表紙が会長だけれど、目立つのは石上会計かもしれない。といっても、石上は台風の目的な感じで、石上の周りが騒がしいという感じ。会長・かぐやのラインが落ち着いたせいか、全体的に幕間感がある。
ふーむ……なるほど……ふむ……。
やっぱりラブコメって、ピークを超えると難しいんだろうか。特に、本作はなんといっても会長とかぐやのラブコメが限界突破で魅力的かつ、コメディの影に見え隠れする切実な人の想いが汲み取れて、それがとてもよかった。
そこへいくと、会長・かぐやから離れるほどに、作品としての魅力はそれなりな感じになってしまうような気はする。面白いは面白いんだけども。やっぱ会長とかぐやなんだなー……。
あ、早坂可愛かったです。以下20巻感想。
隠居ですか会長
なんだかなー。まぁかぐや様については期待値MAXになってしまっているので、閾値が異常に高くなってしまっている、というのはある。実際本巻も面白いんだけれど。
ただ……いつものニヤニヤを100とするなら、本巻は10か20くらいであった。まぁ通常のラブコメのニヤニヤが俺比3-5くらいの気がするので、十分といえば十分かもしれないのだが。しかし本作にかける期待はもっと大きいのだ……。
やっぱり、会長とかぐやあっての本作なのだなぁ、と再認識する。石上くん周りも嫌いではないんだけれど、そこまで入れ込めない。というか石上×つばめでニヤニヤできない。すまんのう……。
しかも石上くん周り、100%に近いどシリアスなんだよなぁ。うーん。会長とかぐやの場合は、気の利いたコメディの中に最上級のニヤニヤと、僅かな"毒"が忍ばされていた。その"毒"を一気に解毒する回が、会長一念発起のウルトラロマンス回であった。花火大会然り、文化祭然り。なにより超ニヤニヤできた。
石上くん周りはねー、もうずっとシリアス、どシリアスなんですよ。あと俺は石上くん割と好きなほうだと思うんだけれど、キャラ的にはラノベ主人公感があって、不器用な優しさで誤解されている展開含め、なにかこう既視感が……ね。あと繰り返しだけどつばめ先輩相手でニヤニヤできない。これが致命的。
じゃあ相手が伊井野ならいいの?というと、これもまたしんどいのだよなぁ。藤原書紀とくっついてほしかった。ってあれ、もしかして解釈違いですか?
カップルじゃない信頼できる異性というラブコメの素晴らしいおまけ
やっぱ、会長とかぐやなんだなーって。石上とかぐやの話はけっこう好きなんだけれど、これもやっぱり会長とかぐやの関係をベースにしているからなんだろうな。
同じように、今回の会長と伊井野の話も面白かった。正直、見えている大型地雷物件の伊井野はそんなに好きなタイプのキャラってわけでもなくて、属性てんこ盛りでやがんなコイツとか内心思っていたのだが、会長に応援されている時の伊井野は可愛かった。
互いの気持ちが知れて、険が取れた伊井野は普通に可愛らしい。わざわざ気を使ってくれている会長に対して、「本命チョコは会長にあげますね」とニヤニヤしてからかいながらも、奥底には尊敬と感謝の念がある。これほどまでに肩の力を抜いて接する異性が他にあるだろうか。この別に想い人がいると互いに確信をもった関係は、ラブコメの素敵なおまけでして、たいへん良いものでした。カップルのいちゃいちゃとはまた別の良さがある。信頼できる異性の距離感よ。
ツンデレ先輩が可愛いのも、この距離感がうまく活かされている故と思う。もしも彼女が心機一転、明確に会長や石上会計を狙ったら、全然違う印象になってしまうであろう。ツンデレ先輩マジ報われて欲しいけれど、報われないから可愛いのだ……。
早坂はデンジャーだぜ
