『虚構推理(漫画)』11巻感想:九郎先輩はこの薄ら怖い女とよく付き合えるな

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城平京, 片瀬茶柴, 虚構推理 11, 2019

こえーよ。ここまで散々絶賛しておいてなんだがこの女マジで怖いな。ってか俺もうついにこの女呼ばわりだよだって怖いよこの女

でも表紙見るとお似合いのカップルにしか見えないっていう。いや実際お似合いなんだと思うよ。ラブコメとして良いものなのは確か。だから迷わずポチってください。おすすめします。

ただこの女怖いんだよ。まんじゅう怖いの怖いじゃなくて普通に怖い。六花さんの気持ちよくわかるよ。ってか先輩や六花さんの存在自体が秩序に反しているしね。まぁそれを言うとおひいさまもたいがいなんだが。

以下岩永琴子がひたすら怖い11巻感想。九郎先輩頑張って。っていうか九郎先輩どういう気持ちなんだろう

目次

怖い女

怖いすなぁ。俺は本作の感想を少しずつ書いているのだけれど、見直してみると岩永琴子に対する印象がそのたびに変わっているのがわかる。最初の間は琴子ちゃんとか言いつつ時折岩永、という感じだったのが、だんだんと岩永琴子になってきて、本巻の感想ではついに"この女"になってしまった。六花さんじゃないけれど俺も怖いよ岩永琴子。

あやかしから独自情報があるとか、そんなのは些細なことだなぁ。そんなこと関係なしに、岩永琴子は恐ろしい。鋼鉄でできているんじゃないかと疑う強い心臓を持ち、その恐ろしく回る頭の良さで人の感情・知能を逆手にとって行動まで操作して目的を達する姿には、薄ら怖い不気味さを感じる。ってかもう考え方とか達観しすぎていてまじで妖婆じゃないのって感じる。

こんな化け物女が性欲を剥き出しにする様は、ケモノが盛っているのを見るようでいたたまれない。九郎先輩お疲れ様っていうかちゃんとたつの?でもやることはやってるはずなんだよな。おひいさま貫通済みなのだし。妄想じゃないよねおひいさまの。

畏れ多い女

とまぁ、最初とは随分印象が変わったのだが、1巻の感想記事で表題にした「化け物カップル」という表現は、奇しくも的を射ていたと言える。九郎先輩もたいがい化け物なのは間違いないし、しかも九郎先輩曰く岩永琴子は"幸せになるべき"らしく、まぁ九郎先輩がそういうのならきっとそうなのだろうなぁと思う。

まぁ実際、別に悪いことしているわけではないんだよな。人の世の理から外れているとはいっても、それでもやはり岩永琴子がしているのは何かしらの(独りよがりなものではない)基準から見た"正しい"ことだと思うし。献身的で利他的、ひょっとすると自己犠牲的とすら言えるかもしれない(それは特定の個人に対する利ではないけれど)。俺が岩永琴子に感じているものは、恐れというよりは畏れに近いのかもしれないね。まぁおひいさまだしねぇ。

九郎先輩にとっての岩永琴子

九郎先輩は、岩永琴子のことを実際どう思っているのだろう。九郎先輩自身、岩永琴子の言う"秩序"から外れた存在に思えるけれどな。だからこそ六花さんは心配しているのだと思うし、"ひどい捨てられ方"をすると言うのだろう。その気持もわかる(でもやっぱりその光景は想像できない)。

特にこのスリーピング・マーダー編は岩永琴子の恐ろしさがよくわかる話でった。九郎先輩は、六花さんの狙いを"(岩永琴子は)守るべき秩序のためには容赦しない"ことを九郎にハッキリ見せるためではないかと言う。それは当たらずとも遠からずな気がする。岩永琴子は九郎先輩大好きだけれど、その感情さえも秩序より上には来ないだろう。

でも、六花さんの想いとは裏腹に、九郎先輩は岩永琴子のことをよく理解したうえで付き合っているのだと思われる。それとも、六花さんにしかわからない岩永琴子の恐ろしさがまだあるのだろうか……?

まーでもねぇ、なんだかんだ九郎先輩もマトモそうに見えて相当変わっているんだろうし。世の中にはマトモそうなのに変人と一緒にいる奴が一番変理論というものがあり、いや今俺が勝手につけただけなんだが、本作に限らず変わった仲間とその間に立つ真人間、という構成の物語は存外ある。「マトモそうなやつは一見マトモそうだけれど、この変な奴らと一緒にいる時点でマトモじゃない」のである。これは往年のクロマティ高校において「ヤンキーの群れの中に一人だけいるバンピーが逆に一番怖い(意訳)」とわかりやすくその恐ろしさが語られている。年齢のバレる話をしてしまった。あと2年もすれば野原ひろしを超えるという事実がおひいさまより怖い。

岩永琴子にとっての九郎先輩

九郎先輩は岩永琴子に対して、恐らく当の岩永琴子や六花さんが思っているよりも、だいぶ深い想いを抱いているのではないか、とはラブコメ脳の俺の見立てであるが、むしろわからないのは九郎大好き琴子ちゃんの気持ちのほうだったりする。

まぁ一目惚れなんだけれど、一目惚れって理由がないのが強みであると同時に不安にさせる要素でもある。確かに、桜川九郎は岩永琴子と一緒に居ても違和感のない強さを持ってはいるので、納得感はあるんだけれど。普段の岩永琴子が恋とは無縁の考えを持っているように思えるだけに、なんだろうな、という気持ちも拭えないんだよな。でも九郎先輩大好きなところが、岩永琴子がなお愛らしい理由なんだよなぁ。性欲強すぎるけれど。

だが、オマケ漫画で九郎先輩が分裂した時、「あーこんなんなったら岩永琴子が発情して即3……ってあれ?なんもせんの?」と思った俺は少なくともおひいさまのことを言える立場ではなさそうである。まぁおひいさまは戻した直後に取り逃がした魚の大きさに気づいてようだけれど。その続きはきっと薄い本に描かれ……るの?

描かれたらいいね。なんだかんだいって、お似合いの二人なのは間違いないんだよなぁ。不思議。

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