上野さんは不器用が面白かったので、同著者tugenekoの本書を、作者買いで読んでみたんだが……この人だったのか。見たことあるこれ。
躊躇わないセクハラから容赦のない鉄拳制裁の流れるような応酬はもはや様式美。センスの塊だよ。高いから1巻だけ注文してたけど、即全巻大人買いだわ。
以下感想。
天才的なバランス
←この起承転結たまらん。この3コマで、ロボ子あり、セックスあり、ヴァイオレンスあり。それがポップな絵柄でかつあまりにも自然な流れで淡々と描写されるために、グロいのに痛々しくないしエロいのにいやらしくない不思議。こんな感じの話が延々続くんだけど、飽きが来ない。天才的やわ。
もうこれむっちゃ好き。それぞれ刺々しいキャラしているのに、全体としてまとまっているのは、各々の特性がうまいこと噛み合っているからだな。
イケダはよく逮捕されないなというレベルで度を越したセクハラ野郎だけれど、えげつないほどの鉄拳制裁を受けることで、むしろその不屈の精神に天晴という感じがする。
また、イケダがあまりにもアレなので、カレットが冷静に考えるとロボットとしては産業廃棄物だよねレベルでかつ、やりすぎなくらいの暴力系でも可愛らしく思える。
実際カレットは他の家では突き返されているわけで、イケダのところだからこそうまくいっているのだろう。また、家事をするくらいならパンツ見せるくらいのプライドの持ち主なので、イケダのセクハラも、半殺しにしてるしいいんじゃないかなという感じ。
っていうかこの男と一緒に住んでいるのにも関わらず、服装がだいたいミニワンピースなのはいいのかお前いいのか。それはカレットだけでなく、ミヤちゃんもコバヤシも、よくもこの男と付き合い続けるなと感心する。特にコバヤシは鉄拳制裁も控えめだしねぇ。
でもイケダも常にセクハラモードでもなく、けっこう普通の応対したり、優しさを見せたりすることも多く、その塩梅に天性のバランス感覚を感じる。
そして一番可愛いのは女装男子で不憫可愛いロボ男の娘(?)なコロちゃんかしら。コロちゃんのたまにウザいところがリアル。
全体を通して見ると、話の中ではすごいことをしているのに、不思議とゆるゆるでほんわかとした印象を受ける。また、基本ゆるゆるなのに随所ではすごいスピード感でメリハリがある。多分、この緩急のうまさ故に、同じことの繰り返しでも飽きが来ないんじゃないだろうかと思う。
ほんといい漫画やな。完結しているのが惜しいくらいだ。2巻以降も楽しみに読みたい。
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