『かぐや様は告らせたい』かぐやと石上の話が出来るのはこの漫画のすごくいいところだと思う

ちょっと前に6巻の感想を書いて、白銀とかぐやのイチャイチャっぷりに悶えたことを書き連ねたわけだが、またちょっと別方面の感想を書く。

主に石上とかぐやの話について。主人公の男の友人と、ヒロイン(こちらも主人公だが)の絡みという、昨今の野郎向けラブコメにおいてはヒジョーに珍しい話。これができるところが、凡百のラブコメ漫画とは違うところだ。

あと早坂についてもちょろっと。以下6巻感想再び。

野郎向けラブコメのセオリー

恋愛は男女関わらず人間にとっての普遍的なテーマであるので、ラブコメは本来男女の垣根がないジャンルの筈と思う。だが実際には、男向けと女向けで大層毛色が異なるのが現実。男と女を描くというよりは、異性にモテモテな浪漫を求めるタイプのものが漫画では多いからだろう。まーね、ラブコメは浪漫だから。夢だから。しゃーないね。

本作は野郎向けのラブコメに入る。野郎向けのラブコメ漫画で、ヒロインの友人ポジションがサブヒロイン化して、男主人公とちょっとした関係を築く、というのはよくあるタイプの話。本作でも、白銀は藤原書記や早坂と、それぞれ関係を築いている。が、しかし。その逆、つまり男主人公の友人(男)である石上と、ヒロイン・かぐやの単独話……これは、野郎向けのラブコメ漫画と考えると、中々珍しい。

主人公の友人ポジション(♂)とヒロインの話

野郎向けでラブコメ漫画のヒロインに求められる貞淑さは半端ないからなぁ。主人公以外にうつつを抜かすなんてのは、ラブコメのヒロイン、しかもメインヒロインには絶対にあってはならんわけだ。男主人公のほうは気が多くてフラフラしてること多々あるのにね。まぁ女向けじゃ逆また然りのようなので、そんなものなのだろう。

とはいえ、本作でちょくちょく見られる白銀と藤原の話は、決して色恋を感じさせるものではない。また6巻では早坂が白銀を落とそうとするという話もあったが、これもただただ白銀のかぐやに対する一途な気持ちが明確に示されただけ。

白銀-かぐやのラインが、完全に決定的なんよね。だからこそ、6巻ではついに、間に会長を立たせず、かぐやと石上の単独話が出来たのだろう。こういうことが出来るラブコメはそんなに多くないもんだ。ってか、マジで激荒れする漫画がほとんどだと思う 笑。

カップリングが確定していてかつ、カプとは別にキャラ同士の人間関係に面白みがないといけない。「WORKING!!」を始めとする「高津カリノ」作品はだいたいそんな感じだけれど、ほんとそれくらいじゃなかろうか…。

こういう漫画、増えてほしいなぁ。

石上と藤原

個人的には石上には藤原推し。この二人の関係は実にいいんだ。藤原は持ち前の可愛さとあざとさで、自分中心の空気を作り上げる力を持っているので、場の空気を読んだうえで全体を制御しようとする白銀やかぐやは、空気発生装置の藤原に振り回されがち。一方、石上は空気とか読まない。空気的にそうしないといけない感じになっても、正論で水を差すことができる男。だからこそ、花火大会も実現できた。バランスが取れている。

生徒会お疲れの打ち上げで、昔のセクハラ発言蒸し返して藤原からシャレにならなそうなレベルのハリセン乱れ打ちを受けている姿とか、サブカップル好きの琴線に触れる……。

早坂の真意

ところで6巻では、かぐやの売り言葉にカチンときた早坂が、ぶりっ子ハーサカとして白銀を落とそうとする話がある。あの早坂は非常に可愛くて、一般的な男性の好みには合致するだろう。けれど、白銀はかぐやといる時のクール系な早坂のほうが好きそうだ。白銀に、ではなく、一般的な男性に好まれそうな女性像を演じてしまうのが、早坂の限界であり、かぐやとの決定的な違いと言える。それだけ、かぐやが白銀を好きだということでもある。

早坂の本性がどこにあるのかは明らかにされていないけれど、白銀にフラれた後の、かぐやの前で不貞腐れた姿が素に近いんやろね、きっと。ただ、けっこう本気で傷ついているように見えるのは、どう解釈したもんなのかなぁと思う。現時点では、ちょっとわかんないね。かぐやへの対抗心からきたものかもしれないし、白銀をなんとなく憎からず思うところもあったのかもしれないし。混ざってるのかもね。

早坂が今後かぐや以外の生徒会メンバーと絡むなら、話はだいぶ揺れるだろうなぁ。みたいよーなみたくないよーな…。

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