そこへいくと、ラブコメ的には安全地帯(?)の位置にいるツンデレ先輩や伊井野と異なり、少しばかりデンジャラスゾーンにいるのがみんな大好き早坂です。恋人の親友・身内ポジション。これは信頼できるけれど、その信頼が背徳にひっくり返る危険性も秘めるジョーカーです。
なので、早坂が会長にチョコを渡すのは、ツンデレ先輩や伊井野が渡すのとはちょっと意味合いが異なる。や、もちろん彼女にそういうつもりがあるわけではない。あるわけではないんだけれど、まったくないわけでもない。それくらいの感じです。いい感じです。
かぐやもそれは感じ取っているし、またかぐやにそう感じ取られることも、早坂はわかっているだろう。それにも関わらず、わざわざかぐやにチョコを渡す許可を得る。
このシーン好き。目合わせないのな。とぼけた愛ちゃんと半分アサシンモードのかぐや様めっちゃ可愛い。まぁ早坂にしてみれば冗談半分本気半分といったところで、かぐやにすれば本気半分警戒半分といったところだろうか、って100%本気や😊
いや実際、かぐやにとっては面白いことではないんだよね。藤原書紀や伊井野が会長にチョコを渡してもかぐやはなんとも思わないだろう。だが、早坂となると警戒感がある。早坂もそれはわかっている。
かといって、黙ってこっそりチョコを渡したりはしない。それはかぐやに対する裏切りである。かといって、チョコを渡さないということもない。なぜなら、渡したいから。彼女はもう、自由なのだ。仮面を被る必要も、嘘をつく必要もない。そのように生きることを、かぐやもまた望んでいる。
つまり、これは早坂のかぐやに対する誠意だ。早坂はもう、かぐやに対して何も隠したくないのだ。
長年に渡って裏切り続けてきたという罪悪感は、そう簡単に断ち切れるものではない。自由になってなお、早坂は戦っている。
……正直、かぐやから会長にチョコを渡すシーンより、早坂が渡すシーンのほうがぐっときてしまった……。19巻はかぐやと早坂の物語なのだけれど、どちらかというと早坂の物語なんだよね、あれは……。ああいう劇的な話の次にもってくるからさー、バレンタインが早坂編のエピローグみたいになっちゃったよね。いや、いいんだけどさ。早坂可愛いし。
ところで思い出話で従者モードになる早川よき。ちょいちょい従者モードになるよね。まだ完全に切り替わってないのよき。
安定してるのはいいことです?
あー、やっぱり会長・かぐやを中心とした人間模様が俺は好きなんだなー……。その会長とかぐやがなぁ……ド安定なんだよ。いや、いいことなんだけど。ど安定のイチャイチャが求められるタイプのラブコメだっていっぱいあるし。でもこの二人の場合局所的には常にゆらぎMAXだったのがよかったわけで、ほどほどに頑張る会長も、ただただ可愛いかぐやも……まぁ健全なんだけれど、なんつーか、物足りねぇなぁ……という気持ちは正直ある。
ただまぁ、今回は周囲が揺らいでいるので、二人は現在は安定的である必要があるのかもしれない。石上の物語も二人は絡むし、正直どんな風に絡むのか、どう結末を導くのかに関心はある。どうなるかねぇ……。
それにしても、記事見返していて思ったんだが、俺もしかして早坂めっちゃ好きなんじゃないだろうか……。昔からサブヒロイン、マイナーカップリングが好きでした……。
あれ?感想なんか変と思ったら、そうかまだ20巻なのですね。
確かに一休みといった巻で、特に白かぐの関係性に着目するとあまり響くものが無い巻でもありましたね。個人的にはミコとの掛け合いだけで充分ニヤニヤしてしまいますが。
21巻もそのうち感想待ってます。
そう、2週遅れなんですよ。
21巻もポチってますので近々。
ミコちゃんは甘えられる相手が見つかってよかったですね。でも多分恋人に甘えちゃいけないタイプなんだろうという気はします。
石上にとっての伊井野はどうなんだろう?というのが個人的には難しいところだと思っています。