妹の友達といういかにもいそうなのにあまりいないヒロイン属性。ラブコメ文法的には、妹のほうが目立つからなんだろうか。主人公・ヒロインでそれぞれ妹との関係を考える必要があり、かつ常に妹というハブを介することになるから、確かにちょっと面倒かもしれない。
実際あまり「妹の友達」で思い浮かぶヒロインがいないし、さらに言えばいたとしてもなんかサブヒロインっぽくなりそうなので、ニッチなところをついたラブコメ、かもしれない。
ただ、ヒーローの男は主人公というより視点人物の一人という感じで、実質的には表紙の女の子がヒロインにして主人公である。タイトルは「妹の友達」だが、描かれているものは「友達のお兄さんに恋してるのが丸わかり」なヒロイン可愛い漫画であることには注意すべき。
実際、「妹の友達」という関係に魅力を感じて手に取ると肩透かしかも?ヒロインのつゆちゃん可愛い漫画だからなぁ。なお表紙はつゆちゃんの決め角度なのか、作中でも何度か目にすることになる。以下1巻感想。
つゆちゃん可愛い!
つゆちゃん可愛い漫画。何考えてるのか丸わかりの可愛いつゆちゃんをみんなで愛でよう。こんな可愛いつゆちゃんに好かれて、羨ましい兄貴やで。頑張ってつゆちゃんの可愛さ引き出してくれよ。
という漫画なので、ラブコメではあるものの、純粋にラブコメを求める向きからすると微妙だと思う。本質的にはきらら系に近い印象だ。
実際、野郎の兄貴はつゆちゃんの憧れの人という立ち位置であって、それ以上でもそれ以下でもなく、タイトルこそ「妹の友達」なんだが、その実態は「友達のお兄さん」である。
表紙の決め顔アングルなんか、顔を少しだけ向けて目だけを配るいかにも「妹の友達」という属性にしっくりくる感じなんだが、別にその先にいるのはお兄さんというわけではなく、純粋にこの角度が可愛いので採用した、という感じ。こっち見てるわけじゃないんだけれど、やたら目が会うんだよなーとか、そういうシチュはなかった。。。
なので、ラブコメを読みたいというよりは、可愛い女の子が恋してもっと可愛くなっている様を見たい、という諸兄あるいは淑女向け(そういう淑女は一定数いそう)だと思う。
ちなみにお兄さんはつゆちゃんの憧れなだけあって、優しくて素敵なおにーさんです。気が利くし、家族想いで、細身だけれどスラッと背は高く、しっかりと筋を感じさせる身体つき、清潔感のある見た目と、少女漫画のヒーローのようにキラキラしているわけではないが(あそこまでやられると男の共感えられなくなっちゃうから……)、つゆちゃんのお相手として納得のいく感じ。飲み物を飲む時とかの、ちょっとした立ち振舞が、いちいちちょっとだけカッコいいんだよね。
看板は嘘ではないが期待してもいけない
とまぁ、こういう感じなので、正直「妹の友達」的なラブコメに期待もあった自分としてはちょっともにょりました。冒頭にも書いたとおり、ラブコメでありそうなのにあんまりない属性だから……。
野郎向けハーレム系ラブコメ漫画なんかだと、しばしば妹ヒロインも登場するが、ヒロインズの関係見ると、ヒロインが妹と個人的な関係を築くようになることはあっても、「妹の友達」がヒロイン化することはあんまりない気がする。幼馴染キャラとかは妹とも直接関係もっていたりするが、それもたいていは「主人公の幼馴染」が先にくる。
現実には、友達の身内(あるいは身内の友達)って男女共に安心感のある組み合わせだと思うんだが、その安心感がラブコメ的には微妙なんだろうか。というかラブコメ界隈は身内がヒロイン・ヒーロー候補になってしまうので、ガッツリとラブコメやる場合、ハブとなる身内の立ち位置が難しいのかもしれない。
それだけにけっこう期待もあったんだが、タイトルは嘘ではないものの、本質ではないなぁと思え、なんともなんとも。うむー。
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