『異種族レビュアーズ』1-2巻感想：俺たちが本当に転生したかった異世界

原作・天原。作画・masha。1巻が2017年だからけっこう前だったね。このサイト出来た時くらいやん。

例によって「オススメされた作品」からなんだけど、これめっちゃ面白かった。当サイト的な見方だと、ラブコメではないけど、年季の入ったラブコメ好きなら好きな人多いんじゃないかな？ただまぁ人は選ぶと思う。風俗ものだし、異種姦（といってもたいていは亜人程度だが）といえばまぁそうだし……。

まぁでも基本オッサンならいいと思う。ああ、でぇじょぶだ、心の話だ。心がオッサンなら物理は問わん。ウチの姉は既にオッサンだ（殴られる）。逆にリアルオッサンでも心がオッサンじゃないならダメだ。オッサンとは概念。

RPG……というかどこかゲームブック的な世界観の中、いろんな種族の風俗についてクロスレビューしていくという構成なんだが、非常にノスタルジックなものを感じさせる。いろんなものがごちゃ混ぜミックスになってると思われ、そのため人によって思い出すものは違うだろうけれど、俺は昔ネットでみた名前も思い出せない風俗レビューサイトを思い出した（いつ見ていたかは聞くな）。

以下AIには書けない1巻感想。大丈夫。人間のレビュアーだよ。

オススメ文

オススメされた作品からです。ありがとうございました。二ヶ月だから当サイト的には比較的早い(｀･ω･´)

ファンタジー世界の風俗店を回るよ！って内容ですが、世界観の考察がしっかりしていて読ませる内容です。ラブコメ要素は極小ですが、人間主人公スタンクと周りの人との関わりは多少フラグは立ってる…かも

ユウさん

最初のほうは、メイドリーでラブコメできるようにもしていたように見えました笑

俺たちが望んだ異世界

異種族もの（あるいは亜人もの）ってやけに世界観凝ってる作品が多いように思うけど、まぁ実際そういうの考えるの好きな人が描くんだろうね。しかし設定資料集のごとく世界観を羅列されても読者としては困るわけで、まぁ話の内容はラブコメだったりクエストだったり勇者パーティ追放復讐悪役令嬢だったりするわけだ。

とはいえ、あまりにも流行すぎて、たいていの切り口は手垢に塗れている。そんな中でも、風俗という切り口は突飛ながら面白いし、またそこで紡がれる世界がなんともノスタルジックな空気を纏っていて、俺たちが本当に転生したかった異世界はここだという気分にさせられる。

いろんな懐かしの文化がミックスされていると思われ、その人が通ってきた人生の軌跡によって、思い出されるものは変わるだろう。俺の場合は、大昔に見たネットの風俗レビューサイトだった。そこでは熟れた素人感漂う、味のある絵柄の漫画で風俗のレビューをしていた……若かりし（本当に若かりし）頃の俺は妙に興奮したもんだ。今はもうあんなサイト見つけられなくなっちまったなぁ。

きっとときめくシチュがある

異種族という特性を活かした風俗なだけに、そのプレイは非常に特殊なものが多い。中には「うぇっ」てものもあるし、「いますぐ異世界転生したい」と思うものもある。

個人的には産卵回が好きだった。「人魚の男の産卵フェチ率は限りなく100%」めっちゃ好き。「もう一個産めそう♥」で大盛り上がりなのもよかったし、そのテンションについていけない我らヒューマン代表も、先輩に無理矢理趣味の合わない店に連れてこられた新卒みたいでよかった。

そしてみんな大好きエルフババァ。人間以外エルフババァはしっかりババァに見えるようなので、彼女らが嬢をしているのはさぞ凄まじい光景であろう。人間にチヤホヤされることで彼女らもかなり調子にのっているっぽいのが、多種族をイライラさせているようだ。無駄に可愛いパンツ履きやがって……まぁでも実際のところ、ババァの自分をまるで18歳の少女のように接してくれる、見た目大して変わらない種族がいたとしたら、楽しくて仕方ないのではないか。この世界人間とエルフの婚姻率めっちゃ高そう。

レビュアーズレビュー

野郎共もけっこういい性格しているので語りたい。

無難 スタンク

俺たち代表の人間族。どこにでもいる普通の人間。その役どころはまさに一般的な男の共感なので、あまり印象には残らないかもしれない。しかしいないとツッコミ不在のシュール漫画になってしまう。普通であることが求められるという、漫画としては珍しい主人公。

エロエルフ ゼル

基本的には人間のスタンクと近い感性をしているが、やや特殊（フツーの人間視点）な性癖を見せ、人間の感性と異種族の感性の橋渡し的な役どころを担っている。性格はこざっぱりとしており、良い意味でエルフらしくないところが、古き良き少年向けファンタジーを思わせなんだか妙にノスタルジックだ。「終わったあとのイチャイチャピロートーク好き」とか言ってるのが好き。

属性盛りすぎメス天使 クリム

男子校のアイドル。本作のヒロイン。両性具有らしいが、作中では男の娘……男の子寄りとして描かれる。顔も性格も可愛いがブツは可愛くないようだ。

実際には中性的とみられ、性転換の店ではフツーに男を選びたさそうだったので、両方いけるのは確定的に明らか。元々は身を守るために男を名乗ることを選んだのだろうが、今は男であることを望まれているから男として振る舞っているだけで、求められればいつでもバッチコイと思われる。レインボー。

不憫な獣人 ブルーズ

4人目枠はFF2で言うとレオンハルト枠のポジションなので入れ替わり立ち替わりなんだが、その中で初期から比較的出番多めなのは獣人のブルーズ。獣よりの彼がちょくちょく混ざることで、異世界感がより強く感じられる。アンデッド回で臭いに耐えられずションボリしている獣人のブルーズが好き。臭いのない子はスケルトンと霊体しかおらず、「骨の身体はしゃぶりがいはあるのだが、何もエロくないしどうすればよいのやら……」と嘆いてるの見て笑ったし「舐めるだけ舐め尽くして終わった」としっかり指名はしていたらしいのを見てまた笑った。やっぱり人間好みとは違うようで、人間・亜人メインの本作においてはやや不憫なことが多い。

みんなでワチャワチャしてる感じが好き

これほど種族の違いを感じられる異種族漫画もなかなかないな、と思った。性って、生物にとって根源的なんだなぁ。

種族ごとの生々しい人気事情なんかからも察せられるように、まぁこの世界も色々あるんだろうけどさ。でも色々あるなりに、多種多様な人たちが混じり合って、受け入れたり受け入れられたり受け入れられなかったりしながら、みんなが己のままに、全体としてワチャワチャしているところが好きだ。変に相手に合わせるでもなく、合うところは合うし、そうでないところはそうでないけれど、合う時は一緒にやればいいし、合わない時は今回は無理だなって遠慮すればいい。

かつて俺たちが夢見たのは、こういう世界ではなかったか。風俗という大人のテーマなのに、少年時代の気持ちを思い出させてくれる漫画だった。続きも読みたい。