『顔に出ない柏田さんと顔に出る太田君』3巻感想:最高の思春期

東ふゆ, 顔に出ない柏田さんと顔に出る太田君 3, 2019

おうおう、表紙で柏田さんがラスボスみたいになっているぞ。可愛い。

それにしてもこの漫画は実に癒やされるな。めっちゃニヤニヤしながら読んでいた。太田が完全に好きな子に素直になれない小学生男子なんだけれど、まぁ実際の所中学生男子もこんなもんかもしれない。これくらいの年齢だと、女子のほうがちょっとおしゃまなのがよいのだよ。

二人とも相手のことを意識しているし、また相手も自分のことを意識しているだろう、と思いつつも友人関係の距離感でいる様が甘酸っぱい。あと一歩近寄るにはお互いまだまだどうしていいかわからんのだろうなぁと思うとニヤる。

ラブコメの夏イベント総なめの贅沢な思春期ラブコメ。以下3巻感想。

目次

ラブコメの定番を楽しめ

今回は大サービスだね。相合い傘に始まり、おうちで看病イベント(家族イベントも発生)、海で水着回(なにげに太田がいい身体してる)、肝試し、夏祭り……青春満喫し過ぎだろうがよ。ラブコメてんこ盛りかよ。

まぁどれも定番っちゃ定番ではある。でもラブコメ的にはやってほしいイベントだ。なんだかこう、やりたいこと全部やっている感があってよい。変に出し惜しみすることはない。ラブコメのフレームワークをどんどん使うのだ。

良いカプものは、シチュエーションはいくらかぶっても問題ない。その二人の関係が特別であれば、よくみるシチュエーションでも新しく刺激的な展開になるからだ。だからこそ「xxしなきゃ出られない部屋」なんてお題もあったりするわけだ。

で、太田と柏田の関係はまぁ素晴らしいので、どんなありきたりなシチュエーションでも、というかむしろ定番のシチュエーションこそ実に見てみたいと思わされる

なんだかんだ中学生なので

個人的には、3巻最初の相合い傘がよかった。この二人、基本は太田からちょっかい出すのだけれど、恋愛的な面では柏田のほうが意識しているのか、ここぞという時には柏田のほうから踏み込むんだよな。相合い傘を果敢に誘ったりする(無自覚だけど)。

太田は未だ小学生男子スピリットを大事にしている一方で、柏田さんはしっかり女の子しているわけだ。でもこれくらいの年齢だと、ガキな男子とおしゃまな女子っていうのがいいんだよな。逆パターンも時々あって、それもいいんだけれど、やっぱり女子が早熟なほうが映えると思う。女子が引っ張るくらいでちょうどいい。

東ふゆ, 顔に出ない柏田さんと顔に出る太田君 3, 2020

このシーンとかめっちゃいい。思春期の男女としては物理的距離感もさながら、互いに心的距離感の間合いを取り合っている感じがたまんねーですわ。

それにまぁなんだかんだで中学生だからね。雨に濡れた柏田を見て太田も何も思わなかったことはないはずだ。もっとドギマギしてええんやで……。

ということでメインの太田柏田はいいとして、サブキャラはなんかこの手の漫画だと扱い難しそうなのいっぱいだなぁとは思う。3巻登場の柏田兄もそうだし。太田姉だけ異常に使いやすいことだろう。まぁ太田友もそれぞれそこそこいい仕事しているか。だが全体的に友人どもにはもっと盛り上げてほしいものだ(なに目線だ)。

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