『犬神さんと猿飛くんは仲が悪い』全3巻(最終巻)感想:できる男女対決、だけれども

タチバナロク, 犬神さんと猿飛くんは仲が悪い 3, 2015

あれ、あれれ。俺、この漫画の感想記事書いてなかったっけか。なんか昔書いた気がしていたんだけれど。まぁいいんだけど。

たしか2巻まで読んでいて3巻積ん読だったんだよね。で、読んでみたら、「あれ、これ最終巻やん」っていう。

なんとなく懐かしい気分にさせられた。BOOKOFFで名前もよく知らない漫画を読み始めたらすぐに最終巻までたどり着いた在りし日のことを思い出した。

テーマ性は感じられるし、描きたいものがあったんだろうなぁと思うけれど、描ききれなかったんだろうなぁと素人目にも思ってしまう、でもなんとなく感じるところはある、そんな漫画。

ラブコメ的な構成だけれどラブコメ的には微妙だったな。以下最終巻を含む全3巻感想。

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二人の関係は面白いところもあるけれど

表紙の犬神さんと猿飛くんによる、犬神家跡継ぎ争いの漫画。才色兼備の犬神さんが、突然出てきた猿飛くんに徹底的にやられ、途中一勝しつつも割と最後までやられっぱなし。

二人のぶつかり合いはまぁ面白かった……が、勝負内容は正直面白くない。勝敗に絡む二人の関係性自体は楽しめるものだったが。勝負は最後の最後まで面白くないというか、最終話の10番勝負に至ってはただのボードゲームだったりテレビゲームだったりを普通にやるだけ、どこまで真面目なのかと思うほどであった。

というか、最後はすごく打ち切りっぽかった。犬神さんと猿飛くんの想いだけ最低限なんとか描ききって、あとはもうどうにでもなーれみたいなやけっぱち感を感じなくもなく。

最終的にはじゃんけんで猿飛くんが勝つわけだが(なんじゃそりゃ)、まぁ正直本作で大事なのは勝敗に至る過程だったろうから、最後の十本勝負は本当に茶番だったのだろうね。

ただこの漫画で勝負自体に面白みが全然なかったのは、けっこう致命的だったような気はする。せめてラブコメ的に楽しめればもうちょっと見どころがあったように思うし、実際できる男女の対決はラブコメ的にはおいしいフレームワークなんだが、最後まで特に生かされなかったなぁ。むしろ猿飛くんは犬神さんよりお付きの十亀といい感じになるのであった。実際、この二人はくっつかないであろう。

ということで、犬神さんと猿飛くんの確執というか心の動きには面白いところはあったけれど、それ以外はなんともで、3巻終了もむべなるかな、という感じ。冒頭でも書いたけれど、BOOKOFFで知らない漫画を手にとって読んだ小学生時代の感覚が思い出された。あ、終わった、みたいな。でも全然残るものがないわけでもない、みたいな。

うーん……なんとなくテーマ性は感じられるけれど、それが何なのかは見えてこず、楽しめるところもあっただけに、ちょっと色々惜しいなぁ、と思う作品でした。

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