作・赤坂アカ。ラブコメ度めちゃ上がってる。
1巻では白銀・かぐやで終わるとは限らないみたいなことを書いていたけれど、それ以外の終わりが見えない。1巻時点では二人のナルシズムが強調されていたものの、今は互いに相手を思いやり尊敬する気持ちのほうが目立っている。早くくっつけばいいのにと思う程度にはカップル感強い。
読み終わるのが悲しくなったので、間違いなく良質のラブコメ。以下2,3巻感想。
好き過ぎるだろう
最初は一発ネタかと思ったほどに強烈だったが、その後のマンネリ化が非常にうまくいっている。最初の頃はナルシストな男女(ただし実力が伴っている)が、自己愛の延長と歪な恋愛観の元に、その頭脳をフル活用して相手に告らせようと高度な心理戦を展開するという、才能の無駄遣い漫画であったが、3巻にもなると完全にラブコメとして落ち着いている。白銀・かぐやエンド以外にいい終わり方が想像つかない。互いに強い尊敬と愛情をもった、理想的な似たものカップルなんでは?
かぐやの白銀に対する気持ちはほぼ揺らぎ無く、白銀が他の女と仲良くしている様を想像するだけで血管がブチ切れそうになるほど強い怒り、妬心を抱くし、白銀が面罵された時には、白銀に代わり後で強い自己嫌悪に陥るほどの反撃を試みている。何かと思わず会長の好きなところを口走ってしまい、お付きの早坂にはよくそれでこれまで(気持ちを)隠し通せてきたなと言われる始末。
白銀も自分のかぐやに対する気持ちをよく認めている。その気持ちが、ナルシストの彼をして、自分の青臭い気持ちに気づかせる↓。
あかん。こういうの本当に弱いんだ俺は。1巻の頃ならこうはならなかっただろう。かぐやへの想いが募っている。というか、このネイルを褒めるか悩む回はほとんど普通のラブコメ回であった。
また、白銀がテストに命を懸けるのは、今や己が立場を堅持せんがためというより、かぐやと「対等」である為だ。負けず嫌いの白銀であるが、多才なかぐやに多くの面で遅れを取ることを内心では認めており、だからこそ、学生の本分である勉学で打ち勝つことで、かぐやと「対等」でありたいと強い気持ちを抱く。勝って「対等」。「上」ではなく。白銀がかぐやをいかに評価しているか、敬意を払っているかがわかる。
テスト結果も、白銀はかぐやに勝ったことで喜び、かぐやは白銀に負けたことで地団駄を踏んで悔しがる。もはや順位は大きな問題ではない。二人の戦いなのである。うーん、青春。
二人は互いに尊敬し、敬意を払いながらも、負けじと切磋琢磨し合う理想的な関係である。普通なら疲れそうなものだが、この二人はその姿こそがナチュラルであり、あくなき向上心を共有している。そこにウブな男女の情が絡むと、これはもう王道的に素敵なラブコメである。それをすごいけれどアホくさい恋愛頭脳戦として表現することで、甘すぎない味わいでラブコメを存分に堪能できるというものである。
二人共、お互いがお互いを好き過ぎており、藤原のすすめでコスプレした際は、二人ともが相手の猫耳姿に悶絶して世界が崩壊するという、羨ましいほどのラブラブっぷり。もうさっさと付き合えばいいのに。付き合ってもベッドインするまでにまたしょうもない争いをするのであろうなぁ……。
ところで会長の猫耳は言うほど似合って無くないかな。これはこれで需要ありそうだなと思うんだけど。こういうキャラ、少女漫画系だとちょくちょくいるんじゃないか。俺にはようわからんが。
石上くん好きだし早坂さん普通に可愛い
キャラは少しだけ増えた。少しだけ。この手の漫画はあまりキャラを増やさないほうが良いだろうし、少しでいいよね。
まずかぐやの付き人、早坂は普通に可愛い。固すぎるかぐやに対して、早坂は程よく垢抜けており、またかぐやほどの強烈な性格をしていないこともあり、一般的には早坂のほうが可愛らしいかもしれない。早坂のほうが好きという人もけっこういるのでは……。
しかし、白銀との絡みを考えると、かぐやが劇的に可愛くなるので、ラブコメは関係性であると再認識。
石上は……好きだよ親近感あって!話の性質上、スクールカースト最上位にいる生徒会の面々は、どうにも共感を得づらい面がある。そこへいくと、石上はけっこう優秀なのに、おそらくはその根暗が故に灰色の青春を送っているようで、読者層はこっちに共感する人が多かろう。俺もさべいびー。白銀が絶対に自分からはしない、下世話な話もしてくれるしね。胸の話は誰かがしなきゃいけなかったんだ。
生徒会で唯一、かぐやの裏の顔に気づいているという特徴がある。また、恋愛的にはニュートラルな立場で、今後藤原とは違う役割を彼にも課せられるのだろう。4巻では人物紹介に名前がのるといいな。そして藤原とどうにかなる展開もアリだと思うんだ。ってか彼も報われてほしいぞ。
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