一般誌でここまでやれるんだなぁと感心した。2011年から2014年にかけて全6巻の全年齢向けエロ漫画。
まぁ例によって内容はないようなんだけど、特徴として触手や蟲多めということがあげられる。これはけっこうニッチな需要があると思っている。というのも、触手や蟲姦といったジャンルはゴリゴリのR18であり、しかもハードコア寄りであるため、自分のようなヘタレは、まぁ別に読めないことはないんだけど正直けっこうキツイというか、正直そういう目的で読もうと思えないのだが、一応全年齢である本作ならば、このようなエグめのジャンルでもあまりハードコアな展開にはならず、ライトにハードを楽しめると思う。
……まぁでもやっぱり画はエグいので、好みは分かれると思う。
蟲は好きですか?
まぁちょっとした触手くらいなら往年のとらぶってる漫画でも出てくるので、ライトな触手ならばイマドキの若人でもそれなりに耐性ある人が増えたと思うのだが、しかし蟲はどうだろう。具体的には大量の巨大ミミズが全身を這いずり回ったりするんだけれど、これはさすがにとらぶってるってレベルじゃねーぞというか、まぁなかなかハードコアだよね。
R18なら別に珍しくもないんだけれど、やっぱり特殊性癖であるためか、このジャンルは全体的に描写が濃い人向けのものが多く、見ていて「おおぅ……」となるものがたいていに思える。まぁ好きな人は好きなのはそりゃそうだろうけれど、一般的ではない。俺自身もさすがにこの歳になれば、たいていのものには免疫があるとはいえ、しかし積極的に見たいとは思わない感じだ。
そこへいくと、まぁ本作の触手や蟲も別に特別見たいとは思わないのだが、しかし一線を越えないレベルでハードコアな描写が楽しめる点においては、けっこう貴重なんじゃないのか、と思ったりした。……普通の感覚からいくと一線は越えているのかもしれない。実際小学生くらいで間違って読んでしまった場合、トラウマになる可能性がある。そしてその性癖に深刻な影響を与えてしまうかもしれない……うーんこれは少子化推進漫画。
中学生くらいまでいけば読めると思うが、多分ドン引きなんじゃないかなぁ。高校生までいけばまぁ……?
R18ではないことに意義
そんな内容なら素直にR18のほうが良いのではないか、と思われるかもしれないけれど、本作はR18ではないところに作品としても価値があるように思われた。これはまぁ繰り返しになるのだけれど、「ハードになりすぎずにハードコアを楽しめる」という一点に、本作の価値があるのではないかな。
不気味な触手がオッパイに巻き付くくらいならいいけど、その触手が大切なところの中に入っていったらちょっと引いちゃう、みたいなラインはあるじゃない。でもR18はそれが求められるわけで。R18じゃないからこそ、一線越えなくて済んでおり、そしてその一線を越える手前という需要は確かにある。
……最近、ここ数年の傾向だと思うんだけれど、このエロなんだけれど一線越えないラインが一番迫害されているというか、居場所がなくなっているよなぁと思う。本当はグラデーションなのに。本当のレインボーが認められない世の中だ。
訓練されてますか
ということで、触手とか蟲といったハードコアをライトに楽しめるというのが本作ではあるので、まぁそれが目的ならいいと思うんだけれど、正直お話も何もあったものではないので、本当にそれだけ目的かなぁ。なんも考えたくない時に読む本としても良いといえばよいのだが、さすがに性癖ニッチ過ぎるので、それなりに訓練されていることが求められる。
訓練された諸兄が頭からっぽにしてギリギリを愉しむ漫画、かもしれない。
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