作・赤坂アカ。2017年5巻。集英社は電子書籍版1ヶ月遅らせるのやめてくださいよー…。我慢出来ずに本買ったわ。注文したその日に届いてビビったわ。Amazonさん半端ないです。
ついにかぐやと会長のツーショットが表紙に!会長決め顔だけど内心ドッキドキなんだろうなぁ 笑。この漫画の表紙は最初からこの二人のツーショットで決めてほしかった。
うーん最高すなぁ…脳が溶ける…ふやける…今読んでる中で一番勢いがあるラブコメ。
以下5巻感想。
自信過剰からではなく、関係から好意を確信しているのだ
会長とかぐやのバカバカしい駆け引きもついに5巻。元々「自分に気があるに決まっている」という前提を共有している二人であったが、最初の頃はどちらかというと自信過剰が故という感があった。が、今はもうそれを遥かに通り越して、これまでに築き上げてきた関係とやりとりから、互い相手の好意について確信めいたものを持つようになっている。
だからこそ、相手の好意を疑う瞬間がある。本巻で選択授業を選ぶ時、自分の選択をまったく明らかにしようとしないかぐやに対し、会長は怒り交じりに不安を感じる。
イヤじゃないのか?ずっと別のクラスで授業受けて……
やっと一緒に受けられるチャンスだっていうのに!
そう思ってたのは…俺だけだったっていうのかよ……!
この会長の不安は、1巻の頃にはなかったものである。ここで不安を感じるのは、自信過剰からくる自分勝手で一方的な推測ではなく、かぐやの気持ちを考えているからだろう。いかに親しくとも、他人の気持ちは推測できるものではないので、不安だって感じる。また、あの頃より今のほうがずっと好きだから、それだけ不安も大きくなる。
かぐやはかぐやで、会長が誕生日を頑なに教えようとしないことに怒り心頭し、
なんですかもう! 私に祝って欲しいなんて気持ちは欠片も無いんですね!
と膨れるが、これも、自信過剰からではなく相手の気持ちを汲み取ろうとしているからこその誤解、同時に怒りといえる。
不安や怒りを感じながらも、同時にやはり相手の好意を信じてもいる。だからこそ、会長は選択授業の選択をかぐやは自分に委ねたのだと気づいたし、かぐやは誕生日を自分だけに祝ってほしいのではないか、というハッピーな考えに至る。もっとも誕生日については誤解なのだが、まぁそもそも他人の気持ちなどわかるものではない。問題なのは結果ではなく、思考のプロセスである。
もはや二人は「こんな素敵な自分に向こうだって気があるに決まっている」という思い込みではなく、これまでの関係から、相手の心情を理解し、その好意を推し量っている。だからこそ不安も感じるし、自分のことを好きなのではと思えた時には、嬉しさもひとしおなのだろう。
ラブコメでありラブロマンス
それだけの関係を築いてきた二人である。特に本巻の、会えない夏休みからの花火大会は、恥ずかしいほどの青春ラブコメっぷりであった。かぐやの鬱屈とした環境をギャグも交えずにただ鬱々と描き続けるだけで1話使うのは、断じてギャグ漫画のそれではない。それは、その後の会長を中心にした、生徒会メンバーによる劇的なかぐや救出劇のための1話であり、それはつまり、そう、ラブロマンス。
1巻時点で、この漫画はギャグ漫画とラブコメの両方の色を濃く持っていた。どちらかといえばラブコメの色彩が強かったけれど、ギャグ漫画として転ばせる可能性もないではなかった。が、ここにきてもはやそれはない。こんな小っ恥ずかしい、ラブ"コメ"ですらないラブロマンスを真っ正直に描くのは、ギャグ漫画ではない。本作品は、完全に"ラブ"のほうに転んだといえる。
次巻も楽しみ
まぁでもさすがにあんな恥ずかしい話は早々ないもので(作者さんはガリガリ精神削ったんじゃなかろーか)、花火大会の後は日常のラブコメに戻る。次に来るのはかぐや単独の会長お誕生日会ということで、これまた非常に楽しみだ。
それにしても、誕生日会でもちょろっと描かれたが、氷のかぐや姫時代の会長とかぐやのやりとりがとても気になる。少なくとも、氷のかぐや姫は相手に告らせようとさえしないのではなかろうか。1巻時点では既に氷は溶けていたようだが、それを溶かした過程も描いてくれないかしら……。
あと藤原書記と石上くんも個人的に推しなんだが、サービスしてくれないだろうか。ラーメン大好き藤原さんみたいな話した後に、ブレスケア的なものを渡すデリカシーのないフォローしたりとか、誕生日が同じというだけで石上くん藤原さんにぼっけなす呼ばわりされたりとか、この二人の関係も美味しいんだよなぁ。藤原さんが遠慮なく罵倒の言葉を投げかけるのって石上くんくらいか。生徒会相関図曰く「天敵」らしいが。
ってか藤原さん、会長のこと「そんけい」していたはずなのに、いつのまにやら「私がいないと…」まぁ藤原さん相当頑張ってるよね。でも会長からは「珍妙生命」扱いの藤原さんに幸あれ。
今回も読み終わるのが寂しい非常に良質のラブコメであった。ありがとうございました。
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