作・赤坂アカ。2017年7巻。
幸せをありがとう……。
……何言ってるんだ俺。
もうただひたすら会長とかぐやがイチャイチャしてるだけっていうね。ありがとうございます、ありがとうございます。でも二人の悪い顔があまり見られなくなったのはちょっと寂しい気もする。
もういい加減付き合えばいいのに…というか、実質的にはもう付き合っているような関係になっていると思うが、そういうわけにもいかないのは、かぐやの特殊な環境もあるのだろう。
今一番のラブコメじゃなかろうか。以下7巻感想。
二人とも好き過ぎる
この漫画ももう7巻だけれど、最初から最後までニヤニヤさせられっぱなしだったわ。最初の、白銀がかぐやに会長選挙の応援演説を頼もうとする話からしてもう。周囲に告白と勘違いされて大盛り上がり。第三者から見て二人はもう恋人同士になっていておかしくないらしい。
いつもなら策謀を巡らせるかぐやも、白銀に呼び出された時はただもじもじするだけという。特に白銀に告白させるような作戦は練らない。ただ期待で頬を赤くするばかり。白銀も思わず告白してしまいそうになるほどの素直な可愛らしさ。変わったなぁ……。
この時、白銀がかぐやに告白させたい理由をモノローグで語る。
四宮かぐやに告らせたい 俺はずっとそう考えていた
これはプライドの問題だ
身分の違う四宮と対等に付き合うには
向こうから告白され求められる側になる必要があると思っていた
でも俺は もう 言い訳が出来ない程に… 四宮のことが――
ここで見るべきは、かぐやから告白されて"対等"と考えていることだろう。どうも、1巻最初に語られていたような"優位"などとは考えていないようだ。あるいは、最初の頃はそのように考えていた、のかもしれないが。
だが、今や白銀はかぐやに心からの敬意を払っている。能力だけではなく、不器用な優しさに心の芯の強さという人格まで含めて。そのうえで大きすぎる身分の違いは、白銀にとって大きな壁なのだろう。
かぐやのことを強く想うからこそ、告白されたいという気持ちも強くなり、一方そんな言い訳はいいからもう告白していいんじゃないか、という気持ちもまた強くなる。非常にアンビバレント。結局、白銀は心の準備が出来ていないと告白出来ず、かぐやにだけ聞こえるように応援演説を頼む。それに対してかぐやはため息をつきながら、なんとなく安堵しているようにも見受けられる。
「はぁ…… やっぱり…… そんな事じゃないかと思ってましたよ
まったく… 仕方のないひと…」
その後に紡ぐ言葉は、実質的にほぼ告白。
「いいですか会長 私は会長の願いにはちゃんと こう答えるんですから
演説のお願いだろうと "なんだろうと"
はい 喜んで」
1巻の頃には考えられない回答。言い訳できないのは白銀だけではなくかぐやも同じ。二人は完全に相思相愛。しかも互いにそのことを確信している。でないとこんなこと言えんわな。その後も、これでもかってほど白銀とかぐやが互いに好き過ぎるという話が続けられて、もう俺は終始ニヤニヤしっぱなしだったわ。
実質付き合っているようなもんだけど
それでも、最後の一歩を踏み出せない。踏み出せないのは、まぁプライドの問題だけでもなかろうな。白銀はハッキリと身分の違いを考えているし、かぐやもまた白銀との交際が普通には許されるはずがないことを自覚しているし(白銀の誕生日の、かぐや脳内裁判でなんとなく対策があることを言っていたが、果たして)。
そして、付き合わないままに関係はどんどん深まっていき、ついにパンツリクエストなどというこれまででもっとも性的に踏み込んだネタの話がされる。こんな交際後に起きるべきイベントが打ち込まれるあたり、実質的な関係は既にほぼ恋人といっていいんじゃなかろうか。
だったらもう付き合ってくれよと思うのだが、それが難しいのは、やはり互いの気持ちだけではどうにもならない、環境の問題があるのだろうと思う。特にかぐやの特殊な環境については、これまでもちょくちょく語られている。
お似合いの二人
本巻の新キャラ伊井野ミコは、ここんとこ甘い話ばかりで忘れかけていた二人の黒さ(特にかぐやの黒さ)を思い出させてくれたわけだが、その行き過ぎた正義感と潔癖さは、かぐやとの良い対比であった。かぐやは悪い顔が似合う女やからね。アホのかぐやも可愛いけど、氷のかぐやの一面もあるからこそやしね。清濁併せ呑みながらなお王道を貫く白銀だからこそ、二面性のあるかぐやの魅力にも気づけたのだろうし、その氷を溶かすこともできたのだろう。あー、いいなー。
しかし、白銀はこれだけポンコツなのに何故か頼れるって、ほんといいキャラやな。理想的なリーダーやと思うわ。
ところで、伊井野ミコの話は石上の話でもあったなと思う。個人的には、石上には藤原なんだけれどなー。
8巻は来年か……そのために生きるよもう。
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