『かぐや様は告らせたい』16巻感想:真実の愛がここにある

赤坂アカ, かぐや様は告らせたい 16, 2019

気がつけば16巻。どんだけ時間をかけるのか。よきかなよきかな。

が、会長とかぐやは色々やりつくしたからか、今回は表紙の二人がメイン。裏主人公と裏ヒロインだわ。

……けっこうしんどい話が多い。この手の漫画って普通サブカップルのほうが順当にうまくいって、メインカップルの不穏な空気を和ませてくれることが多いと思うんだが、逆パターンとは新しい……。まぁ会長とかぐやはどちらも本質的に強さを持った人たちだけれど、この二人は弱いからなぁ……。

なんかギャグにすらなっていないし、あまり幸せにならなそう感あるんだけれど大丈夫だろうか。すごく間違っている感じが伝わってきてつらい。ツンデレ先輩だけが癒やし。ツンデレ先輩と弟の話よかった。以下16巻感想。

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良きタイトル詐欺かな

いやー、ようやくここまできましたねー。いやいや、タイトル詐欺タイトル詐欺。どちらにさせるかは悩ましいところだと思ったし、正直最近はもうどっちでもいいストーリーになるよなと思っていたけれど、まぁでもやっぱりかぐやから、のほうがいいかなと思う。なんだかんだいって、かぐやがメインだと思うから。

ちなみに俺の昔の記事から。

白銀の告白を待つのではなく、かぐやが自分から告白できてこそ、抑圧から解放され、彼女自身の大きな成長と言える。白銀はつまらないプライドから告白されようとしていたのではなく、そういうかぐやを理解しているからこそ、かぐやから告白されるように動いていた……というのが、今んところ考えられる一番の素敵ロマンスに思えるけれど、さてどうなるかな。

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2年前の記事(遠い目)。自分のサイトの記事引用するってどうよ、などと思いつつ、見立てはあまり間違っていなかったかなぁと。まぁ会長の気持ちについてはちょっとわからんところあるし、会長から告っても、それはそれでいいロマンスだとは思うけどね。でもやっぱり、タイトル詐欺してこそのこのタイトルだということでしょう。

まぁここまでさんざんウルトラロマンチックにしてきた分、告白シーンの見せ方は割とあっさりです。ラスボス後のイベント戦みたいな感じです。なるべくしてなった感。"真実の愛"というクサイキーワードを、会長父の口から語らせることによって消臭するとはやりおる

メインは石上くん周り、だが……

それより、今回のメインは石上くん周りでしょう。かぐやに背中を押される形で走り出した石上が、盛大にずっこけるという。そしてずっこけた石上を庇ったミコちゃんが骨折。責任を感じた石上は伊井野を甘やかすだけ甘やかすようになるのだが、誰がどう見ても二人は間違った方向に行くのであった……。

ってなことを割とシリアス目にやってくるからしんどいっす。普通この手の漫画のサブカップルって、メインカップルが不穏な空気な時にイチャイチャして和ませてくれるもんだと思うのだが、逆パターンである。裏主人公ってかもうこっちが主人公じゃないのか感。

つばめ先輩の闇深いし、伊井野はつばめ先輩に敵愾心燃やしすぎているけれどそれをフォローする人がいないからなんか痛々しいし、石上は自分のことでいっぱいいっぱいのエターナルピュアボーイだし……。

そして間違えた方向に行く二人。怖い。

まぁツンデレ先輩や大仏さんはじめ、二人が間違った道を歩みつつあることを察している人はいるんだけれど、ふたりとも他人の恋路に積極的に絡むタイプじゃないからなぁ。ってかツンデレ先輩はめっさ可愛いけど確かにあまり付き合いたくはないタイプ。ツンデレ先輩と弟のインド話、本筋とまったく関係ないけどよかったわ。

決して強くはない二人だから

まー、そんなわけで石上と伊井野は前途多難でどうなることやら。会長・かぐや組と石上・伊井野組の人間的な強さの違いが如実に出ているな、と思う。っていうかまぁ、会長とかぐやが異常に強いんだけれど。かぐやは精神的に不安定だけれど、普通の人ならとっくに潰れている環境やからね。それでまぁ解離性障害っぽくなりつつも、自分の芯を守り決して堕落していないっていう時点で相当に強いからな。

後はまぁ、石上と伊井野の関係性が、不安定過ぎるんだよなぁ。互いに互いの好意が無自覚で、しかも頑固だからタチ悪い。実際、恋愛感情かというと正直微妙なんだよなぁ。お互い、相手が別の異性と触れ合うのは面白くないみたいだから、気持ちはあるんだろうけれど。

このへん、気持ちを察することができてフォロー能力が異常に高い会長が絡むと安定するんだろうけれどね。石上は会長のことを尊敬しているから話も早い。つばめ先輩に「優しい」と褒められた時も「良い手本が身近にいるので真似てるだけ」と答えるが、これはまぁ会長のことかなと思うし(かぐやのことも意識しているか、石上はもうかぐやのやさしさを理解しているだろう)。

最近、作者さんの前作ibを読んだのだが、そこで中二的に"やさしさ"論がぶちかまされていて、あー、やっぱり作者さん一家言あるんだなーと思った。多分、作者さんの想う"やさしさ"を自然に体現しているのが会長なんだろうし、そうありたいと求めてやまないのがかぐやなのだろう、きっと。

やさしさと強さを兼ね備えた会長が絡むと、どうなってもなんとかなるだろう、という謎の安心感があるのだが、ここで手伝わせてしまうと面白くはないわな。ただまぁ、このままいくと会長・かぐや組と完全に違う道になってしまうから、どこかで交差させるのかなと思う。

会長とかぐやはロミオとジュリエット的に世間というか家の壁があるので、今後は二人で共闘していく流れになるんだろうか(タイトルどうすんだ)。少なくともまだ当分は落ち着かない二人だから、終わらなさそうなのは逆に安心できる。その中で、石上と伊井野もいい方向にいけばいいんだが……。

しかしアレだね。色ボケ生徒会だ、ここ。

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