マンネリなんだけれどしっかり面白くてさすが。
最近は付き合ったの後の展開をしっかり描いてくれるラブコメが増えている気がして、それはすごく嬉しいんだけど、ただやっぱりラブコメって付き合うまでのあれこれが一番楽しいんだなーと実感してしまうのもまた事実である。
本作でもそれはやっぱりそうで、純粋にラブコメとしては以前のほうが輝きはあったと思う。特にかぐやがどんどん普通の女の子になっていくのには、少し寂しさも感じる。
でもそれでいいんだと思うし、また本作はお家騒動と絡めて、別の展開も見せている……が、こっからの舵取りはたいへんだろうなー……と思う。以下22巻感想。
かぐやが普通になっていく
うお、マジか、とつい声に出してしまった。まさか本巻でいくとこまでいくとは思わなかった。クール教信者の小森さんなんかもそうだけれど、付き合ってからセックスまでのところ時間もかけないしそんな展開的に盛り上がり見せないのなんか生々しいなぁ😂
別に漫画なんだからそこでもう一つ盛り上がってもいいような気はするが、まぁでもそこで変に盛り上げるとなんだかエロ漫画になってしまいそうだし、盛り上げようがないのかもしれない。
個人的に非常に感慨深かったのは、やったことそのものよりも、かぐやがもうすっかり普通の女の子みたいになったなぁ、ということだった。いや、女の子なんだけどさ。
同じような感慨に至った作品として、植芝理一の謎の彼女Xがある。あの作品のヒロイン・卜部美琴は、ベクトルは違えど本作のかぐや以上にぶっ飛んだヒロインで、まさに謎の彼女Xだったのが、最後には普通の彼女卜部さんになるのだけれど、誰かとお付き合いするっていうのは、そういうことなのかもしれない。
己を開示し、相手を想い、寄り添い合って生きていく。そりゃ尖ったままじゃいられないよね、って。そうしてかぐやも、セックスを怖がったり、でも好きな相手とは繋がりたかったり、テンション上がってやっちゃったり、まぁ、普通の女の子ですわ。
これは初期のかぐやを思えば非常に感慨深いのと同時に、一抹の寂しさも感じずにはいられない。正直に言えば、これによってラブコメとしての面白みは幾分削がれたと思う。本作は稀代のラブコメ作品だと思っているが、今の話は凡庸さも否めない。だがそれでも、白銀とかぐやは、当然そうあるべきなのだ。
ラブコメの先へ?
だから、でもないかもしれないが、物語はラブコメとは少し違う展開も見せている。まぁ端的に言えばかぐやのお家騒動である。白銀自身はもちろんだが、かぐもまた動きを見せており、お茶会の話などはそうだろう。この話は若干シリアスだったのだが、そこをセックスの話で雰囲気をぶち壊したのには、さすがのセンスを感じる。というのも、ib -インスタントバレット-が顕著だが、多分作者さん、興が乗るとやりすぎちゃうタイプなんだろうなぁ、と……なので、あ、抑えたな、と思った。
実際、この先どう進めるのかな。ラブコメとしては文句なしに傑出していたと思うけれど、もしその枠を超えるとなると。もちろんベースがラブコメなのはそうだとしても。
気になりつつ、既に23巻もポチっているので、続きを読むことにする。
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