川村拓, かわいい後輩に言わされたい 1, 2020
どこかで見た絵柄だなと思ったらグイグイくるやつだったか。
転校生のやつは男子がグイグイしていたが、本作においては女子の方がグイグイくる。相変わらずいちゃラブに理由がいるか?という作風だが、本作の方が多少説明的であるように思われ、少し入り込みやすかったかも。
前作もそうだが、特徴的なのは、グイグイいく側が心理的な安全を確保してくれていることだ。人にとってもつらいことの一つは、好意を拒絶されることだと思う。拒絶のリスクをハラハラするのがラブコメの一つの楽しみ方だが、本作はそのリスクを徹底的に低減するところがポイントだろう。
以下1巻感想。むくれ方が野原しんのすけの女の子は好きですか?
据え膳食わぬは主人公の恥
転校生がグイグイいく男子なら、本作はグイグイいく女子。一般的な社会通念として、男子から女子にグイグイいく場合は、拒絶されるのがある意味当然である。そのため転校生のほうは、女子側の境遇を不憫にするという舞台設定が必要とされた。しかし本作は女子から男子に言い寄るタイプだ。据え膳食わぬは男の恥という言葉もあるように、基本的にこれは拒絶されない。
いやさすがに「告白」となると拒絶のリスクがあるのだけれど、それも第一話で済ませており、残りの2話からは安心の彼氏彼女の関係である。かわいい彼女の頼みを断るラブコメ主人公などいな……いか?
まぁたいていの男は女の頼みは受けるもんである。それが性的なものであればなおさらだ。逆に、男から女に対しては、たとえ彼氏彼女であってもどうだろうね。もうちょっと緊張感があるんじゃないかな。
つまりこの彼女は、本来男が取るべきリスクをあらかじめ極限まで低減させてくれている、お膳立て系カノジョである。これは或る種の理想の一つであろう。彼女に拒絶されることほどみじめなことはないが、この彼女はあらかじめ受け入れ宣言をしてくれているのだ。なんという浪漫だろうか。
淡泊な絵柄なので
この浪漫をひたすら繰り返す会話劇が本作である。絵柄は淡泊だが、この絵柄だから読める面もある気がする。もし本作がめっちゃエロくてリアリティがあったら、さすがにやりすぎな感がでそうだ。このクレヨンしんちゃんを思い出させる絵柄だからこそ、純粋に会話劇をの楽しめるのではなかろうか。頬を膨らませているところとか完全にしんちゃん。しかしながら、胸の大きさにフェティッシュを感じるのは俺だけでもないだろう。
積んでるので
地味に本作積ん読書籍なので、2巻以降もそのうち記事にします。そして転校生のやつもいつのまにかKindle Unlimited入りしていたのでこれも読むかなぁ。
コメント