの服を褒めていたくらいの描写はあっても良い気はする。あるいは忘れた頃に、その服いいと思っていた、みたいなことを言わせるのも良い距離感に思える。ああ、なるほど、時間差はいいな。フラグにしておくのは粋で良い。これくらいは期待したいなぁ。
ちょうどよいと思ったのは、マンドレイク話だろうか。マンドレイクを攻撃しても全然ダメージを与えられず、マンドレイクが弱いというのを慌ててカーラが止めるシーン。さすがにマンドレイクに雑魚扱いされるのはさしものアルヴィンもガチ凹みするわけで、カーラとしてもアルヴィンにそこまで凹まれるのはいたたまれないわけだ。
弱すぎてあのカーラにすらまっとうな気遣いをさせるというのは、話のオチにもなるギャグ的要素なのだが、同時にほのかなラブコメの香りを感じさせる。マンドレイク話は一番本作らしい良いリズムであった。
俺はこういうの好きなんだなって
うーん、なんか感想書いていたら、思いの外楽しくなってきた。感想記事書いている間に、作品の良さが見えてきて好きになる、はあるあるなんよね。やっぱりこの漫画は割と俺好みであったらしい。実際珍しくすぐに読んでいたしね。記事書くの遅れたけど、これは純粋にここ数ヶ月俺のメンタルがダウンしていて、ブログの更新自体ができていなかったっていうのが原因だし。
うん、まぁ、なんだかんだ言って、この感じだと次の巻もポチりそうだな。まだ俺も漫画読めるみたいで、よかったよかった。