『異世界帰りのおっさんは父性スキルでファザコン娘達をトロトロに(漫画)』1-2巻感想:歳の差ハーレムは好きですか

この漫画を買う時ほど「電子書籍ありがとう」とテクノロジーに感謝することもないだろう。とんでもないタイトルと欲望に忠実な表紙はそれだけで真なる自由の国ニッポンの偉大さを教えてくれる。3年前にポチった記録だけ残っていた。この漫画買った挙げ句に積むとかある?

出だしが父と慕うおっぱい美少女に挟まれながらやれやれするオッサンで、作者は何かの刑罰でこの話を書いているのか?と思われたが、その後の話を読んでみると異世界帰りの元勇者、まぁつまり可哀想な異世界おじさんの現代譚で、普通に面白かった。

以下1-2巻感想。実父じゃないことは要注意(というよりご安心ください?)。ファザコンというよりは歳の差ハーレムという感じ。

目次

自由を満喫したタイトルと表紙

タイトルから察せられるとおり、いわゆるなろう系のコミカライズである。

異世界帰りのおっさんは、父性スキルでファザコン娘達をトロトロに

ビジュアルという武器を持たない文字書きたちが苦労の末たどり着いたのがこのインパクトに特化した癖強長文なのは現代の業であることだなぁ。そしてコミカライズによってビジュアルという武器を得てなお、その表紙はサービス過多。そして出だしは胸が大きいに過ぎる美少女に挟まれてやれやれしてるオッサン。コイツは強烈だぜ。

しかし俺もこれポチってるからなぁ。釣られてる。もはや記憶も定かではないが3年前にポチった記録が残っている。「表紙がエロいからポチろう🤔」と思ってポチったのだろうか……でもそれだったらなぜ積む俺。そんなんばっかりだよ人生。

哀しみの元勇者

さて、本作の主人公も、幸せハッピーだったのは出だしだけで、その後はなかなかつらそうな人生模様が綴られていた。異世界帰りの異世界おじさんはニートとして新たな出発を余儀なくされているが、異世界での力は現代社会ではまったく役に立たないので、ブラックバイトでクソ店長に怒鳴られて心をすり減らす毎日を送っている。

……とはいえ悟空さのごとく身体能力と、異世界をサバイバルした適応能力があるのだから、実際のところ本当にどうにかしたければどうにでもなるんじゃないのという気もするが、恐らくこの主人公はそもそもどうにかする気が無いんだろう。というのも、この主人公にとって、現代でうだつの上がらない生活をすることは自らに課せられた罰だからだ。まぁ異世界でそう思わせることがあったのだろう。

主人公・圭介は異世界でなんと世界を救った元勇者、しかも世界を救った途端に元の世界に帰されるという塩対応を受けていた。で、さすがにそれはあんまりじゃね?ということで、一年たってから、救世のご褒美として若くて可愛くて胸のデカい生娘を送るということになったらしい。それが表紙のヒロイン・アンジェリカだ。実に舐めた対応である。

いやまぁ、若くて可愛い生娘がもらえるなら他には何もいらないヒャッハーみたいな人もいるかもしらんが、そういう人は勇者になれないだろう。作中でも自分に対して懲罰的な傾向を指摘された時「そうでないと勇者になれない」と皮肉めいたことを返していたが、真理である。

アンジェリカを抱くことは、圭介にとって自分の人生を汚すことになるのであろう。だからアンジェリカに迫られても抱かないことは理解できる。また、アンジェリカはアンジェリカで中々面白い考え方をしており、「神聖巫女」として人生を捧げられたことに対する復讐心と、圭介に対する同情心などがないまぜになっていることが、不自然なまでに圭介に迫る理由として説明されている……のだが、これがマジで圭介の言葉からまんま説明される丁寧な仕様。

神聖巫女の身分に落とした人々への復讐心
男性全般への好奇心
勇者へのミーハーな憧れ
父性への飢え 俺への同情
そういう感情がぐちゃぐちゃに混ざり合って恋心だと勘違いしてるんだ

p.66

完璧な回答で草。作中でここまで説明されたらレビューは言うことないです笑。もうちょっと想像させてくれてもいいと思うんだけど、アンジェリカよりも圭介のほうが物語の主題なのか、それともここではまだわからないアンジェリカの気持ちがあるのか?

いずれにせよ、アンジェリカが圭介好き好きな態度を取ることも、そしてそんなアンジェリカを圭介が抱かないことも、舞台説明としては納得のできるもので、これはさすが原作が小説だからだろうかと、この手の漫画を読み慣れた身からすると妙な感心をしてしまった。

でもこれ、実父じゃないよね。これもファザコンっていっていいんだろうか。まぁでも考えて見たらラブコメの妹は高確率で義妹だからそんなもんか。実際実父だったらちょっと、いやだいぶキツかった。多分無理。

絵は強し

漫画としてはビジュアルという強みをフルに活かし……活かしすぎるくらいに活かしており、実際ページの体感7割がエロい。パンツは風景。というかスカートの短さこれもう股上じゃね……?と感じることもしばしば。世界よ、これが本当の自由だ。

こういう漫画はフルカラーになればいいのになぁとつくづく思う。みんな大嫌いAIも自動彩色くらいならまぁ許してもらえるんじゃなかろうか。印刷費用ガーにしても電子は関係ないし。それとも、自動彩色も思ったような配色でやろうとすると結局コストがかかるのかな……。AIイラストもやってみるとけっこう難しかったしな。でも海外の作品ってフルカラー多いように思うし、イマドキなんとかなりそうなもんだけどな……。

まぁそう思わせるくらい、絵が綺麗ということではある。また、絵が綺麗なだけでなく、ちゃんと漫画しており、原作を読んでいないが、純粋にコミカライズとしても上々に思えた。コミカライズのクオリティ本当に上がったなぁ。

ということで、想定外に楽しめてしまい、普通に続きポチろうと思ったが、つい先日までセールしていたのに今はしていなくて悔しいのでしばらく待つ(そんなんばっか)。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次